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北海道深川西高校「あゆみ会事件」
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文理閣 |
発売年月日 | 2014/09/01 |
JAN | 9784892597442 |
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北海道深川西高校「あゆみ会事件」
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「あゆみ会事件」の歴史的背景と現代的意義を世に問う書
1954(昭和29)年9月27日、洞爺丸台風が北海道を襲い、過ぎ去った翌日に当たるこの日、北海道立深川西高校二年生で、同好会「あゆみ会」の代表であった森田科二君が覚悟の服毒自殺を遂げた。「あゆみ会事件」とは、自分達の活動を共産党の活動への参加であると一方的に決めつけ非難した新聞報...
1954(昭和29)年9月27日、洞爺丸台風が北海道を襲い、過ぎ去った翌日に当たるこの日、北海道立深川西高校二年生で、同好会「あゆみ会」の代表であった森田科二君が覚悟の服毒自殺を遂げた。「あゆみ会事件」とは、自分達の活動を共産党の活動への参加であると一方的に決めつけ非難した新聞報道への抗議と、そんな大人社会、世の中への憤りと絶望感から、「真実と平和の世界を求めて」と訴える遺書を残し自ら命を絶った同君の死を中心に、その前後の一連の事象・事件を包括的に指すものである。著者は、当時の「あゆみ会」の顧問教諭の一人であり、この事件の「経過と歴史的意義について記録に留めなければならない」との思いを共有する同校教員と卒業生のグループが編者となって、事件後60年の区切りとして2014年に出版されたのが本書である。当時特有の時代背景があったにせよ、教職員や在校生の父母、地域の人々とりわけ報道機関に、人格形成途上にある純真無垢で潔癖な高校生に対する今少しの思いやりや寛容さ、発達段階に応じた教導や助言などがあれば同君は死を選ばずに済んだのではないかと思うと、憤怒と無念さを禁じ得ない。著者の一面的なものの見方・考え方や民主教育、民主的議論という美名を隠れ蓑にした責任回避的・無自覚な記述も気にはなるが、深川西高の当時の教育活動に関し、著者は「為政者は一地方のこうした小さな、ちっぽけな動きといえども見逃しはしなかった。マスコミを使い、警察、地域の有力者、校長などを動員して民主主義の芽を摘み取ろうと周到な準備をしていたのである。」と回顧し、現在においてはそうした暴挙は許さないと宣明する。著者の指摘するこの為政者の動きについては、意図・目的はともかく、決して過去の、特定の学校のものでないことは、近年の学校教育を巡る動向から見ても一目瞭然であろう。かかる意味において、一地方の一高校で起こった事件の全容と実相をまとめて記録し、その歴史的背景と現代的意義を世に問うた本書の意義は小さくないといえるだろう。
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