1,800円以上の注文で送料無料

オール・イン
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍
  • 1204-01-12

オール・イン

天野貴元【著】

追加する に追加する

オール・イン

定価 ¥1,361

605 定価より756円(55%)おトク

獲得ポイント5P

在庫あり

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 宝島社
発売年月日 2014/03/12
JAN 9784800219374

オール・イン

¥605

商品レビュー

4.1

13件のお客様レビュー

レビューを投稿

2025/01/07

冒頭で、この本はぼくにとっての長い「感想戦」のようなものかもしれない。と作者は言う。 感想戦というのは将棋の対局の後、勝者と敗者が局面を初手から振り返り、何処で形勢が傾いたのか、どの手が敗着だったのかを一手一手確認する作業。 これは当然のことながら敗者には苦痛以外の何ものでもな...

冒頭で、この本はぼくにとっての長い「感想戦」のようなものかもしれない。と作者は言う。 感想戦というのは将棋の対局の後、勝者と敗者が局面を初手から振り返り、何処で形勢が傾いたのか、どの手が敗着だったのかを一手一手確認する作業。 これは当然のことながら敗者には苦痛以外の何ものでもなく、メンタルを極端に削られる作業であるものの、これを疎かにして改善はなく、棋力の向上もない。つまり今よりちょっとでも強くなる為にはこれを蔑ろにはできない。 だから将棋指しは歯を食いしばり、悔恨と自分の弱さを詳らかにされる苦痛に耐えながら、自らの敗因について深く深く考察する。 奨励会という将棋の棋士を養成する機関の過酷さは、いろんなメディアや媒体によって世間にある程度知られてはいるけれど、全国各地に生まれるいわゆる天才少年が、天狗となって意気揚々と関東、あるいは関西の将棋会館に乗り込み、初めて自分と同じか、それ以上の超弩級のホンモノの天才たちと邂逅して、凄まじいショックと挫折感を味わうという意味で、非常に残酷なシステムである。 1987年以降、つまり羽生世代より後の現在のプロ棋士の先生たちは(棋士とはプロのことを言うので、プロ棋士という呼び方は実は誤りなのだが)例外はあるものの、この地獄の奨励会、三段リーグを勝ち抜いてきた選りすぐりの強者なわけで、青春のほぼ全てをかけて戦い抜いた彼らの背後には死屍累々、その十数倍の人数に及ぶ、志半ばで倒れたライバルの存在が。 いずれも彼らは小学生に上がる以前から天才だ、将来の名人だ、と周囲からもてはやされてきた子供たちなわけで、それを思うとこの将棋というゲームの魔力に改めて恐ろしさを感じるのだ。

Posted by ブクログ

2020/04/29

題名の「オール・イン」とは、カジノで有金を全て賭けて勝負すること。筆者は、将棋のプロ棋士を目指して、奨励会、三段リーグを戦い、結局はプロ棋士になれなかったという経歴の持ち主。将棋に全てを賭けたことを、題名が表している。 三段リーグには年齢制限がある。26歳までに四段、すなわちプロ...

題名の「オール・イン」とは、カジノで有金を全て賭けて勝負すること。筆者は、将棋のプロ棋士を目指して、奨励会、三段リーグを戦い、結局はプロ棋士になれなかったという経歴の持ち主。将棋に全てを賭けたことを、題名が表している。 三段リーグには年齢制限がある。26歳までに四段、すなわちプロ棋士になれなかった場合には、リーグを退会しなけらばならない。それは、基本的に、子供の頃からの目標であったプロ棋士になることを諦めることを意味する。 三段リーグを退会した筆者に追い討ちをかけるように、病魔が襲う。舌ガンのステージ4で、手術を余儀なくされ、舌を摘出してしまうことになる。 かなり壮絶な人生であるが、本書は、そういった経験を筆者が、割と淡々と、しかし、前向きに振り返りながら描いている。不思議に元気づけられる。 Wikipediaで調べてみたが、筆者はガンが再発し、その後、30歳の若さで亡くなられている。 ご冥福をお祈りいたします。

Posted by ブクログ

2018/09/16

オール・イン 天野貴元 2014年3月26日 第1刷発行 2018年9月16日 読了 11歳でプロ棋士の養成機関である奨励会に入会。16歳で奨励会の三段リーグに昇段。 この三段リーグで半年に一度、上位2名が四段となりプロ棋士になれる。 天才と言われプロにもなれる実力を持っていた...

オール・イン 天野貴元 2014年3月26日 第1刷発行 2018年9月16日 読了 11歳でプロ棋士の養成機関である奨励会に入会。16歳で奨励会の三段リーグに昇段。 この三段リーグで半年に一度、上位2名が四段となりプロ棋士になれる。 天才と言われプロにもなれる実力を持っていたはずの著者による赤裸々な手記本。 夢破れ敗者となった、光と陰で言うところの「陰」に立った一冊。 誰もかれもが華々しい成功をおさめているわけではない。特別になれなかった(負けてしまった)人にも人生がありその後がある。むしろ、世の中は多くの人がそうした人生を送っているのでないだろうか。 サクセスストーリーは人の心を魅了する物だけど、こうした「現実の厳しさと苦悩」に歯痒い思いをした実話は多くの人の共感を呼ぶものだと思う。 何よりも、著者は夢破れ年齢制限で奨励会を退会した後に、舌ガンというさらに厳しい現実を迎える。手術後からの闘病生活、自分が出会った将棋への想いについても語っている。そして、将棋普及活動への想い。そこには1人の「リアルな」想いが綴られている。 2015年10月27日。多臓器不全にて30歳という若さで逝去。 人それぞれ自分を省みる事が出来る本ではないでしょうか。良い一冊でした。

Posted by ブクログ

関連ワードから探す