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迫りくる「息子介護」の時代 28人の現場から 光文社新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2014/02/18 |
JAN | 9784334037857 |
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迫りくる「息子介護」の時代
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商品レビュー
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5件のお客様レビュー
親を介護する息子たちを温かくも厳しい眼差しで説いている。 いまだに、介護といえば女性がするものという世のなかの感覚が根強く残っている。性別役割分業的にとらえるべきでないといった硬い言い方をしなくても、実態としてもはや、自分の親は自分で介護する、あるいはその算段をつける時代になりつ...
親を介護する息子たちを温かくも厳しい眼差しで説いている。 いまだに、介護といえば女性がするものという世のなかの感覚が根強く残っている。性別役割分業的にとらえるべきでないといった硬い言い方をしなくても、実態としてもはや、自分の親は自分で介護する、あるいはその算段をつける時代になりつつある。そのようななかで介護する人たちの声をもとにしている。「28人の現場から」という副題がついていることもあり、各人のいろんな喜怒哀楽のエピソードが紹介されていることを期待して読んでみたんだけど、各人のエピソードが大して収まっておらず、むしろ各人へのインタビューなどをもとにした「息子介護」なるものの分析に大部が割かれている。 そんなうち、温かな眼差しと感じたのは、息子介護って思ったより希望があるものだなということ。皆さん、もっと困ったり憤ったり卑屈な思いをしながら介護しているのかと思ったら、そこは十人十色だろうけど、ちょっとした楽しみや和みがあったりする。こういうインタビューを(人を介して)受けられるくらいだから客観的にみてもわりとうまく息子介護している人たちなんだろうけど、そういうバイアスはあるにしても、希望ある事例に触れられたのはよかった。以前読んだ『男が介護する』(津止正敏著、2021年)ではもっとジェンダー的な部分で卑屈になったり葛藤するものというような紹介のされ方だった気がするけど、本書によるとそうでもないみたい。多くの人が、ジェンダー意識なんか二の次で、悩むとすれば親やきょうだいとの人間関係だったり介護のしかたといった、息子でなくても向き合う課題のような気がした(そこに、自身が息子であったり男であることによる特徴的な課題はありそうだけど)。 あわせて、よくも悪くもだけど「ミニマムケア」という介護への向き合い方も一つの知恵といえそう。育児世代でも妻と夫の家事時間の差を上げ、男性の家事参加が叫ばれるけど、妻がいま急いでやらなくてもいいことをやらなければならないと思い込んでやっていることもあるんじゃないかと思う。ともにミニマムケアでいくというやり方もあるはず。 同様に、男の介護って孤独な介護疲れのあげくの暴力や殺人が話題になりがちで問題ありありのようだけど、かといって女性の介護が万全なわけでなくむしろ危ういこともあるだろう。でも女性的な介護が一般的・スタンダードになっていることで危ういことも当たり前のこととして半ば正当化され顧みられないこともあるかもしれない。 一方、苦言を呈している点といえば、息子(男性)の介護ってコントロールしたいような思いが反映されてしまうこと。先述の「ミニマムケア」にしても、できないことの棚上げ、親の衰えなど見たくないものから目を反らしているとの指摘もあるとか。 ただ、誰がやっても介護は悲喜こもごもなはず。自分のやり方、自分なりの介護がなされればいいんじゃないだろうか。著者はこんなふうにも書いている(p.308)。 「『困っていない』僕らは、本当に困らなくてよいのか?」 「どうしたら僕らは、困るべきときに困ることができるのか?」 困っているときに困ったと言えない、助けてほしいときに助けてと言えない、弱みを見せられない男の「弱さ」を、「強さ」とかんちがいするのはやめたほうがよいのではないだろうか。男には弱さを認めることのできない「弱さ」がある……この問いに答えるのは、男たちの永遠の課題だろう。 介護って悲喜こもごも、困ったり迷ったり憤ったりしながらしていくもの。男だろうと女だろうと、誰だろうと。そういう意味で、困りながら介護をしていくことを当たり前として、息子たちも困りながら介護していることを表出しながら生きていくといい。
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背表紙に上野千鶴子の名前があったので読みましたが、上野先生は解説だけ。詐欺にあったような気分になりました。
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むかしは、介護といえば、女性がこれにあたるものとされる向きが強かった。娘であったり、息子の嫁であったり。それがいまや、配偶者による介護だったり、息子による介護だったりというのが、増えているようですね。とくに息子介護については、一人っ子化、晩婚化、独身でいる人の増大という現代人の在...
むかしは、介護といえば、女性がこれにあたるものとされる向きが強かった。娘であったり、息子の嫁であったり。それがいまや、配偶者による介護だったり、息子による介護だったりというのが、増えているようですね。とくに息子介護については、一人っ子化、晩婚化、独身でいる人の増大という現代人の在り様の傾向が影響していて、さらに、就職難や、介護が理解されない社会構造などもその背景としてあるような状態。本書ではその解決については述べられませんが、現状分析としては、なかなかに的を突いたものになっているように読み受けました。
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