体育会力 自立した「個」を育てる

礒繁雄(著者)

• 販売会社／発売会社: 主婦の友インフォス情報社/主婦の友社
• 発売年月日: 2013/10/20
• JAN: 9784072870204

商品レビュー

2014/05/10

中日新聞の書評でおもしろそうだったので購読。
早稲田大学の競走部部長の大学スポーツ論。
副題にあるように自立した「個」を育てるとあるように、教育論でもあり組織論でもある。
体育会系というと図々しい柄の悪い連中というイメージがあるが、最近の若者は大事に育てられているためかそういったことはないらしい。
体育会系は就職に強いというイメージがあるが、それがなぜかという点について論じられている。一方、社会に出てから彼らの不得意な面も論じられていて公平な見方をしていることがわかる。
後半の監督の組織と個人についての考えは非常にためになる。苦労人の監督ならではのまさに日本人的な考え方のように思え、個人と組織について考えさせられる。
この監督の下で指導を受けたいと誰もが思うのではないだろうか。
もっとも、早稲田大学の体育会系と言うこともあり、高校までスポーツではぬきんでていた人たちの集まりであり、元々、意識もレベルもかなり高い組織だと思う。そのため、一般的な組織にはなかなか当てはまらないように感じた。

2013/10/05

読んでいて、ああ、体育会とは男性の社会であるということ。意図的なのかも知れないけれど記述が「男性」ジェンダーに偏っている。また、体育会に中でも小さな部の場合に、ここで述べられる体育会論が有効かはわからないだろう。とはいえ、これらはいじわるな見方で本書は極めて肯定的に大学の体育会とそこでの教育可能性について述べているのだから、ノイズが排除されているには当たり前だろう。
しかし、読んでいて思うのは俺はこの世界とだいぶ離れた世界で生きてきたな、と。めちゃくちゃ近くにこの世界があったけどw。
大学におけるスポーツ、学生、その在り方についてはとにかく議論し続けることが大事だ。