地球進化 46億年の物語 ブルーバックス

ロバート・ヘイゼン(著者), 渡会圭子(訳者), 円城寺守

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2014/05/22
• JAN: 9784062578653

商品レビュー

2024/10/01

太陽系・地球の誕生から、地球がどう進化してきたのかを、46億年分、これまでの研究の知見から、または仮説から教えてくれる本でした。

また、地球の進化のダイナミックな原理は、今、この生きている地球上にも働いていて、この先もプレートは動くし、火山は噴火するし、小惑星も衝突するし、昨日や明日の時間的に感覚を重視している私達には想像しがたいことではあるけど、生物の大量絶滅の危機に瀕することは、何万年の単位で見れば当然のことであることがよく分かる。

そして、地球に暴走的な正のフィードバックが働いてしまうようなことはこれまでも何回もあって、環境の大変化があったことは示されており、近年の人類の活動が発端の二酸化炭素やメタンによる温暖化は、転換点を超えた時、正のフィードバックがかかり、戻る事のできない変化を迎えることになる。

地球にとって、生物の大量絶滅はなんら問題ではなく、人類にとって、できるだけ長く地球で幸せに暮らしていくためにどうしなければいけないのか、この地球史から突きつけられる。

専門的な知識はなくても読みやすいと思いますが、特に化学の基礎的な教養がないとちょっとしんどいかもしれません。私は細かいところは理解できていないと思うので、また読み直したいです。

生物とは何かとか、人類がこうしていることの不思議とか、他の惑星の生命の存在とか、これからの地球のこととか、色々と考えさせられます。
億単位の時に比べると、歴史上の過去の人々も身近に感じます。

科学的に地球のこれまでの歴史を知って、人類の立ち位置を考えることができると思うので、とてもいい本です。

2024/01/04

「鉱物と生物の共進化」を解く第一人者の一人が、その考え方に基づいて地球史を語る一冊。

鉱物なら無機化学、生物は有機化学、というのはほんとに昔の話になってるんだなぁ、と。

例えば放射性同位体比で生物の生きていた時代を同定する、とかいうレベルは昔の話だし、
水がないと地球の多くの鉱物はできない、みたいな実験岩石学的な蓄積も地球史の解析に使われている。

ただ、各々の実験や観察はとんでもなく難解な理論で成立しているのかというとそこまででもない。
あくまで観察と閃きの産物であることは興味深かった。

例えば恐竜絶滅のような変化した時代ばかりが目立ちがちですが、それは他の「一見何も無かった」時代は働いていた、負のフィードバックが働いていたがそういう時代には働かなくなったパターンが多いらしいことも知り。

ちょっとしたバランスの崩れが、生態系(というか生物─岩石系)に大きな変化をもたらしてきたことを再確認できた。

すごく刺激には富むけど、決してむつかしくはない一冊。もっと早く読んでおくべきだった。

2021/12/15

・宇宙進化(宇宙のエンドゲーム)に続く，時間空間スケールの大きな物語。
・生物と無生物の共進化の物語。
・月の発生原因について初めて知った。