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私が最も尊敬する外交官 ナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六
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私が最も尊敬する外交官 ナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六

佐藤優(著者)

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私が最も尊敬する外交官 ナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六

定価 ¥2,530

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2014/08/01
JAN 9784062148993

私が最も尊敬する外交官 ナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六

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商品レビュー

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2024/05/11
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※このレビューにはネタバレを含みます

本作は、端的に言えば、佐藤氏による現代史の再構成、といったら大袈裟でしょうか。 言葉を加えるならば、吉野文六という元外交官の人生(の前半)を梃に、その周辺の歴史を再構成する、とでもいったものでありましょう。 ・・・ 多くのかたは吉野文六氏をご存じないと思います。 でもこの方の名前を最も有名にしたのは西山事件でしょう。 西山事件は一から説明すると長くなるのですが、要は戦後の沖縄返還に際して、本来米国が日本に支払うべき資金について、日本が支払う(つまりチャラにしてあげる)という密約をした、と。これをすっぱ抜いたのが毎日新聞の西山記者ですが、西山記者は言わば国策裁判でハメられ、その際の証言で吉野氏は「そんな密約はなかった」と虚偽の証言をしたものです。 ・・・ なお、この証言が虚偽と分かったのは、言わずもがな、日本の記録からではありません。 米国の公文書が2000年に公開されるに至り、2006年に本人が証言は虚偽であった(沖縄返還時に日米に密約があった)と認めたものです。 で、佐藤氏はこの吉野氏の行為に強く心を打たれたようです。 ・・・ さて、本作そのものは、吉野氏の戦前戦中の記憶や佐藤氏との会話に加え、佐藤氏が諜報的解説を敷衍して行ってゆくもの。 言わば吉野氏によるオーラルヒストリーに佐藤氏が彩りを加えていくという体裁をとります。 このオーラルヒストリーの貴重な点は、やはり教科書の字面から一面的にしか知らないものを、一個人の証言からよりビビッドに多面的に理解できる、という事です。 例えば、1941年の日米開戦以前、米国の雰囲気はどうだったかというと、吉野氏に言わせれば、日本人への憎悪もなく、物にあふれ、牧歌的な朗らかさがあったという。てかもう反日的な雰囲気で満たされていたとかって思いません? またナチスは第一党として国民から選ばれた、という教科書の記述などをしばしば見ます。 これなぞは、あたかも多くの国民は熱狂的にヒットラーやナチスを支持したように感じます。しかし吉野氏の目から見れば、形だけの支持の人も多く、なんなら公然と悪口を言う人も結構いたことが綴られます。へー。 ・・・ なんてことを書くと、一体歴史の正しさとは何か、その事実はだれが認定するのか、なんてことに疑問を持ちます。 ドイツでのナチスの支持についても、文科省の担当者よりも、吉野氏の現場の声のほうが、すこし説得力があるように感じます。ではこれがすべてかというとそうも言いきれない。これは一事例であり、例外の可能性もあります。 歴史の概ねの事実は共通して合意されるとは思います。しかし、歴史とは予想以上に重層的・複層的で、細部を見れば見るほど、そこには不確かで相反する証言や背景が蓄積してもおかしくなさそうです。 だからこそ、一方的な断定的事実(とされるもの)には、時に懐疑的な方が健全なのかもしれません。またそれゆえに、こうした一個人の口述は非常に貴重であると感じた次第です。加えて、このような不確かな歴史的土壌がぬかるみのようにあるからこそ、歴史小説がフィクションとして花開くのではないのでしょうか。 ・・・ ということで佐藤氏の作品でした。 西山事件とはほとんど関連のない著作でした。むしろ戦中ドイツを吉野氏を通じてインテリジェンス的に読み解くというもの。 こうした外交・インテリジェンス等に興味がある方にはお勧めできる作品です。加えて、歴史とは何が真実かと、ふと思わせる著作でもありました。

Posted by ブクログ

2021/01/16

沖縄返還に関わる取材から、佐藤優が掘り起こした、あの日、アノ時、の物語。時は、1945年5月、場所は、ソ連軍の猛攻に晒された首都ベルリン。ドイツの首都陥落を経験した日本人外交官(吉野文六氏)へのインタビュー そして佐藤優の解説等もあり。時の全権大使‘大島浩‘の逃避行等についても記...

沖縄返還に関わる取材から、佐藤優が掘り起こした、あの日、アノ時、の物語。時は、1945年5月、場所は、ソ連軍の猛攻に晒された首都ベルリン。ドイツの首都陥落を経験した日本人外交官(吉野文六氏)へのインタビュー そして佐藤優の解説等もあり。時の全権大使‘大島浩‘の逃避行等についても記載。ベルリンにソ連軍が迫る中、在独在留邦人の保護等に勤めることもなく、大使館幹部とともにドイツ南部への逃避行(観光旅行な)を行っている大島全権大使ご一行の行状等に、いやはや、であります。日独防共協定を結んだ大島浩のひとつの実像でもあります。

Posted by ブクログ

2019/11/16

読もうと思ったのは、沖縄返還の際のさまざまな密約について、近年自分が関わったことを認めた吉野文六さんについて、もっと知りたいと思ったため。しかしながら、内容は吉野さんが外交官になった初期のドイツ駐在時代の、ナチスドイツの崩壊過程についてであり、残念ながら沖縄密約の話なかった。まぁ...

読もうと思ったのは、沖縄返還の際のさまざまな密約について、近年自分が関わったことを認めた吉野文六さんについて、もっと知りたいと思ったため。しかしながら、内容は吉野さんが外交官になった初期のドイツ駐在時代の、ナチスドイツの崩壊過程についてであり、残念ながら沖縄密約の話なかった。まぁサブタイトル通りではあるが。 そして、佐藤優のスタイルなのだろうが、他の著書からの引用が非常に多くて、吉野文六さんの話というよりは、吉野さんの話もワンオブゼムで、いろんな資料から戦時中のナチスドイツの経過や、当時の日本の外交を整理した本という印象。オーラルヒストリーならもっと読みやすかったと思うが、引用が多くて少し読み疲れる感じ。

Posted by ブクログ

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