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アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2014/09/01 |
JAN | 9784087452297 |
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アグルーカの行方
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商品レビュー
4.3
24件のお客様レビュー
冒険って何だろうっ考えた。 必ずしもそこへ行く必要はない、、、自分を危険な場所へ向かわせるものっ何だろう。 私にはない感覚だから、ある意味新鮮でした。 人の冒険談を通して、私の知らない世界を見せてくれたり、考えるきっかけをもらえたから良かったかな。 読みやすい文章でした。
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角幡唯介さん「空白の五マイル」に継ぎ2作品目。今作品は講談社ノンフィクション賞の受賞作品。 前作「空白の五マイル」が最高だったので次に著者の「極夜行」を読もうと書店に寄ったのだが、舞台は同じ北極で、作品順も此方が先に執筆されていた為、此方の作品を先に読む事にした。その方がより両...
角幡唯介さん「空白の五マイル」に継ぎ2作品目。今作品は講談社ノンフィクション賞の受賞作品。 前作「空白の五マイル」が最高だったので次に著者の「極夜行」を読もうと書店に寄ったのだが、舞台は同じ北極で、作品順も此方が先に執筆されていた為、此方の作品を先に読む事にした。その方がより両作品を楽しめるのではと思った。 今作品は「空白の五マイル」と同様、一言で言ってしまえば冒険譚なのだが少し趣が違っていた。 今回の作品は過去に北極圏を探索してきた探検家達の史学的な足跡を辿りながらの冒険で、生活にはそぐわない「極地」という過酷な条件下という面も話の主として読み取れる。 過去の北極圏探索家の足跡に平行しての冒険、優位貿易や世界大戦に向けての当時の英国や米国、ロシア等の国々が北極航路の地図を手に入れる為の国家プロジェクトとしての位置付けでの探索した事がよくわかる。 その地図があれば北極圏航路が開通され航海上では世界を縮める事ができる。その為に過去に何回かの航路開拓が北極圏では行われていた。 その先駆者達の開拓の軌跡を辿りながら、筆者がその足で史学的には未開拓に終わってしまった歴史と共に過酷な道程を歩んでいく。 非常に勉強になった。 読んでいる自分にも過酷な極地でのリアルさが亡くなってしまったであろう当時の探索家達にも勿論、今回の作者の道程の最中にも多分に感じられる。まるで自分も一緒に橇を牽いているかのように感じるのだが、同時に根性なしの自分には到底無理だと罵られる様に叩きつけられる。 前作でも感じたが並大抵の探検家ではやはりない、凄すぎる。終始圧巻だった。 あとがきで筆者が書かれていたが今作品迄が一つの区切りの作品との事だった。尚更「極夜行」の前に読んでよかったと思う。 新たな作風そして探検が「極夜行」ではあるのではないか? 期待が高鳴っている。
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1845年にイギリスを発ち、129人が全滅したフランクリン隊の足跡を現代の探検家が追うという筋立てのノンフィクションである。 フランクリン隊は船と隊長含む隊員を何らかの理由で失う。その後クロージャ―船長が指揮をとるも、極地を方々に彷徨い、食人まで行われていたという謎と衝撃か...
1845年にイギリスを発ち、129人が全滅したフランクリン隊の足跡を現代の探検家が追うという筋立てのノンフィクションである。 フランクリン隊は船と隊長含む隊員を何らかの理由で失う。その後クロージャ―船長が指揮をとるも、極地を方々に彷徨い、食人まで行われていたという謎と衝撃から、フランクリン隊に好奇心をかき立てられる者は多く、今もフランクリンやクロージャーの墓探しなどをする人々が後を絶たないようだ。 「アグルーカ」というのは大股で歩く男というイヌイットの言葉であるという。彷徨う白人の集団と出会ったという当時のイヌイットの証言が残っており、アグルーカはそのリーダーである。イヌイットたちがフランクリン隊の生き残りと会っていたことは間違いないとされ、カニバリズムに手を染めていたことも科学的な調査から事実とされている。ただ、証言は何パターンにも分かれており、また、アグルーカの名をイヌイットから授かった探検家は他にも複数いることから、本書で追っている「アグルーカ」が本当にフランクリン隊の生き残りだったのかどうかは分からない。当然に本書でフランクリン隊の行方が明らかになることはない(新しい発見があればニュースになっているだろう)。 研究室で資料を読むだけではなく、フィールドに出た者の手記というのが本書の特徴だろう。そこに行って初めて気が付くこともあるのだと思う。著者も「実際に彼らと同じ季節に同じ場所を旅してみて、彼らがこの早い時期に船を出発した理由が私 には何となく分かった気がした」「 まだ冬の寒 さが残る季節に船を出たのは、なぜだったのか。それは彼らの行方を捜索していた者たちにとっては大きな謎のひとつだった」が、「春がやって来た。もしかしたら、ただそれだけのことではなかった か」といっている。 また、英雄時代の神話のような極地探検しか知らなかったので、現代の探検家の探検観や探検生活も垣間見ることができて興味深かった。観光客が氷河や氷山を見に行く時代であっても不毛地帯のほとんどは人が立ち入らないのだから、まだまだ探検の余地はあるのだろう。 何度も読み返すかといわれると、そうでもない気がするけれど、フランクリン隊の行方や分かっている事実などの概観をつかむのにちょうどよい本だった。
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