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真夜中の電話 WESTALL COLLECTION
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真夜中の電話 WESTALL COLLECTION

ロバート・ウェストール(著者), 原田勝(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 徳間書店
発売年月日 2014/08/01
JAN 9784198638368

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真夜中の電話

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商品レビュー

4.3

17件のお客様レビュー

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2024/09/09

117冊目『ウェストール短編集ーー真夜中の電話』(ロバート・ウェストール 著、原田勝 訳、2014年8月、徳間書店) 英の児童文学作家、R・ウェストールの短編集。装画は著者のファンを公言している宮崎駿。 収録されている9篇は作者の晩年、または死後に発表された短編がほとんどで、例外...

117冊目『ウェストール短編集ーー真夜中の電話』(ロバート・ウェストール 著、原田勝 訳、2014年8月、徳間書店) 英の児童文学作家、R・ウェストールの短編集。装画は著者のファンを公言している宮崎駿。 収録されている9篇は作者の晩年、または死後に発表された短編がほとんどで、例外はバイク事故で亡くなった息子を偲んで執筆された「最後の遠乗り」のみ。 ホラーからラブストーリーまで、児童文学という枠組みに収まらない作品が並ぶ。「女たちの時間」に至ってはほぼ純文学である。 〈ほんとうに、それでいいんだろうか?〉

Posted by ブクログ

2024/02/24

引き込まれる内容の短編が多くまるで短編映画集を見た感覚。読んだ後味は様々で、余韻を楽しみながら読み進めました。 どの話にも共通する点は、少し日常から外れた場面で様々な人生経験を積んだ大人世代と若者世代の関わり合いがあり、それぞれの心の機微に触れているところです。それが余韻となって...

引き込まれる内容の短編が多くまるで短編映画集を見た感覚。読んだ後味は様々で、余韻を楽しみながら読み進めました。 どの話にも共通する点は、少し日常から外れた場面で様々な人生経験を積んだ大人世代と若者世代の関わり合いがあり、それぞれの心の機微に触れているところです。それが余韻となって、読み終わった時にじんわりと沁みてくるところが良かったです。 10代の多感な時期の若者から大人まで世代を超えて楽しめる作品だと思いました。

Posted by ブクログ

2023/07/30

 ウェストールについて何も知らずに借りてみた本。強いていえば、宮崎駿が表紙の絵を描いているという点だけが、全く馴染めないということはないだろうと思わせてくれた。 ▼「浜辺にて」「吹雪の夜」  思春期の男の子の、心も体も持て余している感じが生々しく、私は女なのでそれを実感と共にあ...

 ウェストールについて何も知らずに借りてみた本。強いていえば、宮崎駿が表紙の絵を描いているという点だけが、全く馴染めないということはないだろうと思わせてくれた。 ▼「浜辺にて」「吹雪の夜」  思春期の男の子の、心も体も持て余している感じが生々しく、私は女なのでそれを実感と共にありありと思い出したりはしないものの、でも似たような時代を過ごしたことがある、振り返る立場でしみじみする。  海や風など自然に触れる感覚も鮮やか。「吹雪の夜」は、これぞ人生という感じ。 ▼「ビルが“見た”もの」「墓守の夜」  「ビル〜」は仕事を引退して視力も失ってしまった男性が主人公。無力感や絶望感もありつつ、それをも受け入れた誇りのようなものもある。「墓守」も妻を亡くした老墓守の話だが、どことなくナイスミドル風。  前二作の粗削りだった若者がこんな老い方をしていくのも素敵かもしれないと思わせる。 ▼「屋根裏の音」  これはどういう感想を持てばいいのか。脱走兵として帰ってきた父へ、娘の放った言葉。その後の家族の話。きれい事ではない、戦争がもたらすもの。 ▼「最後の遠乗り」 「中年ってのは、いったいなんの罰なんだ?つける薬はないのか?」  オートバイ乗りに明け暮れる少年たちの日常。無軌道に見えるが、両親との関係は(私のような者の偏見に反して)良好そうであることが印象的だったが、あとで解説を読むと胸が痛んだ。 ▼「真夜中の電話」  思春期の少年だったり、老人だったり、父だったり、色々な姿で、ウェストールさんってこんな人を描きたかったのかなと思いながらここまで読んできて、ここで聖書に登場する、善きサマリア人。根幹の哲学はそういうことかもしれない。 ▼「羊飼いの部屋」  聖人君子の物語の次は憎しみと殺意。すごい。「吹雪の夜」と共通する場面がいくつかあって、全く違う物語。でもこれも人生。きっかけは天候でしかないのに、決定的な別離。田舎の人対都会の人という構図のサブストーリーによっても、話に厚みが。 ▼「女たちの時間」  これも戦争と少年というテーマととれるが、子どもとも大人とも言える微妙な年頃の男として、終戦の束の間の女の世界をこう捉えてこう記したという記録は、小説とはいえ、貴重な視点だなと感じた。  解説からの受け売りとなるが、ロバート・ウェストール(一九二九〜一九九三)はイギリスの児童文学作家で、戦争にまつわる物語や、ホラー、スリラーを得意とする。イングランド東北部、ノース・シールズ生まれ。第二次世界大戦中に九歳から十五歳という多感な少年時代を過ごした。二年間の軍隊生活を挟みながら大学では美術を専攻し、一九五七年に美術教師となる。翌年結婚し、一九六〇年に一人息子のクリストファーが生まれる。一九七五年『“機関銃要塞”の少年たち』が作家としてのデビュー作だが、これはもともと自分の十二歳頃の戦争体験を、やはり十二歳になる息子に語るために一九七一年に書かれたもの。一九七八年の夏、十八歳だった息子のクリストファーをオートバイ事故で失う。その後、妻のジーンは体調を崩し精神的にも病み、一九九〇年に自死。一九八五年から専業作家となっていたウェストール自身は、一九九三年、六十三歳で逝去。短編作品は、没後に発表されたものが多いとのこと。

Posted by ブクログ

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