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宮﨑駿ワールド大研究 宝島SUGOI文庫
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宮﨑駿ワールド大研究 宝島SUGOI文庫

別冊宝島編集部(編者), 山川賢一, 宮崎駿研究会

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宮﨑駿ワールド大研究 宝島SUGOI文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 宝島社
発売年月日 2014/06/05
JAN 9784800228062

宮﨑駿ワールド大研究

¥330

商品レビュー

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2020/06/20
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※このレビューにはネタバレを含みます

監修の山川賢一、ツイッターで東浩紀にウザ絡みするポストモダン嫌いの厄介オタク。 ポップカルチャーを社会学や現代思想に接続して時代を批評する、といえば、まあ納得。 そもそも社会学にはメディア論が含まれ、だから吉本隆明はテレビをよき題材にしていた。 が、ポップカルチャーに着目するという手法であるというていをとって、結局は自分の好きなモノ語りに堕してしまうケースがある。 だって自分は時代をこう読むという結論ありきで、そのときの流行を引っ張ってきてしたり顔、なのだから、もはやどう分析するか・何を引用するか・どう表現するか、だけの問題になっているのだ。 てめーのことを言っているのだよ、宇野くん。 んで山川賢一も宇野やら東やらがギスギスしている中の賑やかしだろう。 と、なぜか四方八方に憤懣を投げてしまった。 さすが雑誌を文庫に直しただけという経緯の本だけあって、ごった煮。 章ごとに編年形式にしようとしたり、諦めたり、前後でも執筆者が異なって、それぞれの文の癖もあるので、粗雑な同人誌レベル。 ただしそれだけに、一冊まるごと捨てたもんでもないので、気になったところだけ抜いてみる。 ・日本嫌いのひ弱な少年は、劣等感を埋めるために、理想ヴィジョン……社会主義、照葉樹林……への没入と、現実肯定とを、往還運動。 ・ナウシカは、手塚治虫的ペシミズムに陥らない「ジャングル大帝」なのでは。共通点多い。 ・宮崎ー5歳ー高畑勲ー5歳ー大塚康生。彼らが東映時代に、手塚がアトムでリミテッド・アニメ、アニメーター賃金や労働条件の低下を招いた。業界への火種だけ残して虫プロ倒産。 ・全編通じヒロインがメタモルフォーゼし続ける、ハウル、ポニョ。 ・面白さに重要なのは、作り手がそのテーマについてどれほど考えたかであって、思想的結論が正しいかどうかは些細。初期、自然VS人間・科学・独善。しかし後期、危険なのは技術ではなく人々の夢だ。 ・コナンは怒りは持つが殺意は持たない少年。漫画ナウシカにはあえて殺意を持たせている。もうコナンやラナのような無垢な子供ではない。闇を持ち、無垢という理想像を破壊するための試み。 ・声優に求める「ぞんざいさ」。 ・レプカ、ムスカはまあ素朴な悪。その後漫画ナウシカでミラルパでそれを完成させた後は、ナムリス、庭の人造人間、滑稽ながら知的で貫禄のあるヴ王、といった悪役像の引き出しの多さ。さらにチヤルカとかジコ坊とか。 ・素朴な自然賛美→懐疑:自然愛とは人間嫌悪の裏返し?→安息→失恋:自ら生み出したポニョという自然に裏切られるフジモト。ここで、自然への思い入れは一方的で空回りだった、「自然と人間が和解できないんじゃない、おれが人間と和解できないんだ!」 ・社会主義に関連して。庭の番人が言うことは、誰もハイハーバーにはたどり着けないのだ、ということ。墓所の主へのナウシカの反論は、マルクス主義への批判。 ・堀田善衛の「広場の孤独」……コミットを逃れるためアルゼンチンへ行きたいと夢想、しかし渡航費用をもらったのに、闇ドルを焼いてしまう……ここで生きていく。「方丈記私記」……平安の屋敷の築地塀に囲まれて外界の騒乱に目を向けず歌を詠んでいた貴族、これってナウシカの庭だ。エヴァの第三新東京市も。シンジはコミットできない人間。 ・ナウシカのラスト、自分の内なる闇を受け容れたとき、自分があやまちを犯したときに誰かが自分を打倒しに来る、その運命は甘受すべきだ。革命の繰り返し。 ・文明対自然という構図自体、宮崎が作り出した観念的枠組みに過ぎなかった(ポニョが電気やガスに大喜び)。ナウシカ漫画ラストの反復。 ・堀越二郎、当事者でありつつ非当事者性も持っている。世の中大変だけど、どっかよそ事感もあるよなあ。「青空……足元には廃墟」と切通理作本の帯。 ・人がいない世界へ惹きつけられている、ポムじいさん。 ・日本自然主義文学における自然は、大自然とか植物とかではない、人間が運命にあらがえない無情な在り方を自然と呼んでいる、これも宮崎の自然観にフィットしている。 ・風立ちぬは直接戦争を描くというよりは、兵器開発もアニメ開発も含めたモダニズム全般についてのコミットメントを描く。

Posted by ブクログ

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