これから読む聖書創世記

橋爪大三郎(著者)

• 販売会社／発売会社: 春秋社
• 発売年月日: 2014/11/22
• JAN: 9784393332313

商品レビュー

2022/02/20

・神は「光」を創造したけれど、まだ太陽を創造していない。この「光」は、太陽などの天体から来るものではない。ではどこから来るか。神から来る。

・神は、人間を、男女同時に創造している。男性が先で、あとで、あばら骨から女性を創造したのではなかったか！？それは、つぎの２章で語られるもうひとつの創造のストーリー。聖書では、人間は、二回(！)創造されているのである。

・神のかたちに造られた人間は、不法に命を奪われてはならない。命は、神に与えられたもの(神のもの)だからである。人が人の命を奪った場合は、自分の命で償うことになる。また、同じ理由で、自殺は神に対する罪であることが導かれよう。

・ポトラッチ、という習慣が知られています。競覇的な贈与、ともいわれるのですが、近隣のグループが贈与の交換をします。ＡのグループがＢのグループに、贈与の品々をもって訪問します。貴重な品を気前よく贈るほど、面目が保たれ威信がえられます。ＢのグループはＡのグループの気前よさに圧倒されます。そこでＢのグループはそれに負けない品々をもって、Ａのグループを訪れます。贈与の競争はだんだんエスカレートし、自分たちの生活に不可欠なカヌーやテントを、客人のために破壊するまでになります。互いにへとへとになるまでやまない、どう考えても非合理な贈与の応酬が、ポトラッチです。