ちゅーしても、いいよ(前編) 親の支配から生還した真由美の記録

清水賢一【著】

• 販売会社／発売会社: 幻冬舎ルネッサンス
• 発売年月日: 2013/12/06
• JAN: 9784779010439

商品レビュー

2014/04/12

著者の清水さんが恋人である真由美さんと付き合った記録

上下巻とはいえ　
装飾からケイタイ小説のような行間を
イメージしていた私は、ゲッ！と思いました

めちゃくちゃ小さいサイズで
日記形式、と　メールのやりとり　
プチ解説など　びっしり、書かれています

上巻・・・３分の２ほど読んで・・・読み進めるのが
苦しくて　断念しかかっている状態でのレビューです　

ゆっくり読んで行こうと思います
下巻はもっと、大変な事態がたくさんあるらしい・・・。

毒親に育てられた（主に過干渉・過保護）
真由美さんに振り回されていく

生活や仕事も出来ないくらいに２４時間
そばにいないといけない状態

なにが気に入らないのかキレる　
なにを言っても言わなくてもすべて気にいらない
死ぬという
すぐに会いたい　ずっと一緒に居ないと見捨てたと
他の男の所にいくと言われる
今から死ぬからとメールが山のように来る

医師の診察は受けていないけど
清水さんはネットで調べるうちに彼女は

「ＢＰＤ　境界性パーソナリティ」
ではないかと思い始めます

清水さんも書いているのですが、

実際にどんな目に合ったか知らない人には
言葉で書いてもホントの所は伝わらないのではないか　
目の前で見ても分からないのではないか

幾度とそんな言葉が出てきます

真由美さんは、ハイパータイプ？
他の人の前では普通に出来るのに
清水さんの前でだけしがみつきが起きる
日常は嵐のような狂気で

逆に言えば事実を淡々と書いている日記は
「そんな目」に遭ったコトがある人にとっては　
苦しくなってしまうような・・・

普通の家庭に育った清水さんのつぶやきも
幾度となく出てきます

「まったく！どんな育てら方したら、こんなふうになるのだ！」

「まったくなんて親なんだ！おかしい！
ないだろ子供に対して」

「真由美がこんなだから、子供も真由美と同じ症状になってる」
＊真由美さんにはお子さんがいます

親からの代々続く毒の連鎖を生みださないように
自分の心の傷を癒そう　
もしもこれから子供が産まれたのなら
子供にも影響がありますから、という意味で
この本を書かれたようです

＊＊＊

ＢＰＤである方、当事者が書いた本ではないので
振り回されている清水さんの主観で書かれていること
当事者が　何故そうなるか気持ちは分からない

逆に言えば振り回されている側で
清水さんと同じように
普通はこうなのに、やってられない～！
こっちが精神的に追い詰まる・・・けど
なんとか恋人を救うのだ　逃げないで力になりたい

そんな人には共感を得るのかもしれないです

個人的に　私が読めなくなっているのは・・・

自分の親が、
まさに真由美さんのような感じの暴れ方や
脅し方？
さらに真由美さんの親にとても似ていること

日記を読み進めると　
まったく同じ体験してる、ということで
その時の状況をリアルに思い出してしまって
心臓がバクバクしてしまう（苦笑）

しかし、そんな親に育てられたけど
私自身はＢＰＤの症状はない・・・ワケで

振り回されてヘトヘトになっている
ノーボーダー側の立場と言う意味では清水さんと同じ

でもだからと言って　清水さんと同調して
【普通の家庭は、親はこうだろ！】とも言えない

「まったくどんな育てられ方してんだよ？」
「まったくひで―親だ！」

と言われると突き刺さってしまう・・・かな。

清水さんも書いてあったけど　
自営で個人的に仕事しているから時間の融通がきく

サラリーマンだったらとっくに破たんしていたかも、と

それプラス、男性で相手が恋人で、好きだからこそ
・・・出来るのかも

あ、あとタイトルの
「ちゅーしてもいいよ」は
・・・自分の意志ではないかのような振る舞い　
リスクを侵さない
他人を操縦して責任を転換させようとする無意識が
隠されている・・・
たしかに・・・と思った

ちゅーして、と言うね　

途中までしか読んでないけど・・・感想です