大阪春秋 大阪の歴史と文化と産業を発信する(No.149) 特集 飯盛山城と戦国おおさか

新風書房(編者)

• 販売会社／発売会社: 新風書房
• 発売年月日: 2013/01/01
• JAN: 9784882697701

商品レビュー

2013/03/20

特集　飯盛山城と戦国おおさか
巻頭随想　　　戦国時代の日記（山田政弥）
インタビュー　飯盛山城とまちづくり
総論　天上の飯盛山城（小林義孝）
　　　城郭史の舞台　おおさか（中西裕樹）
中世史の立場から　戦国おおさかと山城（仁木宏）
　　　　　　　　　河内の城と文芸（小谷利明）
飯盛山城　飯盛山城の構造と歴史的位置（中井均）
　　　　　飯盛山城をめぐる周辺の城跡（實盛良彦）
　　　　　戦国三好氏の山城（天野忠幸）
　　　　　飯盛山城と河内キリシタン（村上始）
戦国おおさかの城跡　烏帽子形城（尾谷雅彦）
　　　　　　　　　　私部城（交野城）（吉田知史）
　　　　　　　　　　土丸・雨山城（中岡勝）
河内と阿波　阿波とおおさかを結ぶ（重見高博）
エッセイ　　探訪飯盛山城跡（黒田淳）
　　　　　　飯盛山城のふもとから（浅野詠子）
　　　　　　烏帽子山形城秋の陣（小林和美）
　　　　　　三好山（芥川山城跡）まいり（西本幸嗣）
　　　　　　河内木綿と阿波の藍（中井由榮）
付録解説（中井均）
付録　芥川山城跡、飯盛山城跡、烏帽子形城跡縄張図

特集が面白そうだったので購入しパラパラと読む。
三好ファンには堪らない内容であろうが、信州人としては
あまり馴染みが無い。
巻頭随想では、関白九条政基の日記に付いて紹介、面白い。
「城郭史の舞台　おおさか」によると、惣構は畿内の寺内町
などで発達し荒木村重の有岡城で見て取れるが、大坂城では
築城後１０年以上のタイムラグを経て惣構が設けられたとし
ている。以前、読んだ本では、秀吉は小田原城の惣構えに学
んだとされていたが、畿内の寺内町に起源があったのだろう
か。大坂城は秀吉死後も工事が続けられ三の丸が築造された
というのは驚きであった。
「戦国三好氏の山城」では、お城にとどまらず三好氏の事を
知る事が出来る。三好政権の概要や家格上昇の有様がわかる。
「阿波とおおさかを結ぶ」では、勝瑞城について解説されて
いる。付録の縄張図が良くこれだけでも買った甲斐があった。

他にもカネボウの興亡という連載記事があり日航伊藤会長批
判の書物を鐘紡が買い占めた話が載っている。映画「沈まぬ
太陽」の登場人物のモデル。小説では良い人に書かれている
が、当時を知らない世代としては、別の見方もあるのかと驚
いた。