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亡命知識人たちのアメリカ
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亡命知識人たちのアメリカ

前川玲子(著者)

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亡命知識人たちのアメリカ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 世界思想社教学社
発売年月日 2014/05/01
JAN 9784790716235

亡命知識人たちのアメリカ

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商品レビュー

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2024/08/17

全体主義関係の本を読むなかで、ナチスの迫害からアメリカに逃れた知識人が、アメリカにどう影響を与えたり、アメリカからどう影響を受けたりということに興味が出てきたので読んでみた。 そういう興味の出発点は、やはりハンナ・アーレントなわけだが、この本では、1章をアーレントに当てている。...

全体主義関係の本を読むなかで、ナチスの迫害からアメリカに逃れた知識人が、アメリカにどう影響を与えたり、アメリカからどう影響を受けたりということに興味が出てきたので読んでみた。 そういう興味の出発点は、やはりハンナ・アーレントなわけだが、この本では、1章をアーレントに当てている。最初に思いつく視点は、「エルサレムのアイヒマン」に関して生じたアメリカにおけるユダヤ人、亡命ユダヤ人知識人との関係などを取り扱うというのがであろうが、「革命について」と「リトルロックに関する考察」を取り上げて、分析しているところが興味深い。つまり、アーレントとアメリカ社会との複雑な緊張感のある関係性について深めているということ。この論考は、なかなか深いもので面白かった。 あとは、マルクーゼが面白かったかな?いわゆる新左翼のイデオローグという印象がある人だが、元々は地味な研究者で戦時中そして戦後もしばらくはアメリカ政府のもとでドイツ関係の情報分析などをしていた人。そんな人が歴史な流れの中でなぜかヒーローになってしまう。その変化に戸惑いつつ、一定の距離をとりつつも、新左翼の学生たちのディスカッションを通じて、そこから影響を受けているという相互関係が面白い。高齢になってもそうしたことができる柔軟性に感じるところがあった。 特に印象的なのは、この二人のところだが、実はこのあたりは本の終盤で出てくる話。 この本は、30年代から70年代くらいまでを中心に亡命知識人とアメリカ社会との相互関係を論じるという構成になっている。年代ごとに分けることによって、当時の国際政治の状況、アメリカ社会の動向との関係で、亡命知識人とアメリカの関係を議論していこうということ。 そうした中でも、テーマやアメリカの地域による差もあり、知識人のスタンスの違いもあり、大きな多様性が生まれてくる。その多様性を大切にしつつ、時代ごとの変化を紹介していく展開は発見が多かった。 一方、一つ一つのテーマの掘り下げはもう少し欲しい感じもして、もう少し時代を狭めて、たとえば30~50年代くらいまでにして、もう少し亡命ユダヤ知識人とアメリカというふうにした方が、良かったのではないかとか思った。 というか、その辺りが私の興味ということかな? その辺りは別の研究がすでにあるのかもしれないので、もう少しこのテーマの本を読んでみることにする。 あと私の個人的な興味関心では、レヴィ=ストロースとか、ハンス・モーゲンソーあたりの話しがもう少し知りたかったかな?

Posted by ブクログ

2015/12/20

1933年9月にハーバード大学学長に就任したコナントは「ドイツは卓越した知性と科学的業績のモデルであると考えるドイツびいきの化学者」だった 。1930年代、ハーバード大学をはじめとするアメリカの大学の主要な関心は、ドイツを去った主にユダヤ系の亡命知識人の支援よりも、ナチス台頭後の...

1933年9月にハーバード大学学長に就任したコナントは「ドイツは卓越した知性と科学的業績のモデルであると考えるドイツびいきの化学者」だった 。1930年代、ハーバード大学をはじめとするアメリカの大学の主要な関心は、ドイツを去った主にユダヤ系の亡命知識人の支援よりも、ナチス台頭後の混乱の中で、ドイツの大学との友好的関係をいかに維持するかに向けられていた 。

Posted by ブクログ