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臣女
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 徳間書店 |
発売年月日 | 2014/12/11 |
JAN | 9784198638894 |
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商品レビュー
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昔、大男になってしまう漫画を読んだことがある。体が巨大化し、服が破れて裸になり、家をぶち抜いてしまう。男は素っ裸のまま東京の街を彷徨う。自衛隊が出動するが、攻撃するわけでもなく、彼の糞尿を処理する大きな穴を掘ることに従事する。最後は確か東京湾に身を投げてしまうんだったかな。 この...
昔、大男になってしまう漫画を読んだことがある。体が巨大化し、服が破れて裸になり、家をぶち抜いてしまう。男は素っ裸のまま東京の街を彷徨う。自衛隊が出動するが、攻撃するわけでもなく、彼の糞尿を処理する大きな穴を掘ることに従事する。最後は確か東京湾に身を投げてしまうんだったかな。 この小説は、妻が巨大化して最終的には6mほどになってしまい、玄関を壊しながら逃走するお話で、やはり1番の問題は糞尿だった。最後はどんなオチをつけるんだろうと思いながら読んでた。ま、なんか可哀想なお話やね。
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妻がどんどん巨大化していく。 骨を軋ませて、呻き声をあげ、どんどん大きくなった体。 着られる服はなく、近所の目を気にして家から外に出すわけにもいかず……痛みを伴う成長に耐えるため家の中で暴れ回る。 苦痛に耐えグロテスクに巨大化する過程で、たまたま数時間だけ妻の言葉が明瞭になり、均整のとれた美しい姿になる瞬間がある。そんな巨大で美しい妻を抱きしめる主人公・私。 何よりも大変なのは食事と排泄だった。トイレの個室に体がおさまるわけがなく……。 ある日、主人公はストレスに耐えきれなくなり、山に登り、服を脱ぎ捨てて……。 ———感想——— めちゃめちゃ面白い。圧巻。 「この作家(吉村萬壱)さんの作品全部読みたい!」と思わせられるレベルの快作だった。 SF的な着想からショートショートやネタの延長として読んでいたが、途中で間違いに気がついた。どこまでも「妻が巨大化」したことのリアリティを追求し、それを受けての自分の罪と妻への本当の愛に目覚める純愛ものだった。 『主人公の気づきと成長』は物語を書く上で必要不可欠なポイントで、確かにこの物語にもそれがあるのに、実生活は堕ちて堕ちて堕ちていく。 「この人なら、そうなるしかない」と納得させられるほど退廃的な主人公の人物設定がめちゃめちゃ印象的だった。他者との関わりが下手で、自分のことをあまりにも誰かに語らなさすぎる危険性を示しているようにも思えた。自分ならこんな状況になったら、すぐに近所の人や医者や自治体に頼る。 そして圧倒的な筆力。 主人公は常勤講師から非常勤になり、書いている小説もうまくいかず、破壊的な性格。ときにえげつない描写や考え方も垣間見えるが、人間の浅ましさのようなものの表現がめちゃめちゃ上手い。 全くこの物語がどこに着地するかわからないまま読んでいたが、めちゃめちゃ納得感があるラストだった。 巨大化した妻との最後の交わり、お茶を飲むシーン、家と町からの脱出、山登りと島への遠泳。どのシーンも美しい。糞まみれで痰まみれでめちゃめちゃ汚くて、美しい。 「私たちはきっと間違えたのだ。いつもいつも、選択を間違えてしまうのだ。我儘でチンケな保身の心がきまって判断力を鈍らせ、悪い結果を産んでしまう。捨て身になれない、自分のことしか頭にないのだ」
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すごく奇妙な話だったけれど、すごく良い文章で、作者の力量に驚かされる。 主人公の複雑な引力によって導かれる運命を、その難解さを維持したまま描き切れていた。 読了後はなんとも言われぬ気持ちになる。 なんとも言われぬ気持ちや悩みをここまでの精度で描くことのできる物語の設計や文章の的...
すごく奇妙な話だったけれど、すごく良い文章で、作者の力量に驚かされる。 主人公の複雑な引力によって導かれる運命を、その難解さを維持したまま描き切れていた。 読了後はなんとも言われぬ気持ちになる。 なんとも言われぬ気持ちや悩みをここまでの精度で描くことのできる物語の設計や文章の的確さに引き込まれていった。とても好きな本になった。 それから、おそらくだけれど、この作者はすごく変態なんだろうなと感じた。なんだか、良い意味で本能的で純粋な変態性(加えて人間性)が滲み出ている。 好きと増悪は共存しないが愛と増悪は共存する。そんな言葉を思い出した。敦子に言った愛してるは愛ではなく好きだったのではないかと思う。愛してるなんて言葉は愛してるという気持ちを表現するのに値しないほど大きく深いものだ。
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