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袁世凱 現代中国の出発 岩波新書
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袁世凱 現代中国の出発 岩波新書

岡本隆司(著者)

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袁世凱 現代中国の出発 岩波新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2015/01/01
JAN 9784004315315

袁世凱

¥220

商品レビュー

3.8

11件のお客様レビュー

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2024/09/28

袁世凱 現代中国の出発 著:岡本 隆司 岩波新書 新赤版1531 清末の奸雄、袁世凱の一生を記した書。 河南省の名家に生まれた、袁世凱は、科挙の暗記中心の受験には不向きで、軍人を目指すことになります。 官僚の世界では、科挙にうかって、任官をすることを、正途、そうせずに官界に入...

袁世凱 現代中国の出発 著:岡本 隆司 岩波新書 新赤版1531 清末の奸雄、袁世凱の一生を記した書。 河南省の名家に生まれた、袁世凱は、科挙の暗記中心の受験には不向きで、軍人を目指すことになります。 官僚の世界では、科挙にうかって、任官をすることを、正途、そうせずに官界に入ることを、雑途といっています。つまり、袁世凱は雑途、裏口のルートを目指したのでした。 当時李鴻章が義勇軍淮軍をもって治安の維持を図っていました。同郷のよしみで、袁世凱は、李鴻章の軍に入隊します 日本との関係、1870年代から清と日本の衝突を繰り返していた。琉球問題と、台湾出兵で戦争寸前にまで至ります 壬午変乱 1882 に朝鮮の旧軍が暴動を起こし、韓国政府の要人が殺される事件が発生します。 そのときに、暴動が日本人と日本大使館を含めて死傷者がでました 日本は、朝鮮の地政学的に重要地とみていて軍隊を含めた使節を派遣し、朝鮮政府に交渉をはじめた。 一方、清も、朝鮮の宗主国として、軍を派遣して、ソウルに向かう。このことが後の日清戦争のきっかけになっています。 甲申政変 1884 に朝鮮政府の中の改革派が、大院君を拉致し、日本の勢力を背景として政変を起こした これに対して、清軍も出兵、国王を奪取した清軍が、日本人遺留民40名を凌辱、虐殺した 1885 李鴻章と伊藤博文の間に、天津条約が締結 朝鮮に影響力を残したい清と、朝鮮進出をもくろむ日本との立場が明確になった その後、朝鮮は、ロシアの勢力へ協力を得ようと変わっていく 一方、清は、袁世凱を朝鮮に派遣して、朝鮮の内政外交に干渉させようとしている、すなわち、朝鮮が清の属国であることを立証しようとつとめていた 1894 東学党の乱が発生し、袁世凱が率いる清軍はこれを鎮圧した、しかし、日本が在外公館の保護を名目にしてソウルに出兵してきた。袁世凱は、朝鮮政府と日本政府の間で調整しようとしていたが、うまくいかなかった。これが、日清戦争の原因である 日本軍はその後南下し、中国軍とぶつかった。李鴻章ひきいる清軍である。結果は日本の圧勝、李鴻章は淮軍の責任者から解任され、北洋大臣を免ぜられた 袁世凱はその後、李鴻章の後継として、淮軍を立てなおすことになる。北洋軍閥の中心となったのである 当時清朝政府には、日本との戦争にまけたことから、日本との関係を見直して、日本のやり方を採り入れようという動きが現れた。これを変法という。変法とは、日本をモデルにした変革運動をいう 変法の推進者が、光緒帝を担いで、西大后を幽閉する計画とたてる、袁世凱にも要請がくるが、西大后を動かしてこれを阻止する。ここで、袁世凱は裏切り者というレッテルが張られることとなる この時期、義和団がおこる。これは、外敵を打ち払い本来の中国に戻そうという、中国の尊皇攘夷運動である しかし、その勢力拡大を恐れた、清政府は列強と協調して、袁世凱に義和団を弾圧させた その後、空席になっていた北洋大臣に、袁世凱が就任する。袁世凱は新たに連れて来た2万の兵をもって、義和団の残党の掃討戦を行った。 その後、7万以上に増えた兵力を北京の南・北、保定、長春、天津、済南に分けて都市を警護した。 北洋六鎮といい、当時の中国の最強軍である 光緒帝、西大后の崩御の後、清は立憲君主制をめざした 義和団以降、信用が地に落ちた清からは、各省が独立を宣言するようになっていく。それを取りまとめていたのが中華民国の孫文である 構図は、北洋六鎮の袁世凱と、中華民国の孫文の対立であった。軍事的には袁世凱が有利であったが、両者は武漢で停戦協定が結ばれ、清政府は反乱各省との交渉権を袁世凱にゆだねた。 こうしたなかで、清は、袁世凱+孫文の新しい勢力に禅譲する形で、その歴史は終わる。これが辛亥革命である。最後の宣統帝は、廃帝となる。ここでも、袁世凱は、寡婦と幼児をあざむいて政権を奪取した悪人としての評価を受けている。 もともと、袁世凱には政治的な理念もなく、清の政策延長上で、統治を続けていたため、第2革命、第3革命が発生する。 中国は、清の延長としての国家のあり方ではなく、新しい形態でのを国家をあり方をめざしていたからである。 目次 はじめに 袁世凱と日本人 第一章 朝鮮 第二章 台頭 第三章 北洋 第四章 革命 第五章 皇帝 おわりに 袁世凱とその時代 あとがき 参考文献 袁世凱略年譜 索引 ISBN:9784004315315 出版社:岩波書店 判型:新書 ページ数:240ページ 定価:780円(本体) 2015年02月20日第1刷

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2022/05/14

辛亥革命で清を裏切り臨時総統となる節操のない権謀術数、俗物政治家というのが当時の日本人が持った袁世凱のイメージ。梟雄、マキャベリストという印象を持たれる。 清朝の名門出身。科挙は受からず。軍で朝鮮半島の反乱壬午変乱の鎮圧に従事。 西太后が死に宣統帝溥儀即位後、軍政から放逐される。...

辛亥革命で清を裏切り臨時総統となる節操のない権謀術数、俗物政治家というのが当時の日本人が持った袁世凱のイメージ。梟雄、マキャベリストという印象を持たれる。 清朝の名門出身。科挙は受からず。軍で朝鮮半島の反乱壬午変乱の鎮圧に従事。 西太后が死に宣統帝溥儀即位後、軍政から放逐される。辛亥革命で各省が独立した混乱した中、北京政府の内閣総理大臣に就任。孫文率いる南京政府から、溥儀の退位を条件に臨時大総統の地位を譲り受ける。ここに清朝は滅亡する。政権の簒奪と見る向きが強かった。 皇帝に即位したがすぐ撤回し、後死んだ。

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2019/07/28

反革命、皇帝を僭称したと何かと嫌われる袁世凱。彼の再評価 の動きもあるようだ。 北洋軍の一員から始まり、朝鮮、天津とキャリアを積み上げていく。北洋軍の軍事力を背景に李鴻章に代わる実力者としてキャステイングボートを握る立場までのし上がる。ただ、清末・共和国草創期の混乱からすれば彼も...

反革命、皇帝を僭称したと何かと嫌われる袁世凱。彼の再評価 の動きもあるようだ。 北洋軍の一員から始まり、朝鮮、天津とキャリアを積み上げていく。北洋軍の軍事力を背景に李鴻章に代わる実力者としてキャステイングボートを握る立場までのし上がる。ただ、清末・共和国草創期の混乱からすれば彼もまた時代の波に飲まれる一人だったということか。

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