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古典和歌入門 岩波ジュニア新書
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古典和歌入門 岩波ジュニア新書

渡部泰明(著者)

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古典和歌入門 岩波ジュニア新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2014/05/01
JAN 9784005007752

古典和歌入門

¥880

商品レビュー

4.3

6件のお客様レビュー

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2024/02/06

万葉集や新古今和歌集などから和歌を四季、恋、雑、祈りのジャンルごとにピックアップし、現代語訳を付して解説したもの。とてもわかりやすいし、歌人のバックグラウンドや歌が詠まれた状況の説明なども丁寧で、おかげで和歌がますます好きになる。

Posted by ブクログ

2022/11/13

〇新書で「学校生活」を読む⑬ 渡部泰明『古典和歌入門』(岩波ジュニア新書、2020〔第4刷〕) ・分 野:「学校生活」×「国語科」 ・目 次:  はじめに――ようこそ、和歌の世界へ  Ⅰ.四季  Ⅱ.恋  Ⅲ.雑――世の中・人生  Ⅳ.祈り  あとがき――和歌の一生 ・総...

〇新書で「学校生活」を読む⑬ 渡部泰明『古典和歌入門』(岩波ジュニア新書、2020〔第4刷〕) ・分 野:「学校生活」×「国語科」 ・目 次:  はじめに――ようこそ、和歌の世界へ  Ⅰ.四季  Ⅱ.恋  Ⅲ.雑――世の中・人生  Ⅳ.祈り  あとがき――和歌の一生 ・総 評  本書は、著者が「これこそ和歌だ」と選んだ48首について、その魅力や味わい方を解説した本です。著者は東京大学大学院の教授で、和歌文学を専門とする研究者です。  わずか31字で構成される「和歌」ですが、昔の人たちは、自分の作品が勅撰和歌集(天皇や上皇の命令で編纂された和歌集)に掲載されれば、千年後も二千年後も残るだろうと確信しており、だからこそ、文字通り命を削って和歌づくりに励んでいました。この本で取り上げられている和歌の大半も勅撰和歌集に掲載されていたもので、わずか31の文字によって様々な世界が描かれています。この本を読んで面白いなと思った点を、以下の3点にまとめます。 【POINT①】冬枯れの 森の朽ち葉の 霜の上に 落ちたる月の 影の寒けさ(藤原清輔) 〔冬枯れとなった森の下に積もった朽ち葉には、一面に霜が降りている。その霜の上に落ちている月の光の、何と寒々したこと〕  この歌が面白いのは、その大半が名詞で構成され、活用する言葉は「落ちたる」だけという点です。しかし、この「落ちたる」が重要なのです。冬枯れで、森の葉が「朽ち葉」となっているからこそ、月の光が森の下の土(霜)まで「落ちて」くる。葉が茂る夏や秋だと見られない、まさに「冬」だからこその光景と言えます。冬は「人間的なぬくもり」を寄せつけない季節とされ、月の光にも同じような性質があるとされてきました。だからこそ、冬は美しいものなど何もない季節だが、月光だけは美しい――『源氏物語』にも書かれている、日本の「美意識」を具体化したような歌であると著者は指摘しています。 【POINT②】死ぬばかり 嘆きにこそは嘆きしか 生きて問ふべき 身にしあらねば(小式部内侍) 〔死にそうなくらい嘆きを重ねました。生きてご病状をお尋ねできる身ではないので〕  この歌は、夫の藤原教通が病気だった時に見舞いの手紙を送らなかったことに怒った際、妻の小式部内侍が詠んだ歌です。ここで重要なのが「生きて問ふ」の一節です。当時は一夫多妻制で、教通の正妻は位の高い貴族の娘だったので、小式部内侍が「生きて」いるうちは、簡単には一緒に居られない身分でした(当時の夫婦は別居が普通でした)。そして「生きて問ふ」と言う以上、同時に死も想定されており、あなたが死んでいたら、私も嘆きのあまり死んでしまうので、あの世では一緒になれるでしょう……と返すのです。この歌を聞いた教通は、すぐに彼女を許したそうです。それだけ男心に刺さる歌だったのでしょう。 【POINT③】 わが君は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで(よみ人知らず) 〔私の大事なあなた様、千年も幾千年も長生きしてください。小石が成長し大岩となって、そこに苔が生えるまで〕  この歌は、日本の国家(君が代)の「元ネタ」となったもので、大切な「君」の長寿を祈る歌です。その表現が面白く、まずは「さざれ石」(小石)が「巌」(大岩)になるという、非現実的な――あるいは「神話的な時間」を示した上で、次に「苔が生える」という、長いと言っても十分人間が体験できる範囲の時間を示しています。その背景には、現実の人物を祝う際、神話的(非現実的)な時間の後に現実的な時間を示すことにより、前者も“現実のものではないか”と錯覚させる効果があると言います。即ち、人間にとって想像の産物でしかない「永遠」を、現実のものとして感じさせる工夫があると著者は指摘しています。  著者によれば、和歌は「現実をそのまま再現する」のではなく、むしろ、現実には簡単に得られないような「理想的な状態」を追い求めるものだと言います。例えば【POINT①】の歌を詠んだ後、ふと冬空の月を見上げれば、千年以上も前に「理想」とされた月の光に思いを馳せることもできるでしょう。今も昔も変わらない、私たちの「理想」を考える上で、和歌は非常に重要なアイテムになるはずです。最後に、私が一番気に入った歌を引用して終わりたいと思います。 人の親の 心は闇に あらねども 子を思ふ道に まどひぬるかな(藤原兼輔) 〔親というものは、心が闇だというわけでもないのに、子のことを思うと迷子になってしまうのです〕

Posted by ブクログ

2022/07/27

中高生向けのレーベルだが内容は驚くほど深くて、東大に入れない身でもここまでの話を聞くことが出来て、本当に良い時代に生まれたと深く感じる。 歌が詠まれた背景や歴史、詠んだ人の人柄や文法などまで語りかけるように教えてくれて、すぐそばに先生がいて話を聞いているようだった。 また、今まで...

中高生向けのレーベルだが内容は驚くほど深くて、東大に入れない身でもここまでの話を聞くことが出来て、本当に良い時代に生まれたと深く感じる。 歌が詠まれた背景や歴史、詠んだ人の人柄や文法などまで語りかけるように教えてくれて、すぐそばに先生がいて話を聞いているようだった。 また、今まで問題集を解く時には気付かなかったポイントも、文法の説明と共にさらりと書かれていて、急に頭の中で繋がったように感じて驚いた。 それから、私は百人一首の曾禰好忠の歌が好きなのだが、ここでは、 鳴けや鳴け蓬が杣のきりぎりす 過ぎゆく秋はげにぞ悲しき という歌が取り上げられていて、そのまま読めば普通の内容に感じられるところを、作者自身が身体ごと虫になって虫の目で見た不思議な歌であること、パンクな人物であることなどが書かれていて、やっぱり曾禰好忠は感性が独特な人だと知り嬉しかった。

Posted by ブクログ

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