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書物愛 海外篇 創元ライブラリ
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書物愛 海外篇 創元ライブラリ

ギュスタ―ヴ・フローベール(著者), アナトール・フランス(著者), オクターヴ・ユザンヌ(著者), ジョージ・ギッシング(著者), M.R.ジェームズ(著者), アンソロジー(著者), 紀田順一郎(編者)

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書物愛 海外篇 創元ライブラリ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2014/02/28
JAN 9784488070731

書物愛 海外篇

¥440

商品レビュー

4.3

5件のお客様レビュー

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2024/06/17

(借.新宿区立図書館) 19世紀~20世紀前半の西欧の短篇小説から書物に関連するものを選んだ編纂物。フローベール、アナトール・フランス、ツヴァイク等々けっこう有名作家の作品が入っている。当然小説としてのレベルも高い。 個人的にはギッシングの名が気になった。編者あとがきの「ヘンリー...

(借.新宿区立図書館) 19世紀~20世紀前半の西欧の短篇小説から書物に関連するものを選んだ編纂物。フローベール、アナトール・フランス、ツヴァイク等々けっこう有名作家の作品が入っている。当然小説としてのレベルも高い。 個人的にはギッシングの名が気になった。編者あとがきの「ヘンリー・ライクロフトの私記」の書名でなるほどと思い、次に読む本の候補に。そちらもちょっと楽しみ。

Posted by ブクログ

2014/06/01

・紀田順一郎編「書物愛」(創元ライブラリー)の 日本篇、海外篇の2冊を読んだ。書名通り、書物を愛する人々の物語のアンソロジーである。個人的には海外篇の方がはるかにおもしろかつた。日本篇は話が小さくていけない。例へば稲毛恍「嗤い声」は芥川賞、直木賞受賞作家の初版本狙ひに精を出す人々...

・紀田順一郎編「書物愛」(創元ライブラリー)の 日本篇、海外篇の2冊を読んだ。書名通り、書物を愛する人々の物語のアンソロジーである。個人的には海外篇の方がはるかにおもしろかつた。日本篇は話が小さくていけない。例へば稲毛恍「嗤い声」は芥川賞、直木賞受賞作家の初版本狙ひに精を出す人々の物語である。かういふ人もゐるのかと思ふ反面、何もそこまでしなくてもと思ふ。初版本で稼がうとするらしい。他には、巻頭の夢野久作「悪魔祈祷書」を初めとして古書関連が多いのだが、いづれも私にはリアルすぎて おもしろくない。現実の古本屋はかうなのだらうなと思つてしまふ。その意味ではさすが夢野久作だと思ふ。どこかにネタ本でもあるのかもしれないが、かういふのは日本篇ではこれだけである。それでもやはり、海外篇の諸作に比べるとおもしろみに欠ける。日本にも愛書家がゐるはずなのに、物語になるとそれがかく も小さくなつてしまふのかと思ふばかりである。最大の違ひは古書の種類、スケールであらう。海外篇の多くの書物は羊皮紙の手稿本の類である。日本ならば中古中世の古写本や光悦本等になるのだらうけれど、そんなものを追ひ求める愛書家といふのは作家の想像の埒外にしかゐないのかもしれない。 ・海外篇ではオクターヴ・ユザンヌ「シジスモンの遺産」は見事である。古書蒐集家の死後の騒動を描くのだが、それが半端ではない。主人公は相続人のオールドミスに求婚し、それを断られるや隣に転居して狙ふといふ有様である。かういふ熱狂は日本にはない。守るも責めるも狂の世界である。フローベール「愛書狂」も似たやうなものだが、こちらの方がスケールが小さい。そんなのに伍して、シュテファン・ツヴァイクが2篇入る。私はツヴァイクをほとんど知らないが、この2篇は優れた作品だと思ふ。「目に見えないコレクション」は書物ではなく版画蒐集家の物語である。第一次大戦後のインフレでそのコレクションの散逸する様を描く。それは本人には内緒で家族によつて行はれたから、本人は本物と信じて毎日コレクションを触覚で楽しむ。盲目だからである。ところがある日、それがばれさうになる……最後の一文、「あの古い真実の言葉を思いおこさずにはいられませんでしたーゲーテが言ったのだと思ひますがー、『蒐 集家は幸福である』と」(287頁)この皮肉にも痛切な言葉は日本篇の諸作のラストとは雲泥の差である。同じくツヴァイク「書痴メンデル」、こちらは店を持たない古本屋の物語、第一次大戦前後である。メンデルはあるカフェに陣取つて商売をしてゐる。その知識の豊富なことは他に類がなく、それ以外のことを気にしないのは正に書痴の書痴たる所以であつた。ところがある日当局に連行され拘束されて、帰つてきた時にはその面影はなく……これも戦争の悲劇である。書痴たるメンデルを時代が殺してしまふ悲劇は書物愛をはるかに凌駕する。この2篇はアンソロジー全体の中でも異色である。大体は前述のやうなテーマである。 あくまでも書物愛、愛書狂、これを越えることはない。ところがツヴァイクは軽々とそれを超える。それほどの大戦の衝撃だつたといふことでもあらう。私はこの2篇でこのアンソロジー、特に海外篇を良しとする。アンソロジー編者の良し悪しはこのやうな作品を一つでも入れることができるかどうかにかかつてゐる。 ツヴァイクを、しかも敢へて版画蒐集家を選んだ編者の慧眼を嬉しく思ふ。さすが紀田順一郎である。なほ、編者自身の短篇も収められてをり、これもお馴染みの古書業界、古書蒐集家に関はるミステリーである。いささか小さいが、日本篇の中では上出来だつたと言へる。

Posted by ブクログ

2014/03/25

『日本篇』と同時発売の、こちらは『海外篇』。 『海外篇』で外せないのは、矢張り、フローベール『愛書狂』、ユザンヌ『シジスモンの遺産』だろう。どちらも滑稽でありながら物悲しい、コレクターの情念を戯画化して成功している(余談だが、白水社版とサバト本はどちらもコレクター心をくすぐる造本...

『日本篇』と同時発売の、こちらは『海外篇』。 『海外篇』で外せないのは、矢張り、フローベール『愛書狂』、ユザンヌ『シジスモンの遺産』だろう。どちらも滑稽でありながら物悲しい、コレクターの情念を戯画化して成功している(余談だが、白水社版とサバト本はどちらもコレクター心をくすぐる造本だ)。 訳文もテンポが良く、読んでいて気持ちがいい。仏文の翻訳は矢張り生田耕作が一番好きだ。 他の作品では、M.R.ジェイムズ『ポインター氏の日記帳』が収録されていたのが嬉しい。正統派の英国怪奇小説の書き手として知られる著者で、この短編も怪奇小説。カーテンの柄、見てみたいなぁ……。その他、『書痴メンデル』の切ない結末、テンポの良い会話劇とも読める『牧師の汚名』良かった。 全体的に『日本篇』と比べると、『本』という『物』に対する意識の違いが垣間見えて面白い。『日本篇』は本を巡る人間関係やちょっとした謎がメインになっていることが多いが、『海外篇』では、『写本』や『豪華な装丁』への拘りが感じられるものが多いように思う。

Posted by ブクログ

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