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ひみつの王国 評伝 石井桃子
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2014/06/28 |
JAN | 9784103358510 |
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ひみつの王国
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4.5
6件のお客様レビュー
『プーと私』の読後、猫丸(nyancomaru)さんからご紹介いただいた一冊。(読むのが遅くなりました汗) 石井桃子さんの評伝であり彼女を取り巻く人々が数多く登場するという事だったが、とにかく長い…!101年と23日を生きられた方が生涯出会われた人々(たとえ一部であっても)を文字...
『プーと私』の読後、猫丸(nyancomaru)さんからご紹介いただいた一冊。(読むのが遅くなりました汗) 石井桃子さんの評伝であり彼女を取り巻く人々が数多く登場するという事だったが、とにかく長い…!101年と23日を生きられた方が生涯出会われた人々(たとえ一部であっても)を文字に起こしていくと、改めてそのボリュームに愕然とする。 しかし『プーと私』をもってしても、結局石井さんがどんな方だったのかはほとんど分からずじまいだった。(実際、石井さんは自身のことを限定的にしか公表してこなかったという) そのぼんやりとした輪郭が今回の『ひみつの王国』でようやくハッキリした。この評伝をまとめた元新聞記者の著者による推測箇所も多かったが、全貌を掴むには間違いなくもってこいの一冊になる。 兄1人、姉4人の末っ子。今思い返しても比較的伸びやかな幼少期を過ごされたのではないかと思う。 驚いたのは、社会人になりたての頃から「奥さんが社会的に偉くなったら男の人はそれを誇りに思っても良いと思う」と公言されていたこと。あと戦後「ウソでかためた(出版業界の)世界がイヤになり」戦時中に知り合った女性と東北に移住・開墾、のちに牧場まで開かれていたことも。 元は病弱で控えめな彼女だが、彼女なりのやり方で世の中の理不尽に物申していたように思える。 「子どもの本でも理屈ばかり言ってる人がいるけど、そういうことで児童文学は生まれるものじゃない」 「この本を作った人々は、子供達がまず美しいものにふれ、[中略]さまざまに物を思って過ごしてほしいと願ってくれたのでしょう」 結婚も養子を迎えることもなかった彼女が、何故児童文学の普及に終生奔走したのかー。読む前からくすぶっていた最大の謎もここで明らかになった。 第一に、子供といえど「小さい大人」。 「子どもの雑誌はおとなの雑誌を水とミルクで割ってはいけない」とある女性編集者が話すように、石井さんは真の心の栄養となる話を子供達のために届けていた。子供だからとコケにすることも決してなかったと言うから、本当に一人の人間として彼らと向き合っていたに違いない。 そして、世の中の子供だけでなく「自分の中に生きている子供」にも物語をせがまれていたから。 「生きてて良いんだと子供にエールを送るのが児童文学」だと宮崎駿氏は自身の著書で述べている。大人になって再びその世界を訪れても、そのメッセージは変わらない。そして「永遠にその王国は滅びることはない」。 初めて『プーさん』を日本語で読み聞かせ夢中になってくれた犬養家の子供達。同じく「プー」の物語を子供のように喜び早逝していった女友達。石井さんの中には、きっと自分以外の「子供」の存在も棲みついていたんじゃないかな。 読後、どういうわけか自分は泣いていた。 戦後の混乱期を経て自分が好きなことを好きなだけ追求し、大往生なさったことへの安堵からか。自身が心に描く「子供達」に、良い作品をもっと届けたかったという想いを感じ取ったからか。 不思議な残響がこだましていて、しばらく忘れられそうにない。 猫丸(nyancomaru)さん、改めて素晴らしい一冊を紹介してくださりありがとうございました!!
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尾崎真理子さんの評論、ようやくこの本を読むことができた。谷川俊太郎さんの評論も素晴らしかったが、石井桃子さんのこれはさらにスケールの大きい評伝になっている。 膨大な文献とインタビューに裏付けられているが、尾崎さんの文章は、決して資料の中で、読み手が迷子になることがない。緻密で計算...
尾崎真理子さんの評論、ようやくこの本を読むことができた。谷川俊太郎さんの評論も素晴らしかったが、石井桃子さんのこれはさらにスケールの大きい評伝になっている。 膨大な文献とインタビューに裏付けられているが、尾崎さんの文章は、決して資料の中で、読み手が迷子になることがない。緻密で計算された構成のためと思う 石井桃子とは何者であったのか、編集者、農業実践者、翻訳者、創作者・・・子供のための絵本や物語を書く人、と思っていた読者には、あまりに多くの側面に驚くはずだ。そして、作者がそれを解き明かすことは、決して簡単ではなかったはずだ。 彼女がいなければ、今のかたちで日本に優れた外国の児童文学はもたらされることはなかったし、それを読んで育った人たちの、新たな文化・芸術活動を生み出すことはなかったと、私でもそれくらいは言えるだろうと思う。 岩波少年文庫の発刊と、慣れ親しんだ瀬田貞二、いぬいとみこ、渡辺茂男、のちの中川李枝子や松岡享子との繋がりもよくわかって、とても嬉しかった。 多くの謎を秘めた人生と、驚きのエピソード、仕事についての多くの検証と考察もふくめた内容は、最後まで引き込まれた。 2015年 芸術選奨文部科学大臣賞受賞 第34回新田次郎文学賞受賞 平成27年度宮崎県文化賞(芸術部門)受賞 2016年 度日本記者クラブ賞受賞 第46回大宅壮一ノンフィクション賞候補
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101年という作者の年齢と時間の長さと同じように 読み終えるのに時間がかかってしまったけれど、 ようやく。。 石井さんの生きた時代に英訳をするということが どのようだったのか、 その辺りに興味があったのだけど、 あまり深くは触れておらず、残念。
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