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サリン事件 科学者の目でテロの真相に迫る
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東京化学同人 |
発売年月日 | 2014/01/01 |
JAN | 9784807908431 |
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サリン事件
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読んでよかった一冊。 著者のアンソニー・トゥー氏は、今年2024年11月に亡くなった化学者で、松本サリン事件の時、警察に協力した化学者だ。死刑囚である中川氏と四回の面会をしたことでも知られている。 この本は、その四回の面会での会話を交えて、サリン事件を解説した本である。とはいえ内...
読んでよかった一冊。 著者のアンソニー・トゥー氏は、今年2024年11月に亡くなった化学者で、松本サリン事件の時、警察に協力した化学者だ。死刑囚である中川氏と四回の面会をしたことでも知られている。 この本は、その四回の面会での会話を交えて、サリン事件を解説した本である。とはいえ内容はサリン事件そのものというよりも、化学兵器というものが恐ろしいことに身近な恐怖であることの赤裸々な告発である。 サリン事件、オウム事件というべきか……は、狂った教団の暴走の結果として『事件』として認識されていることが大体だが、実質的には『テロ』であって、世界を震撼させたものだ。それまで化学兵器は戦時に使われるものであって、平時、しかも町中で使われるという考えのなかったものだからだ。 被害者の多さ規模の大きさもあり、地下鉄サリン事件の方が記憶に強いが、転換期というかポイントであったのは松本サリン事件であったという。この事件があったからこそ、対応出来た部分もあったとのことだ。 このあたりの詳細は本を読んで欲しい。 ハードカバーの本であるが、頁数はそこまで多くはない。化学者の目で彼の事件を解説しているが、専門用語は少なく文章は平易で読みやすい。読了するのに時間は必要ないと思う。 ただ、それだけに読んでいるとうすら寒くなる。 『狂気』がここにはあり、声を出すこともままならないまま、理不尽に断たれた命がある。 忘れてはならない、風化させていけない事柄は、記録を残した人間が寿命を迎えることで、容易くかすれてしまう。 ひとりでも多くの人に、読んで欲しい一冊だ。
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1995年3月20日、ラッシュ時の東京の地下鉄で人々が次々に倒れた。数カ所でほぼ同時に撒かれた毒ガスによるものだった。地下鉄という閉鎖空間に放出された毒ガスは、死者13人、負傷者6000人余の甚大な被害をもたらした。 平和と見なされてきた日本の首都で起きた未曾有のテロ事件は、日本...
1995年3月20日、ラッシュ時の東京の地下鉄で人々が次々に倒れた。数カ所でほぼ同時に撒かれた毒ガスによるものだった。地下鉄という閉鎖空間に放出された毒ガスは、死者13人、負傷者6000人余の甚大な被害をもたらした。 平和と見なされてきた日本の首都で起きた未曾有のテロ事件は、日本国内だけでなく、世界にも大きな衝撃を与えた。 やがて、この事件が、その前年に起きた松本での毒物事件と同じ物質が使われたことが判明する。その名はサリン。有機リン系の神経毒である。 松本サリン事件で関与が疑われていた新興宗教・オウム真理教の施設に、強制捜査として警察が踏み込んだのは、地下鉄サリン事件から2日後のことだった。 本書はこのサリン事件を、化学者の目から解説するものである。 著者はヘビ毒が専門の毒物学者。台湾生まれのアメリカ人だが日本語も流暢である。 松本サリン事件の際に、化学誌「現代化学」に解説記事を書いたことがきっかけとなり、日本の警察に分析法について助言を求められる。その後、地下鉄サリン事件が起きた際にも、化学者の立場から事件解明に務めてきた。 特に、実際にサリン合成に携わった中川智正死刑囚との面会により、化学的な見地からの事件の検証に大きく貢献している。 本書自体は2014年の発刊だが、現代化学・2016年11月号には、本書と関連して中川死刑囚自身の手記が掲載されている。ご興味のある方は併せて読むことをお薦めしたい。 内容としては、化学兵器や生物兵器の基礎知識(構造式や作用機序、治療薬・予防薬)に始まり、教団がどのようにサリンに目を付け、どうやって合成・貯蔵したのか、また教団が他に使用した毒物に関する情報も記載される。一方で、捜査当局はどのように調査・分析を進めていったのかも明かされる。 当然と言えば当然だが、こうした化学テロは、民間で起こるとは考えられておらず、軍事使用が想定されていたものであった(サリンに最初に目を付けたのはナチス・ドイツであったという。実際に軍事使用されることはなかったが)。そのため、米軍の研究が先んじていた。サリン事件捜査には、米軍から提供された資料も参考にされている。 サリンの他に、教団が使用した毒物でよく知られるのはVXガスだが、実はこのガスは、著者の解説記事が発端となって作製されたという衝撃的な事実にも触れられている。著者は悪用を怖れて、ガスの生成法については省略した形でしか記載しなかったのだが、それでも合成は成功してしまったのだ。 元々、サリンの合成に関しても、一般書の簡単な記載から、試行錯誤の末、作製に成功している。ある程度の化学の知識とある程度の設備があれば、市販の試薬から、非常に有害なものが作れてしまうことに戦慄する。化学兵器が貧者の核兵器とも呼ばれる所以である。 化学者の著書らしく、明晰で読みやすい。化学テロ対策への示唆など、重要な指摘も多く、有意義な1冊であることは間違いない。 そうではありつつ、被害者を思い、オウム真理教事件の闇を思うと、暗澹とした読後感はぬぐえない。 著者が中川死刑囚の両親に思いを寄せる最後の一文も、人としての温かさを滲ませつつ、やりきれない思いが覗く。
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松本市で,そして東京の地下鉄で撒かれ多くの死者を出したサリンはどのように合成されたのか。松本サリン事件を受けて雑誌『現代化学』に解説記事を書き,警察の捜査にも協力した化学者である著者が,中川死刑囚とのインタビューも交えてまとめた本。 毒物の基礎から説き起こし,広く報道されたサリン...
松本市で,そして東京の地下鉄で撒かれ多くの死者を出したサリンはどのように合成されたのか。松本サリン事件を受けて雑誌『現代化学』に解説記事を書き,警察の捜査にも協力した化学者である著者が,中川死刑囚とのインタビューも交えてまとめた本。 毒物の基礎から説き起こし,広く報道されたサリンだけでなく,VXや,実際は使われなかったボツリヌス菌等の生物兵器,信者に使用するためのLSD等の違法薬物についてもそれぞれ一章を割いているのが良い。 自身が雑誌に寄稿した記事が,オウムによるVX合成のきっかけを作ってしまったという忸怩たる思いも吐露している。 『現代化学』94年9月号に掲載された『猛毒「サリン」とその類似体―神経ガスの構造と毒性』がそれで,これを読んだ土谷正美は(製法の記述は簡略化されていたが)すぐにVXが作れることを確信して実際に製造し,3人の死傷者を出してしまった。
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