継続は力なり 女性土木技術者のためのキャリアガイド

土木学会(編者), 土木技術者女性の会, 地盤工学会

• 販売会社／発売会社: 土木学会
• 発売年月日: 2013/01/01
• JAN: 9784810607482

商品レビュー

2019/10/07

過去の職場で一緒に仕事をしていた方が編集に関わったとのことで、贈って頂き読んだ本。
頭の部分は土木関係で働く方向けの専門的な内容だけど、女性キャリアの部分では、どんな業界にも共通する内容で勉強になった。
特に、土木はまだまだ男性社会である上に、この本に登場する女性は、50、60代の方も多く、今よりずっと女性がキャリアを重ねることが難しかった時代を生き抜いた方々。だけど、肩肘張りすぎていない言葉が多く、素直に入ってきた。
合間合間に、コラムがあるのだけど、それも身近な出来事などを取り上げていて、分かりやすく、そんなことがあるのか、と驚くこともあり、面白かった。
女性活躍、と言うと、職場･役職における女性比率が何かと話題になって、数字合わせみたいなことが頻繁に起きているけど、その辺りのことをコラムに書かれている方がいて、
どうして女性が少ないと問題なのか、を、マジョリティ(多数派)にいると分からないことがある、として、男性がPTAに参加した時の場合を取り上げていて、とても分かりやすくて、なるほどな、と思った。
今時は、どうなのか(都市部と地方でも違うかもしれないし)分からないけれど、やはりPTAに参加するのは、まだまだ母が多いと思われる。そうすると、そこでは一般的な（現状での）社会、会社とは逆転現象が起こる。女性役員が大多数を占め、平日昼間に行われるPTAの会合に参加しずらかったり、一部しか参加出来ない、父(男性)は、中心的役員には、なかなかなれないし、飾りだけの会長になったとしても、｢挨拶だけしてくださればいいです｣｢詳細は平日の別日に詰めて連絡します｣なんて事を言われる。一父親として意見を述べてみても、｢深く関われないのに意見を言わないで｣なんてことを言われる。そんな場に、やる気、責任感を持ち、ずっと長く尽くしていこうと思えるか？と言うような内容。
確かに、そうやって、立場をチェンジして考えると分かりやすいな、と。一般的な会社では、これと同じことがずっと長く続いてきていて、女性に能力ややる気があっても、重用されず、やがてやる気も無くしていっていた構図が分かる。
これまで、比率ばかり取り上げてられていることに、数字として目に見えて分かりやすいとは言え、そこ大事なのかな？と思っていたのだけど、一定の意味、価値はあるな、と思えた。
今は女性活躍の更に先、ダイバーシティが言われているけど、いずれにしても、マジョリティが役職を独占している限り、なかなかマイノリティ側の事情を理解することは難しい。それには、数でバランスを取ることに、意味はあるんだなーと。
とは言え、補助金や罰則の為に、評価もしていない女性を無理強いして役職につかせ、そのくせ陰口を言う男たちに囲まれ、お飾りポストで何の権限も無い状態の元自社のやり方はどうなのかな、、、とは思っているのだけど。

2014/06/26

土木学会、土木技術者女性の会、地盤工学会の3つの団体が協力して、女性土木技術者を応援する本を作りました。
　多様な分野、経歴、年代の10名の女性土木技術者が語る「仕事における最大の危機」や「アドバイス」、アンケート調査によるQ & A等々により、多様なロールモデルの情報を提供します。また、三団体の会長が、これからの女性技術者を支援する取り組みについて決意を語ります。資料編として、女性土木技術者の歩みや各種のお役立ち情報をまとめました。
　本書は、すでにキャリアをスタートさせた女性土木技術者、これから土木技術者になることを目指す女子学生、そして、彼女たちを支援する職場や学校のスタッフの方々を対象としています。土木技術者として、女性として、現状に戸惑ったときや将来に不安を感じたときに手に取って下さい。本書には参考となる経験例や、背中を押してくれるメッセージが詰まっています。各種の研修やキャリア教育の現場などでも、ぜひご活用ください。