隆慶一郎短編全集(1) 柳生 美醜の剣 日経文芸文庫

隆慶一郎(著者)

• 販売会社／発売会社: 日本経済新聞出版社
• 発売年月日: 2014/12/01
• JAN: 9784532280475

商品レビュー

2020/10/04

「柳生刺客状」と「柳生非情剣」

柳生一族の苦悩と葛藤とを描いた短編
「柳生刺客状」…柳生宗矩
「慶安御前試合」…柳生連也斎
「柳枝の剣」…柳生友矩
「ぼうふらの剣」…柳生宗冬
「柳生の鬼」…柳生十兵衛
「破行の剣」…柳生新次郎
「逆風の太刀」…柳生五郎右衛門
「心の一方」…柳生十兵衛

一人一人の存在感や信条が伝わってきて、よかった。
"柳生一族"と一括りにされてしまう場合が多いが、
各人の思いを十分に伝えてくれる一冊

2017/10/11

影武者家康で敵側として活躍した柳生宗矩を始めとする柳生一派の短編集。
関係が近いキャラクターが次の主人公になる構成だったので人間関係がわかりやすくて良かった。

2015/02/10

隆慶一郎の長篇小説に登場する柳生の面々が主役級である短篇集。

短篇でありながら、共通する登場人物はしっかりキャラクターが出来上がっていく。

凄絶な剣技が躍る…かと思えば、謀殺あり、BLあり、嫉妬あり。みどころは沢山あるが、やはり家光と左門の激しい恋愛であろうか。この二人の、というか家光のお陰でずいぶん多くの人が哀れなことになる。秀忠もだ。ついでにいえば家康もだ。

こじらせている者は、強い。透明感のある者も強い。短いけれど人間内部の凄惨さというか、ぞっとするような面白さがある。