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ディア・ライフ
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2013/12/09 |
| JAN | 9784105901066 |
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ディア・ライフ
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商品レビュー
3.9
17件のお客様レビュー
2013年のノーベル文学賞受賞を受賞した著者が、80歳を超えて著した短編集だ。 自己の人生を振返り、いろいろな記憶をもとに語られる表題作のディア・ライフが珠玉のように感じられる。齢を重ねた作家の、その人生を振り返る作品を読むと、自分の老いた両親の人生であったり、自身の行方を...
2013年のノーベル文学賞受賞を受賞した著者が、80歳を超えて著した短編集だ。 自己の人生を振返り、いろいろな記憶をもとに語られる表題作のディア・ライフが珠玉のように感じられる。齢を重ねた作家の、その人生を振り返る作品を読むと、自分の老いた両親の人生であったり、自身の行方を考えさせられ感慨深い。 テンポの速いストーリー展開だったり、サスペンスのような盛り上がりはないが、小説を読むということを再考させられた一冊だった。
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本書を知ったのは、「母の友2023年8月号」の特集で、作家の「温又柔」さんが、『自分が世界にしっくりと馴染んでないような、疎外感を覚えたときに読む、呼吸が深くなる本』の一冊として紹介されていたのが、きっかけでした。 短篇小説って、単純に長篇小説よりも限られた、短いページ数...
本書を知ったのは、「母の友2023年8月号」の特集で、作家の「温又柔」さんが、『自分が世界にしっくりと馴染んでないような、疎外感を覚えたときに読む、呼吸が深くなる本』の一冊として紹介されていたのが、きっかけでした。 短篇小説って、単純に長篇小説よりも限られた、短いページ数で、比較的、簡単に書けるのではなんて思っていたけれど、そんな浅い思い込みを恥じたいくらいに実感させられたのは、それを書ける人の方が、様々な人生模様を我が事のように深く感じ入ることが出来る上に、様々な彩りがなされた自分自身の人生も作品の味として活かせることから、絶対的な決めつけ方をしない、多様な思考法を持つことの出来る方なのではないかということで、もしかしたら、温さんもそこに呼吸が深くなる要因があったのではと思われる。 「アリス・マンロー」は、2013年にカナダ人初の『ノーベル文学賞』を受賞されたが、その人生は、パーキンソン病に苦しむ母の代わりに12歳のときから家事を担い、若くして結婚して22歳で母親となり、4人の子を産み育て(1人は生後すぐに亡くしている)、子どもたちを昼寝させている間にタイプライターに向かい、掃除洗濯をしながら物語の構想を練り、様々な世代の様々な女たちの人生を主な素材として、ひたすら短篇という形式を磨き上げてきたそうで(以上、訳者「小竹由美子」さんのあとがきより)、そうした大変さを経てきているのだが、本書に於ける自伝的連作の中にも書かれているように、『不幸せなものとして記憶していない』のであり、ここに私は、ひとつ注目したいものを感じた。 厳密にそれは、母が病に苦しむ時期だったのだが、別にそこだけが不幸せだったとは思えず、学校ではその時代的背景による、苛めに近い苦痛を感じた、その印象が最悪であったことや、心乱されて寝つきが悪くなった、『わたしは自分ではなかった』時期には、父からの言葉により、『嘲りも警告もなしに、わたしたちの暮らしていた世界に落ち着かせてくれた』と感謝することが出来たが、おそらく今の時代だったら、病院に連れて行かれていたのかもしれない。 しかし、そうしなくても良かった場合もあることを、ここでは実感させられながら、こんな父にも問題点があることも当然書かれており、要するに、それが人間であり、人生なんだということではないか、幸せか不幸せかを自分で判断するのも、ものの見方や考え方次第で変わるのではないかということではないかと私は思い、人間は神のように絶対的存在ではないからこそ、絶対的なことはないであろう世界に、私たちは生きているのだと思えたのである。 そして、そんな思いは、自伝的連作以外の短篇からも感じさせられ、それは「日本に届く」の、当時ではその存在自体が珍しく、立場も小さかったであろう、女流詩人グレタの、あるパーティーで最初に感じた、誰からも相手にされない孤独感から、 『この不快さについての理論を組み立ててしまうと、彼女は気分が軽くなり、誰かが話しかけてくれようがくれまいがさほど気にならなくなった』 と、その柵みも自分次第で軽く逸脱してしまうことや(ちなみにこのエピソード、メインストーリーと殆ど関係ない事から、マンローの物語の豊潤さが実感出来ると思う)、「ドリー」の、自分達が死んだときに備えてやるべき事を話し合う、フランクリン(83歳)と私(71歳)夫婦の状況に於いて、私が感じた、 『わたしたちの人生にはもう何も起こらないという思い込み』 が、見事に覆された、その過去から降って湧いたような驚愕の展開には、年齢など関係ない人生の妙味を思わせる、そんな中でも『僕たちには喧嘩してる余裕なんかないんだ』という、彼の台詞には、物語を経た上で読むと、人生と共に深まった二人の愛情による感動を覚えながらも、最後の最後には、二人の価値観の違いを如実に表して終わるという、その縦横無尽さに振り回される爽快感に酔いしれながらも実感したのは、人間の持つ自由で多様なその存在感の確立であり、こうしたところにも、人間って、人生って、もっと色々あって多様であっても良いんだなと感じさせられられた。 しかも、本書の舞台は、現代だけに留まらず、1940年代から様々であることに(一つの短篇の中で時代が移り変わるものもあり)、尚更、勇気づけられて、たとえこの先、私が世界に馴染んでないような疎外感を覚えたとしても、それはものの見方や考え方次第なんだということを改めて教えてくれたし、自伝的連作を除いても10編ある、マンローの物語の、喜怒哀楽含めた多様な人生を語る、その豊潤な言葉たちは、きっと何度も読み返すことで、また違った味わいを感じられるのだろうと思うと、それが返却日の為に叶わないことが、唯々残念である。
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なかなか読みづらいというか不親切に感じるところもあったが、そのあたりをなんとか踏ん張って読み進めると、意外にも多様な女の人生がじわりと広がっていくような読みごたえがあって、ああ女の作家だ、と実感した。女たちの胸の奥に確かな欲望が息づいているところが、いい。「砂利」は結局今思い返し...
なかなか読みづらいというか不親切に感じるところもあったが、そのあたりをなんとか踏ん張って読み進めると、意外にも多様な女の人生がじわりと広がっていくような読みごたえがあって、ああ女の作家だ、と実感した。女たちの胸の奥に確かな欲望が息づいているところが、いい。「砂利」は結局今思い返してもどう処理すればいいのか分からない悲劇を題材にするが、こういう取り返しのつかない「どうしたら良かったのか」を扱う作品に私はいつも弱い。そして「声」、よかった。男たちの柔らかで甘やかな声に憧れと欲望を抱く少女。男に対する女の一面的ではない熱情。
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