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バランスシート不況下の世界経済
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バランスシート不況下の世界経済

リチャードクー【著】

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バランスシート不況下の世界経済

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 徳間書店
発売年月日 2013/12/21
JAN 9784198637224

バランスシート不況下の世界経済

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商品レビュー

4

9件のお客様レビュー

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2023/04/27

バランスシート不況という概念は著者の前書で勉強して感銘を受けていましたが、本書もそのフレームワークを使って世界経済を明快に解説されていると思います。本書を読んで改めて思うのは、物事を単一面から見るのではなく全体的に見ることの大事さ。例えばある国の財政赤字だけを見るのではなく国全体...

バランスシート不況という概念は著者の前書で勉強して感銘を受けていましたが、本書もそのフレームワークを使って世界経済を明快に解説されていると思います。本書を読んで改めて思うのは、物事を単一面から見るのではなく全体的に見ることの大事さ。例えばある国の財政赤字だけを見るのではなく国全体としての資産・負債を見ると、実はスペインやイタリアには財政赤字以上に民間貯蓄が国内にある、という事実。つまり財政赤字だけを見てそれが巨額だからまずいと騒ぐのではなく、国内の民間貯蓄も含めた全体像で見よということです。またバランスシート不況についても経済の好不況を普通のエコノミストはGDP統計だけを見て議論しますが、これは国の損益計算書に相当するもので、クーさんの指摘は、バランスシート(貸借対照表)も見て全体的に議論することの大事さです。  またクーさんの本を読んでいると、幅広い知識と現地現物の情報の大事さも痛感します。日本のマクロ経済学者の多く(ほとんど)は経済学しかバックグラウンドになく、ファイナンスや会計の知識が皆無なため、損益計算書と貸借対照表の読み方すら知りません。知っているとしたらソローやローマーによって発展した成長会計(経済成長を資本、労働、技術進歩に分解して説明するモデル)くらいのものでしょう。また投資家との接点もなく、理論の知識しかないので、自分たちが学んだ経済理論と現実世界が違うと「現実世界が間違っている(歪みが起こっている)」という言い方をします。つまり自分たちが正しいと思っていた理論が実は欠陥品だったという可能性は排除する傾向にあります。  経済のアカデミックな知識と実務経験、さらに現地現物の情報(各種経済主体との意見交換)を備えたクーさんの本は極めて説得力があり、ぜひ日本発の経済理論になってもらいたいと願っています。

Posted by ブクログ

2018/06/19

世界金融危機以降に、アデア・ターナー、マーティン・ウルフと云った海外のエコノミストに再評価されている、リチャード・クーのバランスシート不況論を述べてるのが本書である。 バランスシート不況は、借金でファイナンスされたバブルが全国的に発生し、バブルが崩壊した時にのみ発生する稀な不況...

世界金融危機以降に、アデア・ターナー、マーティン・ウルフと云った海外のエコノミストに再評価されている、リチャード・クーのバランスシート不況論を述べてるのが本書である。 バランスシート不況は、借金でファイナンスされたバブルが全国的に発生し、バブルが崩壊した時にのみ発生する稀な不況である。企業は抱え込んだキャッシュ―フローを使って、一斉に債務を最小化しようとする。このため、キャッシュフローを投資に回さない、家計の貯蓄を借りて使われなくなるので需要が失われる。また、民間の未借貯蓄が国債市場に回り、国債価格が上昇して、その利回りが下がる。バランスシート不況時には、政策金利や預金金利が低いにも関わらず、民間が大幅な資金余剰になる。 バブル後の日本、世界金融危機以降のアメリカ、EU、中国といったさまざまな地域の経済状況の分析がされており、内容は多岐に渡るが、一番うまく説明できているのは、EUの経済分析である。欧州ソブリン危機を引き起こしたのは、ドイツとECBの経済政策が遠因だと説明されている。概要を述べると、90年代末のITバブル崩壊で、深刻なバランスシート不況に突入したドイツは、本国に資金需要がないにも関わらず、財政赤字の拡大を嫌い、その代わりにドイツ経済を救うために、ECBは低金利政策を行なった。ECBの低金利政策はユーロ周縁諸国に住宅バブルを齎した。EU周縁諸国に輸出することで、ドイツはバランスシート不況を脱出したが、資産バブルに沸くヨーロッパ周縁国は、アメリカのリーマンショックの煽りを受けてバブルが崩壊し、それが今日まで続くEUの経済低迷につながっていると結論している。 EUは制度上で、二つの大きい欠陥がある。それは、①マーストリヒト条約が財政赤字の上限を設けており、バランスシート不況に陥った場合に大規模な財政出動ができない。②ユーロ圏内の国債市場間で発生する、極めてプロシクリカルで非生産的な資本移動が許容されていると云ったものだ。クーは解決案として、①マーストリヒト条約の財政規律条項の改正、②自国債と外国債に違うリスク。ウェイトを設け、自国債を購入した場合のリスク・ウェイトを低い水準に抑える事を提案している。この解決案はいい線を行っていると思う。 クーの提唱するバランスシート不況論はかなり有力な説であり、バランスシート不況を知るには最適な本だろう。本書の欠点としては、やたらクーの自慢話が多くて霹靂した点、一般向けの経済書であるために、同じ内容が繰り返して書かれており、そのために内容の割にはページ数が多い点だ。内容を2/3ほどに圧縮して、もう少し内容を煮詰めれば、改善されるだろう。アベノミクスの評価と中国経済分析が書かれた章は凡庸。中国経済に対しては相当楽観視しているし、自分がブレーンを務めた麻生太郎の過大評価はどうなのかと思った。麻生太郎、そんなに優れた政治家には思えないのだが… 評点: 6.5点 / 10点

Posted by ブクログ

2016/11/12

良書。従来の経済学では教えられてこなかった「バランスシート不況」という概念を分かりやすく説明している。専門家でなくとも割りと理解し易い内容と感じた。財政出動と財政再建の関係は目から鱗であったし、一般のマスコミや評論家の言に踊らされてはいけないと改めて感じた。

Posted by ブクログ

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