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うどん キツネつきの 創元日本SF叢書

高山羽根子(著者)

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定価 ¥1,870

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2014/11/01
JAN 9784488018191

うどん キツネつきの

¥550

商品レビュー

3.8

12件のお客様レビュー

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2022/08/16

『「私は鳩。方舟を知ってるんなら、解るでしょう。お父さんの子供の中でも一番耐性が高かった私だけがこっち側にいるの。こうやって、洪水が落ち着いてお父さんたちが戻れる場所になるのを待ってる」「どうなったらあなたのお父さんは戻れるの」「正確な境はとっても難しいの。実を言うと、私も完全に...

『「私は鳩。方舟を知ってるんなら、解るでしょう。お父さんの子供の中でも一番耐性が高かった私だけがこっち側にいるの。こうやって、洪水が落ち着いてお父さんたちが戻れる場所になるのを待ってる」「どうなったらあなたのお父さんは戻れるの」「正確な境はとっても難しいの。実を言うと、私も完全には解らない。私は今の情況を送信するだけ。鳩がオリーブの枝の意味なんて知らずに咥えてくるのと同じで」』―『おやすみラジオ』 高山羽根子は掴み所のない作家だ。それは初期の空想科学小説風の作品から芥川賞を受賞した「カム・ギャザー・ラウンド・ピープル」までの作風の幅の広さをただ意味するのではなく、読むものに投げ出されたかのような感覚が強く残る作品の強いる印象。敢えて言うなら、その作品を単純に物語と捉えることはできないように思ってしまう作家なのだ。 それは、ひょっとすると、絵画のように何か抽象的な心象を伝える為の言葉の連なりに過ぎず、言葉と言葉、文章と文章を繋ぐ筈の物語は遠近法で描かれた濃淡の差の余りない遠景のように淡く、主題というよりも、背景ほどの意味しか持たないと考えた方がよいのかも知れない。 けれど、画家がひっそりとその絵の意図を読み誤らないように背景に符牒を描き暗示するように、高山羽根子の物語にもまた何かの意図があるのかも知れない。そんな風に思いながら読み進めると連想の迷路に入り込む。それが袋小路であればそこで連想の一つを停止することも出来るが、その先の見えぬ小路をどこまで進まなければならないのか、元来た路に戻るべきなのか、そんなことを考える内に現在地を見失う。 この短篇集に収められた作品たちは、確かに、掲載された媒体に即した空想科学小説風の短篇ではあるけれど、作品がそそる興味は決してその非日常的舞台装置や人知を超えた超越的科学技術にある訳ではない。むしろ、不可思議な話の展開の中に、あるいは繰り返し語られ続けてきた物語の中に、人間の性[さが]が滲み出ているのを奇妙な気持ちで見つめることになる違和感に作品の正体があるのではないか。そんな思いを抱かせるところにこの作家の真骨頂があるように思う。 そして一冊読み終えると、まるで美術館を一巡りして出てきた外の明るさに目が眩[くら]むのと似たような感覚に襲われるのだ。

Posted by ブクログ

2020/09/29

何だろう。訳分からないけど、面白い。 特に、表題作から「母のいる島」までは、思わず笑ってしまう部分もありました。 こういうのもSFなんだろうとは思うが、新鮮だったな。そう思ったのは、おそらく、日常の中に、ちょっぴり奇妙なことが何気に含まれているが、その世界の登場人物は、それが...

何だろう。訳分からないけど、面白い。 特に、表題作から「母のいる島」までは、思わず笑ってしまう部分もありました。 こういうのもSFなんだろうとは思うが、新鮮だったな。そう思ったのは、おそらく、日常の中に、ちょっぴり奇妙なことが何気に含まれているが、その世界の登場人物は、それが当たり前であるかのように、全く気にしていない感じだろうか。 これについては、最後の「巨きなものの還る場所」が、この作品の総決算みたいに感じられて、どんな世界においても、その場所は居る人にとって、良くも悪くも、当たり前の日常なのだということ。 また、自然も含めて、あまりに偉大すぎるものに対する視点が新鮮で、私の脳がいい具合に刺激されました。再読したくなる短篇集。

Posted by ブクログ

2020/09/12

『首里の馬』で芥川賞を受賞した作家のデビュー作。表題作は創元SF短編賞佳作で、本書は創元日本SF叢書の一冊として刊行されたのでそのつもりで読んだのだが……。うーん、ぼくの考えるSFとはだいぶ違っていて苦戦した。5編が収録された短編集だが、どれも同じような奇妙な感覚で読み解くのが難...

『首里の馬』で芥川賞を受賞した作家のデビュー作。表題作は創元SF短編賞佳作で、本書は創元日本SF叢書の一冊として刊行されたのでそのつもりで読んだのだが……。うーん、ぼくの考えるSFとはだいぶ違っていて苦戦した。5編が収録された短編集だが、どれも同じような奇妙な感覚で読み解くのが難しかった。これが作者の持ち味なのだとしたら、『如何様』も、『首里の馬』も、その延長線上にあったのだと理解できる。

Posted by ブクログ

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