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陪審員に死を 創元推理文庫
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陪審員に死を 創元推理文庫

キャロル・オコンネル(著者), 務台夏子(訳者)

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陪審員に死を 創元推理文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2014/02/21
JAN 9784488195144

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商品レビュー

3.9

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2018/06/15

マロリーシリーズ第7弾 ライカ―を退場させちゃうのか?と焦った。 氷の天使に残念な天才だけじゃダメだー

Posted by ブクログ

2015/01/18

香港に渡る前に愛読していた"氷の天使"キャシー・マロリーシリーズ。7年近く経って帰国、さて何冊新刊が出ているだろうと思いきや「吊るされた女」と、この「陪審員に死を」だけだった…それも分厚い、高い(涙)。やはり海外翻訳小説が絶滅の危機にあるというTwitter情...

香港に渡る前に愛読していた"氷の天使"キャシー・マロリーシリーズ。7年近く経って帰国、さて何冊新刊が出ているだろうと思いきや「吊るされた女」と、この「陪審員に死を」だけだった…それも分厚い、高い(涙)。やはり海外翻訳小説が絶滅の危機にあるというTwitter情報は本当なのだろうか。勘弁して…。 黒ロングコートを颯爽と羽織り闊歩する、ブロンドで美貌の女刑事…って、脳裏に浮かぶのは「MATRIX」のトリニティー役のキャリー=アン・モス程度(あんまり彼女は絶世の美女ではないか)。確かに尾行だの潜入捜査だのには向かない目立つ存在だ。彼女が「社会病質者」だと、この作品の重要人物がハッキリと言ってのけるが、ソシオパスにしてはマロリーは「全く感じよく振る舞おうとはしない」し、人間的魅力が有り過ぎる。というのも、彼女を庇護するライカーやチャールズの視点でもって、読者が彼女を見守ってしまうせいだろうか。 物語の重要な舞台となるのがチェルシーホテル。シド・ヴィシャスと、恋人のナンシー・スパンゲンの遺体が発見されたのはこのホテルのバスルームだった。アーサー・C・クラークがあの「2001年宇宙の旅」を書き上げ、リュック・ベッソンの「レオン」の舞台にもなったこのホテルに、攻撃的な猫(表紙の猫ですな)と住み続ける、身体障害と優れた知性を備えた謎の女性ジョアンナ。ライカーやその他の人物からの視点で彼女の描写が続くため、どうもマロリーの影が薄くなってしまう。 そして吐き気を催すほど酷いヘイトスピーチ、差別的発言で大人気という「ショック・ラジオ」パーソナリティのイアン・ザカリー。高聴取率を誇る彼の番組では、彼が被告となったある殺人事件の裁判で、無罪評決を出した陪審員が次々に殺されている。その部下で”イカレアマ”と罵倒され嘲笑され続け精神のバランスを崩して行きながらも「有名になりたい」一心で音響係を続ける女。この二人の人物描写がいささか弱い気がする。 まあ、まだ生きている陪審員も描かねばならないし、"死神"の連続殺人事件も説明しなければならないし、謎の死を遂げた妄想症の?FBI捜査官の事件も解き明かさなければならないしで、オコンネル様お疲れ様としかいいようがない。しかし続編は絶対に読みたい。創元文庫様お願いします~~~!

Posted by ブクログ

2014/10/29

 美貌の超クールな刑事キャシー・マロリー、そのシリーズ第7弾。え? まだ7作目だったの? と正直思った。一作一作が濃いせいか、もっと長くたっぷりと付き合ってきたシリーズのように思えてならないのだが、実はまだたったの7作目。一作目からここまで執筆された時間はしかし20年の長きに渡る...

 美貌の超クールな刑事キャシー・マロリー、そのシリーズ第7弾。え? まだ7作目だったの? と正直思った。一作一作が濃いせいか、もっと長くたっぷりと付き合ってきたシリーズのように思えてならないのだが、実はまだたったの7作目。一作目からここまで執筆された時間はしかし20年の長きに渡るものだそうだ。なるほど。じっくり書く作家らしいシリーズ。外れのないストーリーテリング。それでいて際立ったキャラクターを次々と生み出すフリーク・ストーリー。まさに唯一無二のオリジナリティを有したシリーズと言っていい。  前作ではマロリーの乳母(しかし現在では浮浪者)が殺害されるショッキングなシーンから始まる。もちろんマロリーの幼少の秘密が解き明かされる重要な一作であったのだが、本書では、前作の最後に銃弾を四発もくらって瀕死の重傷を追った相棒ライカー刑事のPTSDによるトラウマと彼の恋とが主題になっている。恋の相手は、謎に満ちた女性ジョアンナ・アポロ。やれやれ。この作家は毎度毎度どうしてこうも魅力的で深みのあるキャラクターを造形してくれるのだろう。やはり奇才という名が相応しい作家だ。  さて本書はこの物語のタイトル通りのストーリーなのであるが、ある事件の裁判に関わるの陪審員12名中、既に最初から10名もの陪審員が犠牲になって死んでいるという呆れた展開。誰が陪審員の正体を明かすのかというと、これまた驚愕、何とラジオ局のDJがラジオ聴取者からの情報提供を放送することによって陪審員の情報が一般公開され、まるで公開処刑のように陪審員が死んでゆくという無理がありそうな展開なのである。  その無理な展開の中に、トラウマに悩み役立たずとなっているライカー。彼の掃除会社が受け持つ犯罪現場クリーニングの掃除人としてジョアンナ・アポロの登場。彼女に惹かれてゆくライカーという構図が出来上がり、様々な意味でライカーの危うさを懸念するマロリーと、それに協力するチャールズ・バトラーというセットによって、あっという間にオコンネル世界が構築されてしまっているというわけである。そして何よりも際立つキャラ。  ジョアンナ・アポロとその周辺に広がる死のリング。狂気のDJイアン・ザカリー。死神による連続殺人と怯えながら生き残りを賭ける陪審員たち。警察小説でありながら、常にオカルト的なスリルを全編に漲らせるマロリーのシリーズ。冷酷なマロリーだが、地理に弱く尾行が下手であるなどの弱点が見え隠れしたり、ライカーへの優しさが深い底の方に垣間見えたりと、人間臭い部分が珍しく描かれている一面も本作では見逃せない。  まだまだ翻訳を急いで頂きたいシリーズである。東京創元社は本当に翻訳が極めて遅い!

Posted by ブクログ

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