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バッハ万華鏡 時代の激流に生きた教会音楽家
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バッハ万華鏡 時代の激流に生きた教会音楽家

川端純四郎(著者)

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バッハ万華鏡 時代の激流に生きた教会音楽家

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本キリスト教書販売
発売年月日 2013/07/01
JAN 9784818408630

バッハ万華鏡

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2021/05/28

J.S.バッハが生きたのは、1685−1750 マルチン・ルターが端緒となった宗教改革によって、プロテスタントが誕生した。ルター派は、信仰義認、聖書のみ、万人祭司を掲げていた。改革主義とも呼ばれるカルヴァン主義も並び立ち、社会は新しい思想とそのための実践によって、様々な変化が表...

J.S.バッハが生きたのは、1685−1750 マルチン・ルターが端緒となった宗教改革によって、プロテスタントが誕生した。ルター派は、信仰義認、聖書のみ、万人祭司を掲げていた。改革主義とも呼ばれるカルヴァン主義も並び立ち、社会は新しい思想とそのための実践によって、様々な変化が表れ、主義と信仰に導かれた対立があらゆる場面で社会を、毎日の生活を規定していた。15世紀初頭を起点にしたヨーロッパに起こったこのうねりはまさにバッハがいた社会に折り重なっていて、彼の音楽家としての生き方にも大きく波及した。生活も音楽もそして人生も、宗教や信仰に基づいていたのだから、それは避けることのできない逃げることのできない課題だった。つまりはその課題に向き合うことが生きるということであり、その全てが信仰の在り方というものだった。 個人とそれが構成する共同体。宗教的支配が覆い続ける世界では信仰を下地にした共同体が表れ、社会というものを規定していた。信仰とその表れとしての行為が集まり共同体という枠組みが作られるのと並行して、信仰のために対立や闘争が生まれるという状況に対応するための集合して立ち向かうという必要性によっても共同体は出来上がるものだった。 共同体という意味が、宗教というものの上に日本人には本質的に分からない姿で表れてくることを知ったと思う。 確かに、自分が属する一方の信仰のために、相手にも同じようにあるだろう意思や尊厳を損なってしまってもいいと思えることは信仰という言葉のニュアンスとはずれているように感じられてしまうけれど、それだけに、信仰や宗教というものが人に及ぼす力が圧倒的なんだとも理解できる。 弱い人は信仰に頼らなければならず、支えてもらはなければ一生を乗り越えることができない。その信仰を守るために集団を作る必要があった。こうやって理解していけば、共同体が生まれるということは、社会や国といった体制、全体という立場から与えられるものというよりも、一つ一つの個というものを始点に、集合していった結果として浮かび上がってくる姿という方が合っているかもしれない。とても原書的でだからこそ強い、人間というものが過去からそして現在に至っても見せる姿の中でもっとも単純でだからこそ揺るがない部分だと取れる。 体制ではなく、一人一人だということが共同体というものの意味を決定づけている。共同体とはつまり全体であり自分なのだ。言葉のもつ姿のままだということだ。だからこそ、共同体のために自分は何ができるのか、何を尽くせるのか、何をしなければならないのか、どうなれるのか。そのために生きるということが自分というものの存在意義にまでなるということなのだから、それに基づく社会の確かさや強さのほどは現代の日本に生きる自分たちにでも容易に想像ができる。 共同体と公共と、そんなことを考えることの延長線としてこの本を読んだ。 社会というものと、自分が生きるということと、何のためにというその理由とを、どのように重ねることができるか。どこに重なる部分を見出すことができるのか。いまという社会と様々な状況と、そして人間というものに起きている変化と、思いを馳せるところは限りない。 でも何かが重なるということは、すごく単純な理由でしかないんだとも思う。 そうでなければ、本当の強さというものには繋がっていくことができないからだ。

Posted by ブクログ

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