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保坂和志(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2014/10/24
JAN 9784120046711

朝露通信

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商品レビュー

4

11件のお客様レビュー

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2024/03/16

久しぶりに保坂和志さんの本を読んだけれど、保坂和志っぷりというか濃度の濃い保坂和志というか、昔カンバセイションピースを何度も読み返していた頃の20代の自分も思い出しながら懐かしさも感じながら、全身で保坂和志を読んだという感じがした。

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2018/07/13

いやー、すごいなこれ。 今までいくつか読んだ保坂和志の小説も、これといった起承転結もなく徒然なるままに終わるものだったけど、今作はさらに振り切れていて、因果関係やシークエンスとしての物語性を完全に放棄している。 その意図はあとがきに記されているが、それにしても新聞連載なので見開...

いやー、すごいなこれ。 今までいくつか読んだ保坂和志の小説も、これといった起承転結もなく徒然なるままに終わるものだったけど、今作はさらに振り切れていて、因果関係やシークエンスとしての物語性を完全に放棄している。 その意図はあとがきに記されているが、それにしても新聞連載なので見開き2項×185回=全370項がとりとめのない幼少時の断片的な記憶とそれに纏わる諸々の回顧で埋め尽くされている。 ぼくは元々、ロッキング・オンの「2万字インタヴュー」(インタヴュイーが幼少時の思い出や成長過程での印象的な出来事などを独白する企画)が大好きで、人のそういった話を聞いたり読んだりすることが楽しくてしようがないし、この作品のほぼ全てを占める鎌倉という土地/街が思春期を過ごした思い出深いところなので充分楽しめるのだけど、保坂和志、苦手な人にはほんと読むことが苦痛だろうな…とも思わずにいられなかった。

Posted by ブクログ

2016/11/27

(2014.4.25) 読売新聞朝刊連載の「朝露通信」がおもしろい。毎朝楽しみである。昨年の11月に始まったらしいが気づいたのは3月下旬。ふと目にすると鎌倉の長谷観音あたりでの幼少時代の事が綴ってある。たしかホサカ氏とは学年が同じだったはず、と思い、何よりもその1週間前に舞台にな...

(2014.4.25) 読売新聞朝刊連載の「朝露通信」がおもしろい。毎朝楽しみである。昨年の11月に始まったらしいが気づいたのは3月下旬。ふと目にすると鎌倉の長谷観音あたりでの幼少時代の事が綴ってある。たしかホサカ氏とは学年が同じだったはず、と思い、何よりもその1週間前に舞台になってる長谷観音、大仏、鶴岡八幡宮、江の島と鎌倉黄金ルートをハトバスでめぐってきたばかりだったのだ。なので書かれてる道筋がくっきりと読んでて頭に思い浮かべることができて、いっそう面白くなった。 文が「、」が続いていつ終わるともしれないのが最初読みずらかったがそれも慣れてきて、最近はこの文体は中身にすごくあってるのではないかと思えてきた。保坂氏のホームページを見ると、読売連載開始にあたっての記事が載っていてそれには、記憶の小さな断片を書き、それで読者自身の記憶を喚びおこす、そして読後この小説は朝露のように消え去り、読者自身の幸福な記憶が残る、それが理想だ、と書いてあった。 まさに朝一回の記事が、サトイモの葉の(氏は蓮と言っている)丸く盛り上がった朝露の集まりのようである。連載では保坂少年は行きつ戻りつしてるがおおむねひとケタの子どもである。それは1960年代、昭和35年から40年代前半。今の鎌倉とはちょっとちがった昔の漁村といった感じさえする空気があり、それは自分の育った町の記憶とリンクして、まさに読者自身の記憶を喚びおこしている。

Posted by ブクログ

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