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美術史と他者
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美術史と他者

ジョン・クラーク(著者), ノーマン・ブライソン(著者), 谷川渥(著者), 島本浣(編者), 加須屋誠(編者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 晃洋書房
発売年月日 2000/01/10
JAN 9784771010680

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2015/09/25

他者という概念をキーにして、日本の美術史を考え直そうという論考集。 それまでの美術史に内的な規範とは異質なものを開示させる継起として他者を想定するものの、では、他者が介入しない美術史の自己運動が、本当に内的な規範を回顧しているにすぎないものなのかどうか。よくわからない。たしか...

他者という概念をキーにして、日本の美術史を考え直そうという論考集。 それまでの美術史に内的な規範とは異質なものを開示させる継起として他者を想定するものの、では、他者が介入しない美術史の自己運動が、本当に内的な規範を回顧しているにすぎないものなのかどうか。よくわからない。たしかに他者は常に自己の裏側にあるものだろうが、そうであるがゆえにあまりに普遍的すぎるものから美術史を思い直してみてもあまり生産的ではないのではないだろうか。 あるいは、そもそも「美術史」というものが複合的な観念であるがゆえに(私が?)混乱もしている。美術史とは、美術作品の意味が常にその歴史と共にあるがゆえの、美術作品に内在する歴史を暴き出す営みではないか。とすれば、そこに含まれる他者性とは何なのか。その場合、美術史は作品に外的なものではなく、ゆえに他者なるものではない。作品それ自体に他者性が含まれるとしても、純粋に作品・表現の生産として見るなら、そこに他者性は含まれえないように思う。とすれば、他者性を介入させる読み方というのは、すなわち人間中心的な読み方であって、人を分析することのない「美術史と他者」はありえないだろう。 作家・観者を中心とした美術の歴史。だがそれも結局は、人ではない何かに還元されて説明されるしかないのではないだろうか。

Posted by ブクログ

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