消え去らない疑問 悲劇の地で、神はどうして…

フィリップ・ヤンシー(著者), 山下章子(訳者)

• 販売会社／発売会社: いのちのことば社卸部
• 発売年月日: 2014/07/01
• JAN: 9784264032434

商品レビュー

2014/11/27

東日本大震災の被災地、ボスニアの戦場跡、そして2012年クリスマスの米国コネティカット州での小学校での銃乱射事件の悲劇の地を訪問し、「神はなぜこのようなことを見逃しておられるのか」を浅い宗教的な観点ではなく、深い悲しみを共有しつつ共に考えてくれる。むしろ人々の心の中の事件の取材である。苦しみが引き起こす疑問への各宗教の答えが興味深い。他宗教だけではない、キリスト教も決して批判を免れない。乱射事件の後は、福音的キリスト教会でさえも教条的な教えで心の傷跡に塩を塗っていたようだ。
パーキンソン病になった俳優マイケル・フォックス、ルター、フリードリッヒ・リュッケルト、ディートリッヒ・ボンヘッファーその他多くの人々の言葉、イワン・カラマーゾフの小説中の言葉が印象に残る。そして何よりもヨブと友人たちの引用が効果的。「神はヨブに家畜を2倍にして返されたが、子女は同数だった。」この意味は？復活後の再会時には2倍になっている！深い慰めが快く響く。