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狗賓童子の島
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2015/01/28 |
JAN | 9784093863445 |
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商品レビュー
3.8
25件のお客様レビュー
父親が大塩平八郎の乱に連座して、六歳で罪人となり十五歳で隠岐島に流罪となった西村常太郎。だがそこは、決して暗澹とした流刑地ではなく、島の守り神「狗賓(ぐひん)」の住まう土地だった。松江藩の過酷な収奪に喘ぐ島の人々は常太郎を支援し、大切に育ててくれる。やがて医師となり、島の安寧に寄...
父親が大塩平八郎の乱に連座して、六歳で罪人となり十五歳で隠岐島に流罪となった西村常太郎。だがそこは、決して暗澹とした流刑地ではなく、島の守り神「狗賓(ぐひん)」の住まう土地だった。松江藩の過酷な収奪に喘ぐ島の人々は常太郎を支援し、大切に育ててくれる。やがて医師となり、島の安寧に寄与するようになった常太郎は、流人というよりも一介の島人として島の変転を目撃する。 大塩平八郎の乱の経緯、疱瘡(天然痘)を予防するために牛痘種痘法を導入する過程、そして明治維新によって松江藩支配から脱却するところまで、時代は流れていく。 隠岐島に上陸した日から、故郷へは二度と還れることはないと覚悟した十五歳の少年の思いが、この島を支配する収奪のシステムと相待って心に迫る。"全てのツケは細民に押し付けられる"という不条理な現実。私達が今見ている現実も、本質はあまり変わっていないのかもしれない。それでも前を向こうとする人々の姿には、やはり勇気付けられる何かがある。有るか無いかすらわからない希望。それは"生きている事""生き続けている事"にしか根拠がない。 "生きよう"とする、歴史には決して名を残す事のない人々を描いた大作です。
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飯嶋さんらしい見事な歴史小説です。 タイトルは「ぐひんどうじ」と読みます。狗賓は狼の姿をした天狗であり山の神の使い。 その狗賓の言い伝えが残る隠岐(かつて後鳥羽上皇や後醍醐天皇が配流された島)の幕末期を描いた作品です。 主人公の西村常太郎は大塩平八郎の乱に組した大庄屋の息子で...
飯嶋さんらしい見事な歴史小説です。 タイトルは「ぐひんどうじ」と読みます。狗賓は狼の姿をした天狗であり山の神の使い。 その狗賓の言い伝えが残る隠岐(かつて後鳥羽上皇や後醍醐天皇が配流された島)の幕末期を描いた作品です。 主人公の西村常太郎は大塩平八郎の乱に組した大庄屋の息子で、15歳になって隠岐に流されます。大塩に賛同する島民たちの支援で漢方医となり、種痘の普及やコレラ/麻疹などの伝染病と戦います。このあたり、面白いです。飯嶋さんの歴史小説は登場人物が多く、詳細かつ重厚な記録文学的傾向が強いのですが、医者・西村常太郎については主人公が物語の中を闊歩するイメージで、ちょっと若い頃の司馬遼さんを思い起こさせます。 その先は隠岐繁栄の元になった「西廻り航路」の話。実は我が家も江戸時代に300石ほどの弁才船を持っていて、この小説にも出て来る島根県浜田の湊に寄港した記録もあり、結構興味深く読んでいました。 そして最後は維新戦争と同時期に起きた「隠岐騒動」、尊皇派島民による誅求者・松江藩からの独立運動へと話が進みます。ここいらが如何にも飯嶋さんらしい官に対する民の抵抗の物語。ただ今一、その背景となる隠岐の特殊性についての書き込みが不足してるように思えます。物語の前半から松江藩の圧制や隠岐に置ける尊王思想などをジワジワ描いて行き、最後に大爆発するような描き方が良かったな。なんかちょっといきなりの感じが強い。 あとは、狗賓童子の出番が少なすぎ。もっとも前面に押し出しちゃうと伝奇要素が強くなって飯嶋さんらしくないか。。 と文句を言いつつ、流石に飯嶋さんと納得する作品でした。
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これは頑張った、読み切った感がすごい。文字数がそこまで多い気がしないのに、言葉の密度が違うというか。 でもって医者が主人公だからか、やたらと漢方について詳しく書いてて、こんな時は漢方ではこういう状態で、こういう薬を使えば良い、みたいなのを家庭の医学か、ってレベルで解説してて。覚え...
これは頑張った、読み切った感がすごい。文字数がそこまで多い気がしないのに、言葉の密度が違うというか。 でもって医者が主人公だからか、やたらと漢方について詳しく書いてて、こんな時は漢方ではこういう状態で、こういう薬を使えば良い、みたいなのを家庭の医学か、ってレベルで解説してて。覚えて役に立てたいなー、とか思ったわけだけど、まぁ思っただけだった。 というわけで隠岐の島にも歴史あり、という、まぁ当たり前っちゃあ当たり前のことを勉強させて頂きました。
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