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天野祐吉 経済大国に、野次を。
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天野祐吉 経済大国に、野次を。

河出書房新社編集部(編者)

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天野祐吉 経済大国に、野次を。

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2014/08/01
JAN 9784309023205

天野祐吉 経済大国に、野次を。

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商品レビュー

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2016/07/21
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晩年の天野さん、朝日新聞のコラム「CM天気図」が好きで良く読んでたな~。広告の人なのにいつも身の丈の日本、日本人について書いていたなという印象(“広告の人なのに”というのは、自分の中で広告業界の人は派手とか、右肩上がりとか、そういうイメージなので)。 でも、本書を読むと、70年代からその姿勢は変わってなかったのかな、と。 高度経済成長の少し後の頃でさえ、広告に莫大なお金が使われることに(当時で年間一兆八千億円とか)「これはどう考えても、もったいない話」と言う。金を使って派手なことやるよりも、「何を、どうすればよいのか。そのことをいま、みんなが知恵を出し合って考えることが必要」と、なにやら既に消費一辺倒の社会にモノ申していた(“広告の人”なのに!笑)。 2010年以降のCM天気図で、何度か「賢い国」になろうと書いていたのを覚えていたが、それは自民党の「強い国」に対抗できる考え方として、なだいなださんが言い始めたことらしい。なださんが亡くなった時に「とても大切な人を失ってしまったという思いが強い」と書いていた。 「本当のぜいたくは、おカネさえあれば手に入る、というもんじゃない。ぜいたくというのは、モノの問題でもあるけれど、それ以上にココロの問題である」 これも見覚えのあるコラムだったな~。そんな印象的な「CM天気図」がところどころに紙面のままに再録されているのが嬉しい。 そんな「CM天気図」だけをまとめて本も出ているのだけど、『広告批評』のころから氏の言動、記事、そして多くの関係者との対談、あるいは追悼の文などが掲載された本書で、“天野祐吉”という人物が改めて立体的に見えてくる気がした。 もう少し長生きしてくれていたら、今の日本を、この報道が規制された世をどのように斬っただろうか。なにしろ、その昔、「日本の政府や軍部が宣伝下手だった」と、「今にして思えば、宣伝下手でよかったと」言い、80年代には、「鈴木さんが松下さんや豊田さんを抜いた」と政府広報(鈴木善幸首相・当時)の予算額ががPanasonic(松下さん)やトヨタ自動車等、民間の宣伝広告費を凌駕したことに警告を発している。告知広告と意見広告という違いがあるなんて、恥ずかしながら今まで意識したことなかった(政府が“意見広告”をすることは、民意を操作するから違憲の可能性もあるんだそうな)。 そんな天野さんが、今この世を、どう嘆くだろうか。 うん、やっぱり、嘆く気がする。 本書には、氏に影響を受けたという業界人が多く寄稿している。天野さんの意志を継いで、権力から遠いところから、批判精神を天野さんのような柔らかなユーモアに包んで発信してほしいな。

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2014/11/30

杉浦日向子さんと天野祐吉氏の対談、 「成熟社会人心得―パソコン背負って江戸へ行こう」 を収録(初出は「調査情報」1998年10月号)。 杉浦日向子さんの資料を収集するため図書館で借りてきたが、他のページも面白い。 本書に転載されている、朝日新聞連載のコラム「CM天気図」から、...

杉浦日向子さんと天野祐吉氏の対談、 「成熟社会人心得―パソコン背負って江戸へ行こう」 を収録(初出は「調査情報」1998年10月号)。 杉浦日向子さんの資料を収集するため図書館で借りてきたが、他のページも面白い。 本書に転載されている、朝日新聞連載のコラム「CM天気図」から、印象的な部分を引用してみる。 「本当のぜいたくは、おカネさえあれば手に入る、というもんじゃない。ぜいたくというのは、モノの問題でもあるけれど、それ以上にココロの問題である」 (2006年5月1日 ぜいたくは素敵だ) 「むかしの中国では、品評会などでの入選順位を、1等・2等・3等…ではなく、1品・2品・3品…と呼んだそうな。で、その審査のモノサシでははかれないが、すぐれて個性的なものを「別品」と呼んで評価したという。  別品。いいねえ。世界で1位とか2位とか、何かにつけてそんな順位を競い合う野暮な国よりも、戦争も原発もない「別品」の国がいいし、この国にはそれだけの社会的・文化的資産もある」  (2013年10月9日 「別品」の国へ) 「成長」よりも「成熟」が必要。 ひとつひとつの言葉は深いのに、語り口は軽妙でさらっとしているところは、タダモノじゃない!

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2014/11/23

天野さんの「広告批評」前史の語り相手、博報堂東海林顧問曰く、「テニスの壁打ちがありますよね。天野さんってとても心地よい壁だったのです。制作者自身が気付いていない球を返してくる。その球がとても大きな勇気になるのです。教育しようとしてたわけではなく、迷いをなくしてくれる。「制作者の父...

天野さんの「広告批評」前史の語り相手、博報堂東海林顧問曰く、「テニスの壁打ちがありますよね。天野さんってとても心地よい壁だったのです。制作者自身が気付いていない球を返してくる。その球がとても大きな勇気になるのです。教育しようとしてたわけではなく、迷いをなくしてくれる。「制作者の父」だったと思います。『広告批評』を改めて読むとわかりますが、天野さんの仕事には「経済」がなく、「文化」しかない。天野さんにとって、広告という壁は、経済ではなく文化の壁だった。常に、庶民感覚で広告を見て正しい方向と示していきたい、という感覚があった。広告の批評でありながらも、経済を完璧に省いている。でも経済を徹底的に省いたのがよかったんじゃないかと思います。『広告批評』は文化運動だったのです。」思いっきり納得。キュビズムやバウハウスのように『広告批評』は運動だった故に終わりを迎え、経済を徹底的に排除した故に広告との距離が生まれたのでしょう。しかし今「経済」は「文化」をCSR的な意味ではなくマーケティング的な意味合いで希求しているようにも感じています。それが顕在化した時に『広告批評』にかわる批評が必要とされるはず、と信じています。

Posted by ブクログ

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