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ディスカバリ カルテル、PL訴訟、特許訴訟
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 起業家大学出版 |
発売年月日 | 2012/03/31 |
JAN | 9784863180147 |
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商品レビュー
5
1件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
訴訟というだけで手間がかかるものだという印象がある。それが海の向こうでの訴訟なんて聞くとどんなものか想像がつかない。このディスカバリという制度は、証拠開示手続きを指す。アメリカにおいて、訴訟の際に原告・被告双方が、それぞれが持っている証拠を隠さず見せ合うことになっていて、ディスカバリは重要なことだ。今では、eディスカバリと呼ばれる、コンピュータ内のデータ(ワード、エクセル、パワーポイント、PDF、Eメール,紙の資料をPCにスキャンしたもの)を調べることになっている。 読んでびっくりしたのが、日本企業の情報に対する扱いがお粗末だなと思った点だ。この前の震災と原発事故を受けてのさまざまな委員会において文書化しない、あるいは概略のみ記録に残すという、記録をとりたがらない政府の姿勢が物語っているように、重要なデータを大切にしない。知的財産保護に関して、日本は、電子データの処理を行なう場所と電子データの保管を行なう場所を法律で規定していない。それに比べて、アメリカ、イギリスとEUは、国外に情報が漏れないように国内あるいは域内に限定している。 もっと驚いたのが、見ざる、言わざる、聞かざるの3ザルを米国民事訴訟において実践している企業が多いということだ。アメリカの法律事務所の見積もりに異議をはさまずにOKしたり、日本本社でディスカバリに関する知識に乏しく、弁護士にお任せしたり、重要な情報が訴訟に必要な資料という名の下に国外に流出していることに対して理解の明るい人が少ないとあり、億単位の金がひらひらと飛んでいくのに丸腰なのが気になる。 著者の意見を元にしたライターによるアメリカの会社に訴えられた会社をめぐるストーリーがあり、どんな風にディスカバリが展開されていくか分かりやすく書かれているのが良い。どうせなら今流行の「もしドラ」風にイラストを入れるともっと良いと思ったが、そこまでやると採算が合わないか。 これからは、海外、特にアメリカに進出している日本企業の法務部の方は一読して、まさかの時に備えておいた方がいい。根拠のない「安全神話」にすがり付いていると、ある日突然、襲ってくるとも限らない。それにしても、アメリカはイギリスに似て、なかなかの古だぬきというべきか古ぎつねだな。さすが大英帝国が生んだ息子だけのことはある。
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