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怒りの葡萄 新訳版(下) ハヤカワepi文庫81
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2014/12/01 |
JAN | 9784151200816 |
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怒りの葡萄 新訳版(下)
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商品レビュー
4.3
11件のお客様レビュー
アメリカは豊かな国だと今まで思っていた。 確かに世界恐慌のあとは我が国を含め、第二次世界大戦前の時代は全世界的に混乱はあっただろうけれど、戦争どころじゃない内陸のルート66号線沿いでこんな貧困に悩む何万人もの人たちがいたという現実、この本を読むまで知らなかった。砂嵐と文明と国の政...
アメリカは豊かな国だと今まで思っていた。 確かに世界恐慌のあとは我が国を含め、第二次世界大戦前の時代は全世界的に混乱はあっただろうけれど、戦争どころじゃない内陸のルート66号線沿いでこんな貧困に悩む何万人もの人たちがいたという現実、この本を読むまで知らなかった。砂嵐と文明と国の政策、資本主義の歪みに巻き込まれ犠牲となる歴史的事実、この本を読むまで知らなかった。 まだ100年経っていないのに。 アメリカは豊かな国だと今も思っている。 だけど、開拓時代でもなく南北戦争時代でもなく黒人奴隷問題でもない、移住農民の貧困問題。20世紀になってからの現代に近い出来事。他の国のことと一言では言い切れない今に地続きの現代の問題。アメリカは本当に豊かな国なのか。 主人公は出獄したばかりのトムなのだが、家族全員が主人公。やがて主役の地位は家族のそれぞれひとりひとりにに移って行き、一緒に苦しむ人へ、そして、女たちへ。 私が女だからそう思うのだけれど。母と母になれなかった女。 章ごとに視野を変えながらもやがてどうしょうもない程の苦しみへ。 書名から『出エジプト記』を連想するけれど、先入観を持たずに読んだ方が良い本。 20世紀はもうずっと遠くへ行ってしまったけれど、現在を生きる人間にそのひとりとして この小説は普遍でなければならない!と強く思う。 中学生のころから題名だけは知っていた小説。今回接する機会を持てて自分の衝動に感謝。
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百年前とあまり変わる所のない労働環境が存在している、ということはどういうことなのだろうか。明らかに豊かに、便利に世の中はなっているのに、搾取されている人の現状は変わらない。派遣労働者で賃金が高くなってくると、今度は技能実習生や無知な人々を使って、搾取が続けられている。勿論、ちゃんとした賃金を払っている会社がほとんど(と思いたい)だと思うが、奴隷のような扱いをしている非人道的な会社があるのも事実だ。最初は同情的だった移住先の人々も、自分達の仕事や生活が脅かされると知ると、手のひらを返すように攻撃的な態度を取っていく。人間はこんなにも酷いことを簡単に出来るのかと思う反面、その感情を理解出来なくもない、と思ってしまう。どちらにも言い分があり、どちらも正しい気がしてしまう。はっきりとした悪者が見えない分、悲しみを覚える。ケイシーが死ぬ場面でさえ、劇的なシーンではない。あまりにもあっさりとケイシーや祖父母は死に、それでも生きている家族達は生活をしていかなければならない。生きる為に仕事をして稼がねばならないが、そもそも仕事はない。あったとしても、生活出来ないレベルの低賃金しか払われない。まさに負のループ。ローザシャーンの赤子は死産で、最後まで希望が見えないと思っていたが、子供だった彼女が子を産むことで一時とはいえ母になり、飢えに苦しむ男を前に躊躇いもなく自らの母乳を差し出す。最後の微笑みと、洪水にも負けずに他愛無い喧嘩をする末の子供達。少しだけ、そこに希望を見出せた。
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アメリカの作家ジョン・スタインベックの代表作。 1930年代のアメリカ。農業が資本主義による合理化が進んだことと、行き過ぎた農作による旱魃のために、昔ながらの耕作地から追い出される貧農家族たち。 土地はなく、収穫の仕事もない。あったとしても人ひとり生きていくのにも苦労するような低...
アメリカの作家ジョン・スタインベックの代表作。 1930年代のアメリカ。農業が資本主義による合理化が進んだことと、行き過ぎた農作による旱魃のために、昔ながらの耕作地から追い出される貧農家族たち。 土地はなく、収穫の仕事もない。あったとしても人ひとり生きていくのにも苦労するような低賃金。彼らは希望を求めてオクラホマ州からはるばるカリフォルニアを目指す。しかしカリフォルニアも既に何十万人とも言われる貧民たちが流れ込んでおり、状況は変わらなかった。 貧しいもの同士、協力して助け合うコミュニティもできつつあるが、貧民の結束を恐れる資本家と政府によって「アカ」呼ばわりされ、潰されていく。コミュニティもまた、資本家や政府の妨害にあって瓦解し始める。 それでも、誇りを持って生きようとするジョード一家の物語。 ずいぶん昔に読んだ記憶があるのだが、その時には時代背景等に理解が無さすぎて、読み進めるのがやっとだった。 新訳が出ているので新訳で再読したが、前回の記憶がまるっきり飛んでしまっているので、ほぼ初見と言って良い感じだった。
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