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本当に良い病院悪い病院 病院ランキングではわからない実地調査版
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本当に良い病院悪い病院 病院ランキングではわからない実地調査版

田中幾太郎【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 宝島社
発売年月日 2013/11/15
JAN 9784800217653

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2013/11/23

本書は、長年筆者が医療問題に精通した視点からとらえた病院評価であり、他の病院ランキング本の追随を許さない切り口によって、各種のデータを詳細に検討し解剖した、謂わば「病院解体新書」といえるものだ。 その切り口とは、手術数第一主義をとる『週刊朝日』を代表とするランキング本の限界を見据...

本書は、長年筆者が医療問題に精通した視点からとらえた病院評価であり、他の病院ランキング本の追随を許さない切り口によって、各種のデータを詳細に検討し解剖した、謂わば「病院解体新書」といえるものだ。 その切り口とは、手術数第一主義をとる『週刊朝日』を代表とするランキング本の限界を見据え、且つプラス面も加味しつつ医療現場を肌で感じる患者の側から記述している点に象徴されている。 昨今では患者中心主義を装ってはいるものの、その実取引先の金融会社や病院経営重視で効率を優先化する風潮がはびこる中で、実ではなく外見的なものだけが病院ランキング化されてきたと序文で触れている。 手術数による手術料減額という厚生労働省による診療報酬改定では、「過疎地の病院で必要な手術ができなくなる」との批判が出て、「手術数と患者の生存率向上など治療実績との因果関係は見られなかった」(厚労省)と廃止となったという。例えば東海大学医学部附属病院では、「手術は連日、深夜にまで及び、患者にも医療スタッフにも多大な負担がかかっていた(116)」という。手術数が増える余り医療スタッフだけではなく患者にまでが疲弊していたとすれば、そのツケは必ず重大な医療ミスやトラブルになるだろう。 まず本書を手に取り目を引くのは目次、そして“行きたい病院がすぐ見つかるインデックス”である。例えば第一章の首都圏ブランド病院ランキングでは、第一位である「榊原記念病院(府中市)日本が誇る循環器専門病院」から、そうそうたる病院が目次から一目でわかり、さらに「診療科別」と「病気別」でも区分けされた病院一覧がインデックス化されており読者(患者)に親切な本書への導入部となっている。 例えば私は深夜勤務の運転に関わっているため高血圧や肥満によるメタボリックシンドロームや睡眠時無呼吸症候群、更には糖尿病などについてかかれる病院が気になる。それを探す際にはインデックス「呼吸器科系」に目がとまる。すると「虎の門病院(睡眠時の呼吸関連疾患が対象。睡眠時無呼吸症候群研究の第一人者)178」とある。早速178ページを開くと東大関連病院の中でも名門と言われている虎の門病院の「強みと弱み」について書かれている。 筆者はそこでも、病院の評価について患者にとってどうなのか意識したものとなっている。それは施設内のひび割れや外来フロア内で待つ患者たちの流れの悪さ等にも忌憚なく書かれている。かといって患者の受け入れ側である医師の顔ぶれ、肝臓内科のそうそうたる医師たちの体制、B型肝炎治療の最新療法を開発した病院であることを触れている。  そして肝心の睡眠時無呼吸症候群では、年々増え続ける国内の300万人を患者睡眠呼吸器科として受け入れ体制を取っていると紹介している。さらにその病院の「注目の診療科」「注目の医師」「病院データ」で所在地や病床数、入院外来患者数など私も一人前の虎の門病院通になってしまう錯覚さえ覚えてしまったわけだ(笑) 「目次」→「インデックス」→「病院」と進んでいくにしたがって、目当ての病院が深く掘り下げられる。 これぞ読者や患者にとっての懇切丁寧なランキング本であることは間違いない。 極めつけは第四章にみる巨大化した一族経営である徳州会と中央医科を扱っているが、ここでも病院がブラック企業化する危険性を指摘しており読み物としても面白かった。 最後まで読み通して見て本書から見えてくるのは、実はランキングではなく日本の置かれている病院風景だと気づく。それは、効率が優先化されるあまり、看護師たちの燃え尽き率58%という数字であり、ランキング調査のために高額な上に病床数に応じて調査費に格差をつける第三者機関のいかがわしさであり、学閥で縦割り支配の医局制度への疑問であり、遂には受け入れる患者とそうでない患者を選別する病院のありかたが見え隠れしてくる。 筆者が取材の中で病院でみとるという視点も踏まえた続篇が望まれるところだ。

Posted by ブクログ

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