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喪服の未亡人兄嫁【三十二歳】 フランス書院文庫
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喪服の未亡人兄嫁【三十二歳】 フランス書院文庫

小日向諒(著者)

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喪服の未亡人兄嫁【三十二歳】 フランス書院文庫

定価 ¥764

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 フランス書院
発売年月日 2014/02/26
JAN 9784829619896

喪服の未亡人兄嫁【三十二歳】

¥550

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2014/03/16

背徳のジレンマに憂い揺れ動く想い

タイトルが明言する通りに32歳の未亡人兄嫁をメインヒロインとし、亡夫(主人公の実兄)の一周忌を機に馳せていた想いが思わず炸裂してしまう大学一年生の主人公を軸とした姉妹の物語。そう、兄嫁の実妹として25歳のサブヒロインも登場するのである。ただし、がっつりな姉妹丼の直接的な官能描写は...

タイトルが明言する通りに32歳の未亡人兄嫁をメインヒロインとし、亡夫(主人公の実兄)の一周忌を機に馳せていた想いが思わず炸裂してしまう大学一年生の主人公を軸とした姉妹の物語。そう、兄嫁の実妹として25歳のサブヒロインも登場するのである。ただし、がっつりな姉妹丼の直接的な官能描写はなく、兄嫁の喪服姿も序盤のみである。 姉妹丼ないのか、喪服も最初だけか、な~んだ……と思うことなかれ。 本作を読むにつれ姉妹丼や喪服姿はさほど必要でもないことが分かる。 奔放ながらクールでデキる女(ということになっている)妹だが実はとても健気で一途な面があり、過去において主人公とは秘密がありながら、その秘密を得る背景となった想いを最後まで貫き通すイイ女である。 主人公が想いを寄せる兄嫁には亡夫への操があり、深く愛していただけに越えられない一線を人知れず悩んでいる。「人知れず」だから主人公にも気づかれずに、である。これが妹にはバレバレというところに可愛らしさもあるのだが、主人公からぶつけられる愛情にはつれなく返すことで主人公が頑なになり、そして頑なに責める、責めまくる。ここに官能的な醍醐味が醸されている。 官能スイッチが入ると言葉責めを交えて少々居丈高になる主人公にはやや鼻に付くところもあるが、責める男に困惑しつつも感じていく女という構図が姉妹ともに出来ており淫猥度はすこぶる高い。その場面こそ思いのほか多くないものの、ねっとりじっくり描かれる描写が補って余りあると言える。 亡夫(兄)が人として出来過ぎていたためにジレンマを抱えるストーリーとしての動きよりも、それによる内面を描く方向で味付けされた物語には最後の最後に妙味のある「終章」が用意されている。最終的に姉妹が共通の嫁(あるいは嫁らしき存在)になるのは「黒本」として定番的ではあるが、そこに至る「その後」を作品内のある種のリアリティによってきちんと描いていることである。あくまでも官能ファンタジーとして捉えなければならないが、時が経てばこうなるのか、という構図が描かれるのは新鮮でもあり、何もそこまで描かなくてもと思うか、これはこれでエエのぅ、羨ましいのぅと思うかは読み手に委ねられているのかもしれない。

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