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常識哲学 最後のメッセージ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2014/05/15 |
JAN | 9784480843036 |
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常識哲学
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常識哲学
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2021.6.13市立図書館 アルコール依存症の治療過程で著者が最後にたどりついた、もっともつたえたかった哲学。筑摩書房で本にするつもりで準備を始めるも未完になっていたものに、補完する晩年の講演やブログ記事をあわせた一冊。 わかったつもり、思考停止状態で多用されている「常識」と...
2021.6.13市立図書館 アルコール依存症の治療過程で著者が最後にたどりついた、もっともつたえたかった哲学。筑摩書房で本にするつもりで準備を始めるも未完になっていたものに、補完する晩年の講演やブログ記事をあわせた一冊。 わかったつもり、思考停止状態で多用されている「常識」とは何なのかをときほぐし、考え抜き、改めて「常識」の有用さに気が付いた、というのが「常識破り」に生きてきたと自他共に認めるなださんの最後のメッセージとして言葉を尽くして語られている。 依存症の治療の現場で、禁酒や禁煙を継続しつづける困難を乗り越えるためには、意志薄弱と責めるようなことは逆効果でしかなく、やる気をひきだす声掛け、励まし合う仲間などもっと必要なものがある、という結論にたどりついたことから、「常識」と呼ばれるものの不確かさ、「偏見」との異同に気づくくだりが興味深い。ヨーロッパの近代哲学の宗教権威との闘い、神からの解放・独立のあたりは、安野光雅や森毅の著作も思い出す。男女差別とヒステリー、グローバル化に伴う精神病のグローバル化など、なるほど一理あるなだ仮説はおもしろく、「〜教」「〜主義」「〜中毒」と訳し分けられる「イズム」をすべて「〜中毒/依存」で統一してはどうか、という主張もなかなかいい線をいっていると思う。 多文化共生、他人と少しでも分かり合うために、自分の世間の「常識」「当たり前」を疑うことの大切さ、ものごとの相対性に気がつく必要が身にしみる昨今、ふと気がつけば「常識のアップデート」はもう当たり前のような言い回しになっている。いや、そう思っているのはまだ一部の少数派だけで、まだまだ自分の常識を振り回すマチズモに支配されているのが現実か。
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なだいなだ先生の最後のことばとなつてしまつた。 おそらく、この常識といふものに対して、まだまだなだいなだ自身、自分のことばとしてかみしめてゐた途中であつたのだらう。彼が識を使はずになんとこのことばを表現するか。これは生きてゐる精神のバトンだ。池田某なら、これをあたりまえといつただ...
なだいなだ先生の最後のことばとなつてしまつた。 おそらく、この常識といふものに対して、まだまだなだいなだ自身、自分のことばとしてかみしめてゐた途中であつたのだらう。彼が識を使はずになんとこのことばを表現するか。これは生きてゐる精神のバトンだ。池田某なら、これをあたりまえといつただらうか。 狐憑きがなくなり、うつ病や発達障害が途端に増えていつたやうに、常識もまた、時代の中で作られ、また移らふ。偏見の塊とはそれはそのひとの他ならない経験だ。そして、脳みそはさうした経験を情報としてシステム化する。余計な二度見をしないやうに情報としてパターン化する。精神の病は、さうした常識のはざまで生じるのではないだらうか。 著しい同一化は排他と選別を要求する。そして、変化を認めない。変化に一層弱くなる。排除に排除を重ねれば、やがて何も住めなくなる。本来人間の共通理解として良識と呼ばれたものが、ただの情報に成り下がる。おそらく、小林秀雄となだいなだの常識への差異はここら辺の違ひがあるのだと思ふ。良識さへも情報としてとつて付けた取り交せるものとなつてしまつてゐるのだ。 精神の病とはある意味でさうした常識への再考を促すものではなからうか。常識や経験、偏見は確かにそれを獲得する以前に戻ることはできない。一度獲得した以上不可逆的なものだ。しかし、それを変へられないといふわけではない。別の経験、常識を再び取り入れられないといふわけではない。今日から始めれば、明日は少し変はるかもしれない。 精神の病に向かふ時、この常識への変化を支へ続けることに必ずぶつかる。治せなくても、看護は、手当てはできる。
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83歳になられたなださんが、母校での講演の際に話し足りなかった草稿をもとに書かれたもの。哲学者カントの”何をなすべきか”という命題を引用しながらなださん自身の哲学を考察し、アルコーリズムという病気に臨床で向き合い続けてきた経験をもとに、”常識”というものを再考している。 ”今を...
83歳になられたなださんが、母校での講演の際に話し足りなかった草稿をもとに書かれたもの。哲学者カントの”何をなすべきか”という命題を引用しながらなださん自身の哲学を考察し、アルコーリズムという病気に臨床で向き合い続けてきた経験をもとに、”常識”というものを再考している。 ”今を生きるものが持つに至る哲学の中に生きてこそ、古典の哲学も生きるというものだ”
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