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翳深き谷(下) 修道女フィデルマ 創元推理文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
| 発売年月日 | 2013/12/24 |
| JAN | 9784488218195 |
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翳深き谷(下)
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商品レビュー
4.1
10件のお客様レビュー
ミステリ。修道女フィデルマ。 シリーズ長編第六作。 シリーズの作品でも変わった方向でフィデルマが危機に陥る。 二日酔いに苦しむエイダルフが頼りないかと思ったら、思わぬ大活躍。やはりこのコンビは素晴らしい。 上巻は静かめな印象だったが、下巻では一気に物語が動く。 結末が爽やかで、読...
ミステリ。修道女フィデルマ。 シリーズ長編第六作。 シリーズの作品でも変わった方向でフィデルマが危機に陥る。 二日酔いに苦しむエイダルフが頼りないかと思ったら、思わぬ大活躍。やはりこのコンビは素晴らしい。 上巻は静かめな印象だったが、下巻では一気に物語が動く。 結末が爽やかで、読後感が良い。 直近で読んだ『感染症の文明史』でも学んだが、人が宗教が信じる理由・嫌悪する理由が上手く描かれていたように思う。 これで著者の未読長編は『憐みをなす者』『風に散る煙』の二作。シリーズ読破を目指す。
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666年、アイルランド・モアン王国南部にあるキリスト教の届かぬ土地〈禁忌の谷〉グレン・ゲイシュに派遣されたフィデルマとエイダルフ。二人を待ち受けていたのは三十三人の死体で作られた生け贄の円陣だった。いにしえの神々を祀るグレン・ゲイシュのドルイドが挑んできた宗教論争を罠だと感じたフィデルマの予想通り、同じく派遣されて谷へやってきたローマ派の修道士が何者かに殺害される。第一発見者のフィデルマは容疑者として捕らえられ、エイダルフが弁護人を務めることに。エイダルフはフィデルマを救えるのか、そしてこの谷に呼び出された真の目的はなんなのか。〈修道女フィデルマシリーズ〉長篇邦訳第6作目。 時系列的には「蜘蛛の巣」の直後。アラグリンが田舎の村社会という表層イメージを崩さない秘密を積み重ねたていたのに対し、グレン・ゲイシュは〈異教のはびこる旧態の辺境〉という中央からの偏見を利用して自らの意思を達成しようとする、したたかなマイノリティの共同体として描かれる。 フィデルマを宗教論争に引きずり込もうとするドルイドのムルガルは博識で蔵書も多く、聖パトリック伝に記された初期キリスト教の暴力性を指摘する。討論の場でローマ派のソリンに対してムルガルが放った「あなた方のその宗教は、貧しき者はいつまでもその貧しさの中に生き続け、自らは彼らの惨めさの中で、さらに豊かになり、いっそう肥え太ろうと望む暴君によって、考えだされたものに違いない」という一撃は、その後のローマ・カトリックの姿を予言しているかのようだ。 上巻はこのグレン・ゲイシュという土地の異質さが緊張感を持って描かれる。冒頭でだされる三十三人分の死体はインパクトだけ大きくてなかなか進展がない。その代わり、「薔薇の名前」をも連想させるムルガルの長広舌が楽しませてくれる。 下巻に入ってやっとソリンが殺され、フィデルマが容疑者として囚われると、遂にエイダルフが付け焼き刃のブレホン知識でにわか弁護士として活躍!上巻ではひよっこ修道士からロクに情報を引き出せずに飲みすぎて二日酔いで寝込む情けなさだったエイダルフに見せ場があって本当に良かった(笑)。 ラズラとオーラの見間違いはトリックでもないし、薬師と世話係の関係も早々にわかってしまうのだが、本作はミステリーというより政治的な陰謀劇としてそのダイナミズムを楽しんだ。ドルイドとクリスチャンの立場が逆転したかのようなフィデルマ・エイダルフ・ムルガルの会話で終わるラストも力が抜けていてよい。
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