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愛書狂 平凡社ライブラリー811
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 平凡社 |
発売年月日 | 2014/05/12 |
JAN | 9784582768114 |
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愛書狂
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商品レビュー
3.8
9件のお客様レビュー
面白かったけど、どうしても本を読みものというよりは骨董品?みたいな扱いなので古本屋で買っちゃって重いということとか、箔押しすばらし〜みたいなところしか感情移入できなかった……本が好きな人とはまた違うんだな〜
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街を歩くたび、内的衝動に突き動かされるままに書籍を買い漁り、リュックに詰め、いよいよ肩がいかれるぐらい重くなるとも、依然眼光鋭く書店を這いずり回り、だいたい五冊ほど抱えてレジに向かい、購える品がリュックに入らないとなれば、マイバッグを展開し、それでもまだ財布に紙幣の残存してあるの...
街を歩くたび、内的衝動に突き動かされるままに書籍を買い漁り、リュックに詰め、いよいよ肩がいかれるぐらい重くなるとも、依然眼光鋭く書店を這いずり回り、だいたい五冊ほど抱えてレジに向かい、購える品がリュックに入らないとなれば、マイバッグを展開し、それでもまだ財布に紙幣の残存してあるのを見てとれば、宵越しの銭は云々と理屈をつけて次の肆へ殺到し、あるいは財布に紙幣なかりせば呆れつつ銀行に足を運ぶ、次と、その次と、その次と本を買い続け、家に帰っていささか悲しくなり、装丁を撫で、数頁ときに数十頁読むうちにまた読みたい本が心に浮かんで、ブクログに登録して、眠りに就き、夢のなかで街を歩く。
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生田耕作が編んだ19世紀フランスの「愛書小説」集(ただしイギリスの作家の作品も一つ含む)。「愛書小説」なる分野が存在していたことに驚く。19世紀フランスはビブリオマニアの黄金時代であったという。 □ 本書所収の作品では、書物への愛は、「文学への関心とは別個に、書物をそれ自体独...
生田耕作が編んだ19世紀フランスの「愛書小説」集(ただしイギリスの作家の作品も一つ含む)。「愛書小説」なる分野が存在していたことに驚く。19世紀フランスはビブリオマニアの黄金時代であったという。 □ 本書所収の作品では、書物への愛は、「文学への関心とは別個に、書物をそれ自体独立したものとして観賞する、すなわちその外的形態、用紙、印刷、装丁などを愛で、もっぱらその造形的美しさ、稀少性、保存程度などに書物の価値基準を置く」ブルジョア的な俗物趣味の一変種として描かれている。登場する愛書家たちの心性も、ありふれた近代人そのもの。 「虚心に我々の良心に照らし合わせてみるならば、如何に純粋なものであれ、およそ趣味[マニア]と名がつくからは、物欲、贅沢、思い上がり、執着、義務への怠慢、隣人への蔑み、こうしたものをすべて含んでいるとは言えないだろうか。さよう、これら禁断の果実を摘み取る連中のうち誰か一人でも見かけたおりには、その悦楽時の瞳を窺ってみるがいい、そこには賭博師の激情や放蕩者の横暴さにも似たなにものかが見出せないだろうか」 「彼の言う〈罪のない趣味〉は実際には地獄堕ちの大罪をほとんど一つ残らず、いずれにしたところでそのうちの現在にも通用するものを数多く含んでいたからだ。例えば隣人の蔵書を欲しがったことがないとはいえない。その機会があれば本を安く手に入れ、それを高値で売り払い、文学を商売の位置[レベル]にまで引き下げたこともある。本屋の無知に付け込んだことも。嫉み深く、他人の幸運を怨み、失敗を喜ぶ。貧窮の訴えには俄か聾をきめ込む。贅沢好きで、自分一人の楽しみに分不相応な金を費やし、古いアランソン編みのレースなどを頭に描いて空しく嘆息する夫人を尻目に、度々モロッコ革を使って本を飾り立てる。貪欲で、傲慢で、嫉み深く、吝嗇で、そのくせ浪費家で、おまけに取り引きにかけては抜け目なく、・・・。」 本格的な近代社会の到来を目の当たりにした19世紀フランス文学の感性に馴染んだ描かれ方とでも云おうか。 □ しかし、書物の魅力はブルジョアの所有欲や蒐集欲を満たすだけのものではない。もっと根源的で形而上学的な何か、個人を超え出たヨリ大いなる《永遠客体》に通じていく何か、「高度の感覚」を伴う何かであるような気がしてならない。 収録されている物語は、書物への常軌を逸した偏愛ゆえに現実生活が破滅へ導かれるというものが多いが、そのような見世物を見るような視線で語られる筋書きを採ることによっては、書物という存在から導かれるあの不可思議な美的感覚の正体を捉えることはできないのではないか。19世紀フランス的な写実主義やロマン主義では表現しきれない何か、例えば20世紀のボルヘスを待たねばならぬような何か。 ほとんど他人事のようにしか読めなかった。
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