被災資料救助から考える資料保存 東日本大震災後の釜石市での文書レスキューを中心に 多摩デポブックレット

青木睦【著】

• 販売会社／発売会社: 共同保存図書館多摩/けやき出版
• 発売年月日: 2013/11/01
• JAN: 9784877515041

商品レビュー

2014/05/23

図書館系のNPOのブックレット。
東日本大震災で被災した文書の救助経験を発表した講演をまとめたもの。

国文学研究資料館の人が図書館関係の人に話すようなものだから、プロ向けの実際的な話。
だけどおもしろかった。
応用が利きそうだし、こういう活動や必要性があるんだってことを門外漢こそ知っておきたい。
ペットの救助さえ後ろ指をさされるような初期から、こんなふうに黙々と働いた人たちがいたのか。

・大きな災害の時に、「文書を助けます」とか「助けてください」と言っていいのかなと思ってしまう。
だから、普段から救援・受援するためのトレーニングが必要。

・普段の保存をしっかりやっておくと、いざという時にも助かりやすい。
水に強い・火に強いなど資料の質・梱包材の質を考えるのも大事。

・古い資料は古くなるまで伝えられたからこそ古い資料になる。
救うべき資料は文化財だけじゃなくて、役所の書類なども含む。
歴史的価値のあるものは大事だけど、今使うものも、そのうち歴史になるものも大事。
だから古い資料もちょっと古い資料も現役の資料も未来に繋ぐ。