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少女外道 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2013/12/04 |
JAN | 9784167440107 |
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少女外道
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商品レビュー
3.9
25件のお客様レビュー
著者の本は戦争を境にして仄暗い世界観で統一されている。文学的で好きな文面だけど、明るさや希望といった類のものは無い。 マイノリティな部分を内に秘めた少女たちの物語。生は暗く死は松明の灯りのようにぼんやりとだけど淡々と描かれている。最後の話は作者の話なのかな、と思うほど、他の話より...
著者の本は戦争を境にして仄暗い世界観で統一されている。文学的で好きな文面だけど、明るさや希望といった類のものは無い。 マイノリティな部分を内に秘めた少女たちの物語。生は暗く死は松明の灯りのようにぼんやりとだけど淡々と描かれている。最後の話は作者の話なのかな、と思うほど、他の話よりリアルだった。 短編で読みやすい。
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面白かったです。 日常を超えた世界に憧れ、まわりの決める結婚をしないだけで「少女」たちが「外道」とされる…黒田夏子さんの解説で、惹かれる書名の意味がやっと解りました。 それならわたしも「外道」なので、久緒や苗子や倫に近しいものを勝手に感じてしまいます。でもこんなに凛と立ててない。...
面白かったです。 日常を超えた世界に憧れ、まわりの決める結婚をしないだけで「少女」たちが「外道」とされる…黒田夏子さんの解説で、惹かれる書名の意味がやっと解りました。 それならわたしも「外道」なので、久緒や苗子や倫に近しいものを勝手に感じてしまいます。でもこんなに凛と立ててない。。 「隠り沼の」と「標本箱」がとても好きです。囚われ、壊れたり逝ってしまったり。 戦争の影響も色濃く漂うお話たちでした。 「そのあとにつづく躰が生きている私の時間を、私は思った。空無の中で、空無を包み隠す肉体は、しぶとく生きている。」
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物語の時代背景は、戦前から戦後。軍国主義の風が吹き荒れる風潮の中で、おそらく女性はその地位を不当に貶められたであろう。「少女」ともなればなおさらのこと。虐げられる存在たる少女は、一方で「女」としての独特の厳格な道徳性をも求められる。時代の波の中で、何気ない日常を送りながら、要求さ...
物語の時代背景は、戦前から戦後。軍国主義の風が吹き荒れる風潮の中で、おそらく女性はその地位を不当に貶められたであろう。「少女」ともなればなおさらのこと。虐げられる存在たる少女は、一方で「女」としての独特の厳格な道徳性をも求められる。時代の波の中で、何気ない日常を送りながら、要求される「道」を少しばかり「外」れてしまう少女たちの物語が、本書には七篇収められている。 少女が日常生活の中で、おのれの心と周囲との小さな齟齬に気づいたとき、彼女の心は道を外れ始める。皆川博子はそんな少女の心情とそれとは無関係に流れてゆく日常生活を静謐に描く。文体のせいか、行間からはほのかな官能性が漂う。道を外れた少女の心は恐ろしいが、美しい文章に乗せられてむしろ耽美な浪漫性さえ帯びてくる。 少女たちは周囲の「道」から外れたおのが心に閉じこもりながら、しかし、心の隙間から冷徹な視線で日常を見ている。周囲の大人たちは、そんなことには気づきもしない。少女ゆえ、道を外れても凶暴になったりはしない。どこか狂った少女はむしろ甘やかさをまとっている。 甘美な調べに乗って読み進むと、いつしか読み手の心には凪いでいた水面に風がさざ波を立てたようなざわめきが残る。 収められた物語の多くは過去・現在・未来の時制を往還しながら進んでゆくが、少女の心はいつしか彼岸に跳んでおり、これらの物語は「死」を予感させる。究極の安寧としての「死」は、これらの物語に通底するモチーフのように思える。だからいずれの物語も、読後、不穏な安心感をもたらしてくれる。
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