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籠絡 欲望の裏階段 双葉文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2015/02/01 |
JAN | 9784575517606 |
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籠絡
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官能的には申し分ないが虚しさが残る復讐劇か
・片田舎で少々燻っている感じの青年主人公。 ・そんな主人公の彼女が突然の失踪、どうやら男と一緒らしい。 ・彼女を奪い返すべく上京するも返り討ちに遭う。 ・気がついたら妙齢の美女がいて「契約」を結ぶことに。 ・思惑の一致した主人公が再び開始する復讐劇。 彼女の失踪を「...
・片田舎で少々燻っている感じの青年主人公。 ・そんな主人公の彼女が突然の失踪、どうやら男と一緒らしい。 ・彼女を奪い返すべく上京するも返り討ちに遭う。 ・気がついたら妙齢の美女がいて「契約」を結ぶことに。 ・思惑の一致した主人公が再び開始する復讐劇。 彼女の失踪を「男に口車に乗って騙され、連れ去られた」と解釈している主人公の行動が物語の骨子である。将来を誓ったハズなのに何故?という真意を確かめたい一心の主人公なのだが、そこには23歳らしい若気の至りも込められているようで、彼女にぞっこん一直線だから見えないこともあると暗に示しているようにも写る。つまり、傍から見れば「そこまで追いかけていく程の女だろうか?」という素朴な疑問である。 また、実際は【彩子】という謎の美女(34歳)と出会うことで復讐のスケールが裏社会的闇の方面へスケールアップして、フツーの感覚なら分不相応に与えられたミッションへの及び腰な一面も時には覗かせて然るべきと感じるのだが、あくまでも彼女を奪い返そうと奮起する主人公の良く言えば一途な、悪く言えば一点張りな印象となる心理描写への違和感がある。 今少しダークでハードボイルドな展開と結末を予想したが、正直に言えばオチがやや肩透かし。何も持っていなかった主人公が破格の富を得て、富に目が眩んだ女が落ちぶれることで描かれた対比は虚しく、そして哀れである。狡猾で猜疑心に満ちていた割には迂闊だった「敵」の末路も含めた復讐劇は用意周到に広げた風呂敷だったものの畳み方はちょっぴりショボかったかな~?と言わねばなるまい。まぁ、闇のドンも親バカだったと言えばそれまでだが。 ただ、物語の結末は別のところにある。金でも欲でもなく、復讐に汚れた心を浄化するかのピュアな精神世界を同時に見せつつ主人公の幸せを最後に用意したところには作者の考える愛の形が1つ示されたようでもある。 『籠絡』とのタイトルに見合う官能要素は申し分ない。1人目で外堀を埋めた後の2人目でいきなり中枢に割って入る性急さは感じたが、最大の弱点とも言えそうな搦め手の3人目をすっかり虜にしてから止めを刺すのはまずまず理に適った流れ。それぞれとの情交にも和装の人妻からキャリアウーマンな秘書、そして勝気で我儘なお嬢様とバラエティに富み、シチュエーションも良好な描写が続いたと思う。
DSK