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知的障害と裁き ドキュメント千葉東金事件
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2013/11/01 |
JAN | 9784000238793 |
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知的障害と裁き
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商品レビュー
3.2
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
千葉東金事件自体を知らずに読み始めた。 被害者遺族側の心情がいっぱい書かれた上で、被告人は知的障害だから心神耗弱で無罪!みたいなよくドラマで見る胸糞展開を予想して読み進めたが、実際は被害者遺族に対しての取材はなし。判決に至るまでの経緯を見た上で理解はできるが、被害者遺族の気持ちを考えるとやっぱり軽いと思った。 福祉と司法のあり方が書かれ、もっと前に読んだらあまり理解できずに読み終わらなかったかもしれない。今の年齢で読んだから意味が理解できた感じがした。
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2008年、千葉県東金市住宅街の路上で、5歳の女の子の全裸死体が発見され、近所に住む21歳の、知的障がいのある男Kが逮捕される。彼はやがて犯行を自供するが、彼を犯人とするには、指紋の不一致、犯行の物理的な実行可能性、被疑者の特性に関わっての供述の曖昧さ等、いくつも不自然な点があ...
2008年、千葉県東金市住宅街の路上で、5歳の女の子の全裸死体が発見され、近所に住む21歳の、知的障がいのある男Kが逮捕される。彼はやがて犯行を自供するが、彼を犯人とするには、指紋の不一致、犯行の物理的な実行可能性、被疑者の特性に関わっての供述の曖昧さ等、いくつも不自然な点があった。 以上のようなことから、弁護人は、Kは事件と無関係と判断し、冤罪を主張する記者会見を開く。長く精神医療や障がい者と関わり、「自閉症裁判」等を著している著者は、弁護人の主張に沿って記事を発表し始める。 ところが、3か月後弁護人は明確な理由を公表せず突如辞任、後任の弁護人は無実を撤回し、訴訟能力や責任能力の欠如を軸に弁護を構成する。この予想外の展開に、著者は「一人、完全にはしごを外された形に」なってしまい、元弁護人に真意を問うが、取材に応じてもらえない。結局Kは、検察の懲役20年の求刑に対し、懲役15年が言い渡される。 本書で著者は、Kが有罪か無罪かを検証しているのではない。本書は、犯人に仕立て上げられた知的障がい者という想定で事件を追っていた最中、事件が思わぬ展開を見せ、そのため戸惑い、苦しみながらも、そこから見えてきた「知的障害者と裁き」の問題についての、著者の考察の記録である。 知的障がい者は、計算能力、言語能力等の発達が平均よりも遅い。これらは測定可能で、数値で表せる能力である。しかし、例えば自尊心のように、容易には数値化できない「心」に関する面はどうだろう。考えてみると、自尊心や恋愛感情が、計算能力等と同じ速度で、つまり「ゆっくり」発達するとは限らない。しかし私たちは、少なくとも私は、こうした感情については深く考えていなかったし、当然発達が平均より遅いだろうと自動的に想定していた。 無実を訴えた最初の弁護人は、事件の社会的意義を考え、Kの障がいについて社会に理解を求める立場で論を構成し、Kが公判で「私は知的障がい者です。難しいことはわかりません」と話す練習までいっしょにしていた。しかしKは結局この言葉は言わなかった。忘れてしまったのかもしれない。或いは、この言葉を述べることを、Kのプライドが許さなかったかもしれない。それはわからないのだ。知的障がいを持つKには、自分の行動の動機を整然と述べることは期待できないからだ。 公判でKはしばしば、「わかりますか」と問われる。例えば「黙秘」については、「わかりません」とはっきり答えている。しかしKは「少しわかります」という答えを多用している。その後のKの証言を読むと、わかっていないことがわかることが多い。「少しわかります」、この答えから私たちは何を考えなければいけないのか。そもそも「わかりますか」と頻繁に問われるとき、Kの心で何が起こっているのか。本書はこうした重要なことについての、問題提起の書である。多くの人に読んでほしい。 「司法が凶器に変わるとき」(三宅勝久)との併読をおすすめする。同じ事件のルポだが、こちらはタイトルからわかるように、Kは事件と無関係とする視点から書かれている。公判でのKの証言がそのまま載っているので、大変参考になる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
知的障害者が少女を殺害した事件を扱ったもの。知的障害者の取り調べや弁護団の法定戦術などが主なトピックで、精神鑑定については軽く触れられているのみ。しかも弁護団が途中で交代して方針が180度変わったため、記載内容もやや混乱している。 ・知的障害の人たちは取り調べ段階で意味も分からずに肯定したり、やたらと迎合的になることも多く、証言内容はあまり信頼できない ・責任能力について、弁護団は当初、無罪を主張していたのでこれを争わなかったが、弁護団が交代して一点、心神耗弱・喪失を主張するようになった。鑑定人として高岡健が選ばれ、クレッチマーの短絡反応が持ちだされた。すなわち、原始反応として爆発反応と短絡反応があり、前者が運動暴発や記憶の欠損を伴うのに対し、短絡反応はより複雑な行動をとることがあり、体験刺激に対して断片的な人格を介して反応行動に至る。 少女に「バカ」と言われただけで殺害に及んだという行為は入力に対して出力が過大であり、断片的な人格のみを介している(弁識能力が障害されていた)ことを示しているという鑑定結果であったらしい。 これだと激情型の犯罪はすべて責任能力の障害ということになるのだが、、、 裁判では鑑定は採用されていない。
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