永井荷風 断腸亭東京だより 文芸の本棚

河出書房新社編集部(編者)

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2014/09/22
• JAN: 9784309023274

商品レビュー

2023/11/18

学生時代に「表現・出版の自由」対「猥褻文書販売罪」の文脈で、有名判例として名前だけは知っている作品、「四畳半襖の下張」と「チャタレー夫人の恋人」を同時に読み始めた。

前者は僅か8ページ（二段組なので、文庫本換算で15頁位か）、後者は630頁もあるので、永井荷風を当然先に読み終えた。

スポーツ新聞のスケベ記事を少し極端にした位の内容で、発禁処分は如何にも厳しい気はするが、本人（永井荷風）も文芸作品と思って書いてはいないからこそ、「襖の下張にこんな書き物があったよ」のていで、かつ、別のペンネーム（金阜山人）による戯作風作品となっているのだろう。

月刊誌としては法廷を使ってのよい宣伝になったんではないだろうか。帝大出の裁判官が真面目な顔をして、「これは猥褻か否か」を議論している様を想像すると苦笑する。これを読んでエロいと思うかどうかなんて人それぞれだろう。

2020/11/03

「永井荷風　断腸亭東京だより」、生誕１３５年・没後５５年、２０１４．９発行。俳句、短編小説、発禁小説、エッセイ、日記（日乗）、対談などが収録されています。断腸亭日乗とは、毎日毎日、必ずその日にあったことを、その日のうちに書いたもの。　①行春や　ゆるむ鼻緒の　日和下駄　②秋風や　鮎焼く塩の　こげ加減　③雨やんで　庭しづかなり　秋の蝶　④落る葉は　残らず落ちて　昼の月

2018/04/25

「勲章」「女中の話」「夏すがた」……等。
彼の名作短編を（恥ずかしながら）初めて読んだのだけど、不思議な爽やかさがある気がするなぁ……。