気高く、強く、美しくあれ 日本の繁栄は憲法改正からはじまる PHP文庫

櫻井よしこ(著者)

• 販売会社／発売会社: PHP研究所
• 発売年月日: 2015/01/01
• JAN: 9784569762869

商品レビュー

2016/05/23

放射能を含んだ焼け野原から最初に生命の芽を出したのはスギナと聞いています。その４年後、日本がまだ米国の占領政策下にあった時代、私は広島市で生まれました。子供心に、戦争、勝者と敗者、核兵器、力と正義、国家と国民、・・・そんなことを考えたものでした。櫻井よしこ氏の「気高く、強く、美しくあれ」、２００６．８刊行、２０１５．１文庫化です。私の読メ登録７７７７冊目になります。十七条憲法、五箇条の御誓文、明治憲法の原点に返れとの著者の存念、壊れかけてる日本を取り戻すのに有効かなと思いました。

2015/07/30

「自虐史観」を批判する一方で、むしろ著者自身が戦後日本について自虐的であり、もはや被害妄想の域だと思う。

2015/03/27

なんとなく感じてたことだ。それを櫻井さんが言葉にしてくれて実感できた。これまでの憲法論は敗戦の原因をひたすら国家主義に求めたため統治権力だけを問題にし、歴史的、伝統的な共同体としての国家論に欠けていた。「国家論なき憲法論」が展開されてきた現状を打破しようというのが本書の試みだ。

戦争にテロ、大規模災害など不条理で答えのない世界が広がっている。こうした世界において私たちは何を信じるのか、アイデンティティを問われている。
アイデンティティがなければ国家はバラけ、国家がバラければ個人の生活も立ち行かなくなる。アイデンティティの欠如は根源的な力の欠如につながってしまう。

ところが米国が占領政策の基本に置いた目標は日本を徹底的に弱体化させ、二度と米国に刃向えないようにすることだった。そのため、米国は日本の歴史や伝統を切り捨てた憲法を押し付けた。
そして、実態のない「平和を愛する諸国民」に日本の運命を委ねてしまった無国籍のようで他力本願な現行憲法が現在まで続いている。
憲法が国のかたちの根幹であるなら、日本国憲法は本来、日本人が歩んできた歴史やは育んできた文化、文明、そうしたもの一切を生み出した精神に根ざしていなければならない。
「十七条の憲法」「大日本帝国憲法」「五箇条の御誓文」「教育勅語」「古事記」などを捉え直すと、日本人が大切にしてきた国家観、家族観、宗教観、死生観などが呼び起こされる。
日本国民が古来、人と人との和を尊び、多様な価値の共存を認めてきたこと、自然との共生のうち伝統を尊重してきたこと、海外文明を学び日本化することにより独自の文化文明を築いたこと、そしてさらに、日本は天皇と国民が一体となって発展した国であること、が分かる。

憲法改正は日本のアイデンティティが何によって支えられてきたのかを心得、自前の拠りどころを支えにして、独自のやり方でアイデンティティを磨き続けることに意義がある。

以上のことを踏まえれば、自ずと確固たる国防の意志も生まれてくるだろう。国民を守り、国家を守り、未来の日本人に国家としての日本国を伝え続けていくためにも、日本の伝統と文明を心に刻み、節度を備え勇気と誇りに支えられた力を持たなければならない。