1,800円以上の注文で送料無料

ジャスミンの残り香 「アラブの春」が変えたもの
  • 中古
  • 店舗受取可
  • 書籍
  • 書籍

ジャスミンの残り香 「アラブの春」が変えたもの

田原牧(著者)

追加する に追加する

ジャスミンの残り香 「アラブの春」が変えたもの

定価 ¥1,650

¥220 定価より1,430円(86%)おトク

獲得ポイント2P

在庫わずか ご注文はお早めに

発送時期 1~5日以内に発送

店舗受取サービス対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!

店舗到着予定

6/30(日)~7/5(金)

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2014/11/01
JAN 9784087890051

店舗受取サービス
対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる

店舗到着予定

6/30(日)~7/5(金)

ジャスミンの残り香

¥220

在庫わずか
ご注文はお早めに

カートに追加するカートにいれる

商品レビュー

3.1

17件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/06/08

田原牧(1962年~)氏は、北海道生まれ、麻布高校在籍時に都内の定時制高校の統廃合反対運動に参加し、明大政経学部に進学したものの、新左翼セクトとの揉め事で大学を追われた。その後、小規模広告代理店勤務、フリーのジャーナリストを経て、中日新聞社に入社し、湾岸戦争、ルワンダ内戦等を取材...

田原牧(1962年~)氏は、北海道生まれ、麻布高校在籍時に都内の定時制高校の統廃合反対運動に参加し、明大政経学部に進学したものの、新左翼セクトとの揉め事で大学を追われた。その後、小規模広告代理店勤務、フリーのジャーナリストを経て、中日新聞社に入社し、湾岸戦争、ルワンダ内戦等を取材。1995~96年にカイロ・アメリカン大学アラビア語専科留学、1997~2000年に中日新聞カイロ特派員、また、同志社大学一神教学際研究センター客員研究員、季刊誌「アラブ」編集委員等を務め、東京新聞(中日新聞東京支社)特別報道記者。紙面では戸籍名の田原拓治名義でも執筆している。2014年に出版された本書で、開高健ノンフィクション賞を受賞。 本書は、2010年末から2012年にかけてアラブ世界で発生した「アラブの春」を取材するために、2011年末~2014年初に、エジプト、シリア等の国々を繰り返し訪れ、著者が見、聞き、感じ、考えたことを綴ったノンフィクションである。同時に、日本において、東日本大震災による福島第一原発事故をきっかけに、2012年に発生した反原発デモ「紫陽花革命」にも触れ、社会運動・革命とは何なのかについて考察している。 「アラブの春」は、チュニジアの「ジャスミン革命」を発端に、北アフリカから中東のアラブ諸国にほぼ例外なく広がったが、その規模は、チュニジア、エジプト、リビアのような政権の打倒に至った国から、サウジアラビアのように小規模な抗議運動に留まった国まで、様々である。そして、「アラブの春」後の情勢は、エジプトのように強権的な軍政権に戻った国があれば、シリア、イラクのようにイスラーム過激派組織(ISのような)が台頭し混乱が広がった国もあり、その結果は「アラブの冬」と呼ばれることさえある。 各国の状況は異なる中で、取材の中心となったエジプトでは、(事実をシンプルに整理すると)2011年初に大規模な反政府抗議運動が発生し、わずか17日後に30年以上続いたムバラク政権が崩壊、2012年初までに段階的に実施された総選挙で「同胞団」が圧勝し、同年6月に同胞団幹部のムルスィーが大統領に当選した。しかし、ムルスィー政権は、公約になかったイスラーム化政策を進める一方、リベラルな公約を反故にし、市民の不満は募った。その傍ら、軍は独裁政権時代の力を維持しており、2013年初夏に同胞団政権の退陣を求める市民運動が始まると、軍は事実上のクーデターでムルスィーを解任したが、その後、独裁政権時代の実力者たちが息を吹き返し、2014年初夏には軍総司令官だったスィースィーが大統領に就任、現在に至っている。 この事実だけ見れば、エジプトは3年前に戻っただけのようであり、著者は、まず「すべては徒労だったのか?」という問いを立てるのだが、長年の中東駐在経験に基づく人脈と知識、更には堪能なアラビア語を駆使して取材を進める中で、そうではないという結論に至るのである。それは、「革命の意味はその結果ではなく、過程にこそ宿る。・・・それは革命の主人公である民衆一人一人の変化だ。人間が強くなることと言い換えてもよい。革命の理念が成就すること、あるいは自由を保障するシステムが確立されることに越したことはない。それに挑むことも尊い。しかし、完璧なシステムはいまだなく、おそらくこれからもないだろう。・・・革命が理想郷を保証できないのであれば、人びとにとって最も大切なものは権力の獲得やシステムづくりよりも、ある体制がいつどのように堕落しようと、その事態に警鐘を鳴らし、いつでもそれを覆せるという自負を持続することではないのか。個々人がそうした精神を備えていることこそ、社会の生命線になるのではないか。」ということだ。 そして、この点において、「アラブの春」と日本の「紫陽花革命」の残したものは、基本的に異なるとするのだ。 「アラブの春」で起こった事実を理解するのは、アラブ世界における、宗教(イスラーム教)はじめ、部族や国やその歴史についての深い知識がないと難しい。が、本書において著者が伝えたかったことは、おそらく、その詳細な事実ではなく、アラブ世界においては、我々日本人が表面だけを見て理解するのは難しい、様々な背景があるということと、何より、こうした社会運動は、たとえ表面は変わらなく見えても、人と社会を変えるのだということであろう。 読み終えて、小熊英二のベストセラー『社会を変えるには』をふと思い出した。 (2024年6月了)

Posted by ブクログ

2021/09/03

うーん...ちょっと期待はずれだったかな。 革命やデモやイデオロギーにかぶれた学生がそのまま大人になったような人なんだろうと思うし、その情熱は伝わってくるし、中東情勢にも詳しいのはよくわかる。ので、この田原牧さんの話が聞きたい人には良い本かもしれない。でも残念ながら純粋にアラブの...

うーん...ちょっと期待はずれだったかな。 革命やデモやイデオロギーにかぶれた学生がそのまま大人になったような人なんだろうと思うし、その情熱は伝わってくるし、中東情勢にも詳しいのはよくわかる。ので、この田原牧さんの話が聞きたい人には良い本かもしれない。でも残念ながら純粋にアラブの春か続く中東での出来事について体系的に知るとかその背景や裏話を知るとかそういうことができる本ではない。

Posted by ブクログ

2018/11/12

ジャスミン革命から3年。2014年までのアラブの現地の様子を垣間見れる貴重な書。実際に現地に足を運び、現地の人の声を丹念に拾っている。これこそジャーナリズムだと思う。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品