人生を三度生きた女 “魂のブルース"アルバータ・ハンターの生涯

フランク・C.テイラー(著者), ヤンソン由美子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 1993/09/25
• JAN: 9784480872289

商品レビュー

2012/03/21

旅行中に読もうと思って夏に入手したのに、結局一行も読まずに持って帰ってきた本を、ようやく読了した。

アルバータ・ハンターを知ったのは1980年代の初め頃で、彼女が往年の大スターだったこと、歌手を引退して看護師になったが、近年カムバックしたという概略は語られていた。こんないい歌を歌う人がなぜ埋もれていたのか不思議だったが、勝手に、若くしてステージを去ったため記憶されていなかったのだろうと思っていた。

ところがこの本を読んでみると、彼女は60歳まで現役の歌手で、仕事がなくなったために年齢を偽って看護師になり、70歳（実際には82歳！）で定年退職してステージに戻ってきたのだった。引退していたのは約20年間に過ぎない。

本書の過半は引退までの人生に割かれていて、それが時間的にも一番長いので当然なのだが、戦前のアメリカでは「黒人」として扱われたのに対して、公演でヨーロッパに行くと芸術家として待遇されたとか、興味深い内容が多い。戦後、進駐軍の慰問で日本に来たこともあるらしい。

もはや新刊では手に入らないが、アルバータに興味がある人なら一読の価値があります。

2011/12/28 記

2012/01/27

憧れるジャズシンガーやブルースシンガーは数あれど、本当に尊敬、リスペクトするのは彼女だけです。
一度は引退して看護士として20年以上勤め上げてからのカムバック。
やっとアメリカは彼女の偉大さに気付く。そのとき彼女は82歳。
89歳で亡くなるまで歌い続けた彼女の生涯について書いてます。
尊敬以外にもっと彼女を褒め称える言葉が見つからない。