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日本人と天皇 昭和天皇までの二千年を追う
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2014/11/01 |
JAN | 9784120046766 |
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日本人と天皇 昭和天皇までの二千年を追う
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商品レビュー
3.2
5件のお客様レビュー
明治になってすぐ、女性天皇と女系天皇が認められていたなんて驚きです。 私は里中満智子さんの影響で、持統天皇が大好きです。そのため、楽しく読めました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ジャーナリスト田原総一朗が書いているが、ノンフィクションというより、歴史研究書という趣。歴史に関する研究書などを元に、古代から昭和にかけての権力争奪に関する歴史を整理している。しかし、単なる文献研究ではなく、各時代の歴史研究者、とりわけ、そうした文献の著者に、著書に書いてあることだけでは納得できない部分について、田原氏自身が直接インタビューをして突っ込んで調べ、ジャーナリスティックに仕上げているのが本書の特徴。質問をし、著者(学者)が答えづらい点をさらに突っ込み、とうとう答えを引き出した、という部分もある。 タイトルからすると、庶民にとって天皇はどういう存在であったかという研究書のように思ってしまうが、中身はそうではなく、その時々の実権を握っていた人物と天皇との関係について研究している。もっとも大きなテーマは、チャンスがあったのに時の権力者はなぜ天皇を殺さなかったのか、倒さなかったのか、という点。世界の国々では皇帝や王様を倒すのが普通なのに、日本ではなぜか天皇を排除しないで守っている。 田原総一朗の最初の疑問は、藤原良房がはじめての摂政になり、やがて関白の地位もでき、摂関政治が行われるが、なぜ摂関は天皇を倒さなかったのか、という点。 『天皇と摂政・関白』の著者、佐々木恵介聖心女子大教授に田原氏が直撃インタビュー。最初、教授は「逆に摂政・関白が天皇制を守るという仕組みをつくってしまったために、その後も天皇は権威として続いたというところがあるのではないですか」と答えるが、納得しない田原氏が突っ込むと、「中臣鎌足と天智天皇以来(中大兄皇子)関係という側面もあると認め、「中臣氏は、大伴氏や物部氏のように大和王権を構成する有力な豪族ではなく、鎌足が天智天皇との関係を築いたことによって政治的な勢力が大きくなっていったわけで、藤原氏は天皇家との良好な関係を維持していないと、連合政権のなかで力が保てなかった」と語り始めた。 しかし、さらに田原氏が突っ込むと、「二神約諾説」なるものを説明。「天照大神が、その子である天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)、実は後に孫のニニギノミコトに代わるのですが、天孫降臨のときに、天児屋命(あまのこやねのみこと)と太玉命(ふとだまのみこと)をつき従わせて、「自分の子どもたちを助けてほしい」と言い、天児屋命たちは「はい、わかりました」と契約した。これが二神約諾説なのですが、その天児屋命こそが藤原氏の始祖だというわけです」と教授。 著書にも書かなかったことを、見事にインタビューで引き出している。 次の疑問は武士による天皇打倒がなかった点。具体的には、平清盛、源頼朝は、なぜ朝廷を倒さなかったのか?田原氏が河内祥輔氏(法政大学教授)に疑問をぶつける。 「自分はもともと高天原にいた神々の子孫であると、当時の貴族はみな信じていました。貴族が天皇とともに朝廷をつくってこの日本を治める。天皇や貴族はもともと日本に住んでいる人間たちとは全く違う」と誰もが信じていた時代。 「しかし朝廷という器には限界があって、貴族の子孫を全部丸抱えにしておけない。落ちこぼれが生じて官職にもつけない。だから彼らが地方に行って武士になったのです」 武士は、自分たちを「下級貴族」だと認識していた。下級貴族といえども支配する側であり、当然ながら天皇の忠節な臣下である。なかでも清盛は摂関家の権威を重んじる思想の持ち主で、朝廷のあり方を尊重する点では、上流貴族の公卿たちよりも保守的であったらしい。 ほかに、足利尊氏、織田信長、徳川家康など、天下を取った権力者たちについても取り上げ、さらに、明治維新で権力を握った者たち、最後に進駐軍についても、なぜ天皇の首を取らなかったのかを考察している。 昭和天皇については、表向き、マッカーサーが天皇と会ってその人柄にひかれたため裁判にかけず、天皇制を残したとされているが、実は、10年間、日本大使をしていて、後、1944年に国務次官となったジョセフ・クラーク・グルーという人物の力によるものだとしている。 なお、この本は、天皇と権力者たちの関係を知るだけでなく、卑弥呼に始まる日本の“争い”と“統治”に関する詳細を知ることができる歴史資料(辞書)としても価値がある。例えば、応仁の乱が起きた経緯をちゃんと言える人は少ないと言われているが、この本には細かく書かれている。大化改新の前年、中大兄皇子、中臣鎌子らが蘇我入鹿を殺した「乙巳の変」(これを我々の時代は「大化改新」と習った)についての詳しい内容なども、書かれている。 そして、田原氏も初めて知ったという歴史上の意外な事実も披露されていて、なかなかに興味深い。 400ページ以上ある浩瀚な本だが、一読の価値あり。
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この本を読もうと思ったのは初版が出た頃(2014年)なので、今年のご退位・改元の話が出る前である。このほど、ようやく読んだ。 天皇を軸に、田原氏の視点から日本の二千年の歴史を追う。軸と言いつつその周辺の動きを追って行くわけで、いわば田原通史である。 戦国時代の将軍たちや第二次...
この本を読もうと思ったのは初版が出た頃(2014年)なので、今年のご退位・改元の話が出る前である。このほど、ようやく読んだ。 天皇を軸に、田原氏の視点から日本の二千年の歴史を追う。軸と言いつつその周辺の動きを追って行くわけで、いわば田原通史である。 戦国時代の将軍たちや第二次大戦後の進駐軍はなぜ天皇を殺害したり廃したりしなかったのか。それが基本的関心のようだ。 結論的には、天皇は日本人の宗教である、ということ。 天孫降臨のような「神話」が本当に信じられていたり、信じられている実態を利用して覇権の権威付けを図ろうとしてきた歴史ということである。 実際、昨今には年号はもう止めてもいいんではないかといった論議も一定数あったと思うけど、いざ「令和」が発表になり、改元、新天皇ご即位となった時点で、日本人こぞってお祝いムード・大晦日から新年みたいな浮かれた雰囲気になり、「年号廃止」なんてあとかたもなくなってしまったのを見ると、やっぱり天皇って宗教だわ、なるほど、と思ったのであった。
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