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100人の人生の物語 小学館文庫
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100人の人生の物語 小学館文庫

セシリア・アハーン(著者), 阿部尚美(訳者)

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100人の人生の物語 小学館文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 2014/01/04
JAN 9784094088182

100人の人生の物語

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2016/07/03
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※このレビューにはネタバレを含みます

チックリットの名手アハーンの第9作目、2012年の作品。原題は"One Hundred Names"。 スティーブとのロマンスも悪くはないが、なんといってもキャサリンのインタビュー相手の人生がすてき。どこかで聞いたことのありそうな話なのに、登場人物ひとりひとりの表情が目に浮かんで泣けてしまう。キャサリン自身は臆病で、自分のしでかしたことから逃げているようなところがあって、どうも好きにはなれないけれど、人間ってこんなものかもしれない。 人の善なる部分に光を当て、完全なハッピーエンドではなくとも、自分を取り戻し、前に進み続ける姿を書かせたら、アハーンはピカ1。 これこそ映画で観たい。 以下の登場人物、完全にネタバレ。 キティ(キャサリン)・ローガン:主人公。33歳のジャーナリスト。成功を焦るあまり、罪のない高校教師の人生を台無しにし、テレビレポーターの職を失う。 コンスタンス・デュボワ:雑誌『エトセトラ』の編集長。キティを始め、数々のジャーナリストを育ててきた。独自の視点で真実を追究することに長けている。 ボブ:コンスタンスの良き夫。キティの良き理解者。 スティーブ・ジャクソン:キティの大学時代からの友人。キティに彼氏がいようが、自分に彼女がいようが、誰よりもキティを優先させ、支えてくれるひたむきな人。恋人のカーチャは可哀想だが、こんなふうに陰ながら支援してくれる人がいたら、女としては嬉しいだろうなと思わざるをえない。 リッチー・デイリー:キティの大学時代の友人。卑怯なやり口で、キティから情報を引き出したが、キティにこの人を責める資格があるとは思えない。彼の推理小説が刊行されなかったのは、むしろ残念。 コリン・マグワイア:中等学校の体育教師で、昔、教え子を振ったばかりに、生徒を虐待したという偽の情報を流されてしまう。いい人過ぎる。 ブリジット・マーフィー:老人ホームで暮らす上品な婦人。彼女が求めていたのは、賭けのお金ではなく、再会だったことを思うと一抹の悲しさが残るが、晩年にこんなすてきな旅をできてうらやましい。 エバ・ウー:ショッピングの代行業というが、どちらかというと、プレゼントの代行で見事な手腕を発揮する。アハーン作品の善人が結実したような人物。観察眼に優れ、愛に溢れている。 アーチー・ハミルトン:フィッシュ・アンド・チップス店員。娘を殺した犯人に復讐し、前科持ちとなった。助けを求める人の心の声が聞こえるようになる。Giftにも通じるファンタジックな要素。 メアリー=ローズ・ゴドフリー:美容師で、病院への出張も行っている。週に一度、片思い相手のサムが「嘘の」プロポーズをしてくれる。サムにプロポーズをされる時のメアリー=ローズは、『エージェント・オブ・シールド』のシモンズのような可憐さを感じさせる。 ジェドレク・ビソツキー:失業したポーランド人移民で、自分が価値あることを証明するために、ギネス記録に挑戦して成功。 アンブローズ・ノーラン:蝶類研究者。半身に火傷を負い、両目の色も違うため、人前に出るのを極端に嫌う。彼女が心を寄せるユージーンは、ありのままの彼女を受け入れている。この2人のロマンスは、断片的にしか書かれていないが、もっと読みたい。

Posted by ブクログ

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