1,800円以上の注文で送料無料

なぜ日本の公教育費は少ないのか 教育の公的役割を問いなおす
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

なぜ日本の公教育費は少ないのか 教育の公的役割を問いなおす

中澤渉(著者)

追加する に追加する

なぜ日本の公教育費は少ないのか 教育の公的役割を問いなおす

定価 ¥4,180

2,255 定価より1,925円(46%)おトク

獲得ポイント20P

在庫わずか ご注文はお早めに

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 勁草書房
発売年月日 2014/06/21
JAN 9784326653881

なぜ日本の公教育費は少ないのか

¥2,255

在庫わずか
ご注文はお早めに

カートに追加するカートにいれる

商品レビュー

3.3

4件のお客様レビュー

レビューを投稿

2022/07/03

公教育費が高くなる構造について、教育メインの話で分析するのかと思ったら、政治学的な話から行政サービスとしての教育にアプローチする本だった。読み飛ばしたからかもしれないが、そもそも公教育とはどのような範囲を指すのかとかが途中でわからなくなってしまったし、教育の歴史から政治学的な選...

公教育費が高くなる構造について、教育メインの話で分析するのかと思ったら、政治学的な話から行政サービスとしての教育にアプローチする本だった。読み飛ばしたからかもしれないが、そもそも公教育とはどのような範囲を指すのかとかが途中でわからなくなってしまったし、教育の歴史から政治学的な選挙の考察などなどが挟まれるので、要所要所では面白いのだが、全体の問いとその解答を把握するには、私にとっては難しかった。(結局全ての内容を理解し切れたとは言い難い。) この本の中でよく言及されているのが、行政サービスを受ける側の国民の態度。負担無しにはサービスは受けられないのに、税負担への忌避感が大き過ぎる。公務員の数からしても、小さな政府レベルの数なのに、さらに無駄を削減する、公務員批判の姿勢が強い。(確かに、部分的には無駄が報道されることもあるが、あくまで部分的なものである。更に、合理的な目標を達成するには、官僚組織にならざるを得ないのに、その組織自体を批判する) 今の規模で行政サービスを受けるには、負担増は避けられないのだから、各政党も総花的な政策を標榜するよりも、負担の根拠や何に使われるか、を分かりやすく国民に説明するべきである。というのが主張されている。 だが、個人的にはそれはあくまで政党の理想であって、そのような政党が現れることはないと思っている。明確な支持基盤があって、政党と支持者双方の信頼関係が構築されていれば、上記のような負担のあり方ををはっきり明言することが出来るだろう。しかし、無党派層が多く、政党との信頼感が築かれていない環境では、そのような政党運営は無理があると考える。 また、本書の主題である教育費については、「教育費は個人で負担すべきである」という意識が強いからということも、主張されている。そもそも、入試というのは、あたかも誰でも、平等な時期に、平等な条件で受けられるからこそ、落ちれば努力不足、自己責任という結論に至りやすい。だからこそ、入試当日以外におかれた家庭環境などのバックグラウンド環境を隠蔽する。 さらに、上記でも述べていたように、公教育を受ける国民たちが、全ての国民とは限らない(特に子供の有無など)から、行政サービスでそれらを負担するという合意を形成するには至らないのである。ど主張されている。 (個人的には、この主張は的を得ていると思う。) あとは、教育費負担を増やさないような「小さな政府」のあり方についても、そもそも「小さな政府」を志向するのであれば、政府で救い切れない部分は、「家族」「連帯」といったものに頼ることになる、というのも興味深い主張だった。 税金を減らして、全て市場原理に任せれば良いのではないかというのが「小さな政府」ではなく、救い切れない部分はある意味ナショナリスティックで、前時代的な部分に頼ることになるのである。それは今の日本の状況を考えれば、どうあがいても難しいだろう。 ともすれば、我々は政府を自らと引き離して考えているが、我々もその一員である。何のために政府があるのか、何のために我々は税金を払っているのか、そうしたことを今一度考え直さないといけないのかもしれない。

Posted by ブクログ

2022/03/20

教育がどのように制度として位置づけられているかの本 教育の成り立ちや必要性、どうしてお金が回らないか、政治の姿勢などを海外を含め広くまとめている。幅広いし深いしいい本だけど流石に疲れる 後結論としてはどうしようもないとして悪い相手を探しているようになっている。 教育の目標①民主...

教育がどのように制度として位置づけられているかの本 教育の成り立ちや必要性、どうしてお金が回らないか、政治の姿勢などを海外を含め広くまとめている。幅広いし深いしいい本だけど流石に疲れる 後結論としてはどうしようもないとして悪い相手を探しているようになっている。 教育の目標①民主的平等、良き市民の育成②社会的効率性、労働者として社会に役立つ③社会移動、競争選抜 教育は平等化とともに差別化の役割となる 高等教育への投資は結果的に高所得層への還元となる 自由主義に任せると富裕層の好きなところにしかお金が回らず分断が進む 教育は対処ではなく投資で効果が見えにくい

Posted by ブクログ

2021/12/05

日本において、インフレと並行した学費値上げは高度成長と軌を一にしていたため、教育費負担を家庭に転嫁し、いわば「自助」化することに成功してしまった。公教育費の拡充を求めるのに政府・与党・大企業を仮想敵とするのは不適切で、むしろ公教育の生む正の外部経済性(まさに「公共性」!)を正しく...

日本において、インフレと並行した学費値上げは高度成長と軌を一にしていたため、教育費負担を家庭に転嫁し、いわば「自助」化することに成功してしまった。公教育費の拡充を求めるのに政府・与党・大企業を仮想敵とするのは不適切で、むしろ公教育の生む正の外部経済性(まさに「公共性」!)を正しく認識し、教育費負担は私の領域ではなく公の領域で担うべきという民意を醸成していくべき。 このような論旨が、極めて丁寧な展開で論述され、さながら博士論文のよう。基本文献の引用が豊かで、教育費負担をトピックとして社会学・政治学・経済学・近現代史の基本をおさらいできる。

Posted by ブクログ

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品