ふたつのしるし

宮下奈都(著者)

• 販売会社／発売会社: 幻冬舎
• 発売年月日: 2014/09/19
• JAN: 9784344026346

商品レビュー

2024/09/12

しるしという言葉の意味がきちんとわかったとき、この本のよさが一気に伝わってきた。

まず思ったことは、どんな自分でも自分のことを無条件に受け入れてくれる人がいるならば、その人のことは本当に大切にしなくてはいけないということだ。

勉強も運動にも興味がなく、蟻の行列には、興味がある子どもだったハル。本当の自分が出せる場所を見つけるために、本音を出さず周囲から浮かないように過ごしてきた遥名。

ここぞという時がきて、出会うべくして出会う2人だったように思う。それまで過ごした時間が無駄ではなかったと思える日がくることは、とても幸せなことだと思った。実は遠い昔にすれ違ったり出会った人が、あとで自分の人生に大きく関わる人となることがあったら、素敵なことだなとも思った。

2人の人生が交わった後の遥名のお兄さん。思わぬ人生の再選択をしていて、驚くと同時に微笑ましかった。せっかく生まれたんだから、やりたいことに挑戦するのが一番だよね。

そして、最後の「生い立ちの記」を読んだら、ハルと遥名が出会えて、本当によかったと心から思えた。読後感は、とてもよかった1冊だった。

2022/08/05

遥名の中学生の話が自分にとって特に印象的だった。

私は美人ではないけど勉強はちゃんとしてたから結果も出てた。でも、ガリ勉とは思われたくなくて色々気を遣っていたし、少々荒れ気味な中学だったから、早く自分に合う高校に行って好きなだけ勉強したいと思っていた。

中学のあの抑圧感は何なんだろうね。思春期って一番苦しい。

個人的に、聡兄さんの俳優を目指すスピンオフが見たい。

2022/04/17

自分らしく自然体で生きていくことは、案外難しいことなのかも。
幼少期からちょっと生きづらさを感じていた二人だけど、ちゃんとしるしをみつけられてよかった。